小室哲哉、母校・早大の学園祭に初出演。「間違いなくかっこいい音楽作っていきます」
11月5日、早稲田大学の学園祭<早稲田祭2011>で行なわれているライヴイベント「UBC-jam vol.25」に小室哲哉が登場し、パフォーマンスを披露した。小室にとって、母校である同大学の学園祭への出演は初めて。また、妻でありglobeのヴォーカルでもあるKEIKOがくも膜下出血で緊急搬送された10月24日以降、初のイベント出演となった。
◆小室哲哉 画像@2011.11.05<早稲田祭2011>
早大生を中心に、2000人のオーディエンスが集まった早稲田大学 戸山キャンパス 記念講堂。小室哲哉がステージに姿を見せると、「哲っちゃん!」「小室さん!」と声が飛ぶ。小室はそんなオーディエンスに拳を高く上げて応え、早速、積み上げられたキーボードに向かう。リード音源やドラム音源が割り当てられた数台のキーボードの感触を確かめたのち、
<I'm fallin'love / I'm fallin'love / I'm fallin'love again / 忘れられないで / あなたに堕ちてく>
KEIKOのヴォーカルトラックが鳴り響き、オーディエンスからは大きな歓声。「Love again」から小室哲哉のパフォーマンスはスタートした。エイベックスグループで、クリエイターのマネジメント業務などを行なっているtearbridge productionの伊東 本部長(いわゆるTKの黄金期をマネージャーとして支えてきた人物)もステージ袖で見守る中、小室はGABALLで発表した「GOING OUT THING」、そして「OUT OF PERSPECTIVE」と続けて、鍵盤とフィルターを巧みに操りながらアグレッシブにオーディエンスを煽っていく。
さらに小室は、自らの指使いだけによるドラムソロを披露。激しいパッションを鍵盤に打ちつけながら、BPMを上げていく。オーディエンスもそんな小室哲哉のプレイに驚嘆し、歓喜し、ただただ、釘付け。「WOW WAR TONIGHT~時には起こせよムーヴメント」へと変わると、会場中が両手を大きく振って大合唱となる。
そして再びglobeから「Many Classic Moments」。KEIKOのパートを鍵盤で奏でる小室哲哉。そして小室が弾いたフレーズを多くのオーディエンスが口ずさんでいたのであろう。激しく鳴っている音の隙間に、PAからではない歌声が聴こえる。
<そばにいて あなたなら / そばにいて あなたじゃなきゃいや>。
その場にいた誰もが共有しているであろう、KEIKOの身に降りかかった出来事。そして、そこから生まれた、ひとりひとりの“想い”や“願い”のようなもの。それが、いろんな“音”となって、ひとつの旋律に寄り添っていく。(当たり前ながら)凝った演出も、豪華なセットもない学園祭のステージではあったが、そこには、多分どんなステージにも負けない感動的な瞬間が生まれていた。ステージ上で、鍵盤に向かいながらこの光景を目に、耳にした小室哲哉は、曲の終わりで両手を頭の上で重ね、さらに軽く頭を下げてオーディエンスに感謝の気持ちを示した。
ラストは、ご存知、TM NETWORKの「GET WILD '89」。3段のスタンドの一番上に設置していた「nord lead 3」を自ら降ろして、抱きかかえるように弾くなど、激しいパフォーマンスを展開する小室哲哉。同曲の象徴的なフレーズを小室が弾き、そして宇都宮隆のヴォーカルトラックが流れ出すと、オーディエンスも思わず大興奮。この日一番の盛り上がりとなった。
「どうもありがとう。小室哲哉です。早稲田OBです。先輩です、先輩。とはいっても、早稲田祭に呼ばれたのは今年が初めてです。ありがとうございます。ほとんど変わってないですね。高校から通ってたんですけど、体育の時はここ(記念講堂)借りてました。高校は体育やらないといけないじゃない? ほとんど何もやってなかったけど(笑)。大学は、もちろん運動は何もとってません(笑)。みんなも賢くなってね、音楽業界に来てね。待ってるからね。」
パフォーマンス終了後、マイクを受け取った小室は、学生たちからの声援や問いかけに応えながら、自身の学生生活を思い出しつつ語る。そして、気になるKEIKOについても。
「突然なんですけど、KEIKOが急に倒れまして……。“大丈夫かな。今日できるかな”って思ったんですけども、毎日、先生たち……頭のいい先生たちですよ。ほとんど東大生ですわ。ははっ(笑)。KEIKOも頑張ってくれてるし、先生たちも頑張ってくれてるんで、よかったら、みなさんも見守っていてください。あと、応援よろしくお願いします。」
ほかでもない母校のお祭りのステージということで、あまりシリアスにならないよう、そして心配させないように言葉を選びながら話す小室。オーディエンスからは暖かい拍手と「頑張れ!」「KEIKO!」「哲っちゃん!」の声援が沸き起こった。
「今年は特に大変な大震災もあって、僕とかKEIKOとかよりもっともっと大変な思いをされている方、たくさんいらっしゃいますので、そういうふうに考えたら、僕なんかこうやってみんなの前で音楽をやらせてもらってるってのはすごく幸せな事だと思っています。これからもみんなが楽しい音楽を頑張ってやっていきたいと思うんで、間違いなくかっこいい音楽作っていきますんで! 」
小室哲哉の音楽に対する決意表明を受けて、再び大歓声。最後に小室は、後輩たちに引き続き学園祭を盛り上げるようエールを贈り、ステージを後にした。
text and photo by ytsuji a.k.a 編集部(つ)
◆小室哲哉 オフィシャルサイト
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