トニー・ベネット、奇跡を起こす天賦の才
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◆トニー・ベネット画像
既に日本でも大きな話題となっている『デュエッツII』が、日本リリース10月5日に先駆けアメリカで発売となり、数々の新記録を樹立しているのだ。
ひとつは「史上最高齢全米アルバム・チャートNo.1獲得」。これまでの記録はボブ・ディランが2009にリリースした『トゥゲザー・スルー・ライフ』の67歳だったが、一気に18歳も更新。2位のレディ・アンテベラムの3人が、25歳のヒラリー、30歳のチャールズ、29歳のデイヴを足しても84歳で届かないという、驚きの記録だ。
そして、「史上最高齢全米シングル・チャート・イン」は、エイミー・ワインハウスとのデュエット「ボディ・アンド・ソウル」で樹立。「史上最大年齢差デュエット」は11歳ジャッキー・エヴァンコとのデュエットで記録。なんと年齢差74歳、孫どころか、もしかするとひ孫くらいの世代差だ。そして、通算53年2ヶ月という「史上最長チャート在位期間」という輝かしき記録も更新された。
トニーのこれまでの最高位は2006年『デュエッツ:アメリカンクラシック』の最高位3位ということで、意外にも今回が念願の1位獲得となった。
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米コロンビア・レコーズ(ソニー・ミュージック)のスティーヴ・バーネット会長も以下のように語っている。「『デュエッツII』が1位を獲得するという成功を収めたのは、トニー・ベネットという不朽の天才に対する敬意の表れですね。トニーがチャートの頂点を極め続ける同時に、ファン層をさらに広げ、新境地を切り拓いているという事実が、彼の芸術性を真に立証しています。」
天賦の才があっての記録ではあるが、この成功はじっと待っていて訪れてきたものではない。今回の華やかな快挙達成の要因の一つには、超人的なプロモーション活動も忘れてはならない。米アルバム・リリース直前には、「MTVビデオ・ミュージック・アワーズ」、「アメリカズ・ゴット・タレント」最終回、「ザ・トゥデイ・ショー」、「レイト・ナイト・ウィズ・ジミー・ファロン」などの有名テレビ番組へ毎日のように出演し、9月19日にはアメリカン・フットボール試合開始前に8万人の観客を前にアカペラで「アメリカ・ザ・ビューティフル」を歌っている。それだけでなく、オバマ大統領やクリントン元大統領のメッセージやスピーチが贈られた豪華なパーティーでもエルトン・ジョン、アレサ・フランクリンなどと共演も果たした。
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「若手アーティストたちは、私が3テイクしか録らないのが信じられないと言っていたね。私は本番前に宿題をやるんだ。そうすれば何をすべきかはっきり分かるからね。うまく行けば、2、3テイクもやればしっくりくるものが録れる。「これだ」と言えるものが。」──トニー・ベネット
大御所トニーのストイックさが本作の奇跡を生み出す根源となっているのは明らかだ。この「スタジオの奇跡」こそ、初回限定盤のDVDやミュージック・ビデオでも観られるものだ。
「いい音楽は生き永らえる。長持ちするんだ。そこに誠意がある。刺激的なものは売れるかも知れないが、だからといって正しい訳ではないからね。6ヶ月後、6年後には、みんなこう言うよ。「あれはそんなによくなかったね」ってね。誠実なものは生き残るのさ。」──トニー・ベネット
『デュエッツII』
2011年10月5日
初回限定盤DVD付2枚組 SICP-3256~3257 ¥3,780
通常盤1CD SICP-3258 ¥2,520
※日本盤ボーナストラック「思い出のサンフランシスコ with ジュディ・ガーランド」
共演アーティスト:レディ・ガガ、エイミー・ワインハウス、マライア・キャリー、ブラック・アイド・ピーズ、アレサ・フランクリン、ノラ・ジョーンズ、シェリル・クロウ、ジョン・メイヤー、アンドレア・ボチェッリ、マイケル・ブーブレ、アレハンドロ・サンス、ナタリー・コール、ジョシュ・グローバン、フェイス・ヒル、K.D.ラング、ウィリー・ネルソン、クイーン・ラティファ、キャリー・アンダーウッド、ジュディ・ガーランド
◆トニー・ベネット・オフィシャルサイト
◆トニー・ベネット・オフィシャルサイト(海外)
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