「WORLD SONIC NEWS VOL.17」ビヨンセ「マッド・サイエンティスト気分でワクワクしてたわ」
今回は、ニュー・アルバム『4』が大ヒット中の史上最強のディーヴァ、ビヨンセを大特集。彼女の最新のインタビューをご紹介します。
◆ビヨンセ画像
元デスティニーズ・チャイルドのリード・ヴォーカル、ビヨンセは、2003年にアルバム『デンジャラスリィ・イン・ラヴ』でソロ・デビューしてからも大ヒット作、話題作を次々に発表。2010年1月発表のグラミー賞では最多10部門にノミネートされ、主要部門のひとつ「SONG OF THE YEAR」を含め、6部門を制覇。女性アーティスト史上、最多受賞の記録を樹立。これまでのトータル・セールスは、デスチャ時代を含めると、なんと1億枚といわれています。
また、女優としても活躍していることはご存知の通り。中でも2006年公開の映画「ドリームガールズ」ではダイアナ・ロスの役を演じ、大注目されました。2008年には長年の恋人だった大物プロデューサー、ジェイZと結婚、世紀のスーパー・カップル誕生と報じられました。
それでは彼女の最新インタビューをお届けしましょう。
まず、ニュー・アルバムのタイトル『4』に込められている意味について聞きました。
「第一の理由は私の4枚目のアルバムだから。それに子供の頃から4という数字が好きだったの。結婚記念日は4月4日、誕生日は9月4日。夫の誕生日は12月4日、母は1月4日。いろんなことが4日に起きたわ。何かにつけ4という数字が思い浮かぶの。たまにしかやらないけど、ギャンブルでも4絡みで稼がせてもらったわ。私のラッキー・ナンバーね。今回はとてもパーソナルなアルバムだから、自分の好きな数字をタイトルにしようと思ったの」──ビヨンセ
続いて、ニュー・アルバムの音楽的なテーマについて、ビヨンセはこんな風に話しています。
「『4』という作品は、インスピレーションがすべてだと言えるわ。生まれて初めて全世界を旅して、いろいろな音楽やダンスや振り付けを見聞きしたり、各地の料理を味わうことができた。肩の力を抜いて会話を楽しんだり、人生をエンジョイすることもできたわ。これまでずっとハードに働きすぎていた気がするの。インスピレーションを得て、長年やって来たことをすべて消化することが大事だと思ったの。それは、純粋さや真心、より深い愛を呼び覚ましてくれた。とても穏やかな心境になれたの。私のアルバムを聴いて、みんなにも愛や喜びを感じてほしいと思ったわ。休暇中からアルバム制作期間にかけて、つちかったバランス感覚を、これからも持ち続けたいと願っている」──ビヨンセ
6月にリリースした2年半ぶりのニュー・アルバム『4』は、彼女に、アーティストしてどんな進化をもたらしたのでしょうか?
「アーティストとしての進化は、私にとって最も重要なこと。それこそが、私にとっての“成功”なの。ひとつの場所にとどまるのは、仕事をしてないのと同じ。人間としての成長もないし、時間の無駄だわ。私は常に、それまでとは違った何かをやりたいと思っている。自分自身に挑戦していたいの。いつもステージに上がる寸前のドキドキ感を味わっていたい。そうして初めて“ちゃんとやっている”って気になれるの。それは今も変わらずエキサイティングなこと。私は常に音楽業界にチャレンジしていたいの。新たなアップテンポを創造し、新たなトーンを提示して、先例となること。それが私の使命だと思っている。それは時にリスキーな挑戦だけど、それこそが、この浮き沈みの激しい業界で、私がここまで生きてこられた理由だと思うの。予測可能な人間なんて、つまらないもの。私自身が飽きちゃうし、私が飽きたらみんなだって飽きるでしょ?」──ビヨンセ
新作は詩的にも音楽的にも成熟したといわれています。そのことについてビヨンセはこんな風に語っています。
「このアルバムは、確かに進化の結晶ね。これまでの作品にも増して大胆になっている。なぜなら、私自身が以前より大胆だから。成熟し、人生経験を重ね、語るべきことも増えたわ。長く愛される曲を作ることに心を砕いたの。40歳になっても60歳になっても歌える歌。技を磨き上げて、より中身の濃いものにしたいと思ったわ。人々が聴いた時に、ただ“楽しくて踊れる”だけじゃなく、もっと何かを感じてほしいの。まるで会話するように。つらい記憶を乗り越えるよりどころにしてほしいし、悲しい時もハッピーな時も共にあってほしい。私の歌が喜びをもたらすものであってほしいの。私自身、1970年代のアーティストの曲を数多く聴いて育ったわ。アース・ウィンド&ファイアやザ・シャイ・ライツ、エル・デバージなんか。フェスティバルに行くようになって、ロック・ミュージシャンも大勢聴くようになった。歌詞や曲の構成、クラシックなメロディ、多彩な楽器のミクスチャーを聴き込んだわ。楽器の使い方がとても素敵で、私もあんな名曲が欲しい!って思ったの。ラジオや流行にはそれほど興味がなかったわ。実際、ラジオが流す流行りの曲からは距離を置くようにしていた。マッド・サイエンティスト気分でワクワクしてたわ。好きなものを思い通りに調合して、真新しい何かを創造する気でいたの」──ビヨンセ
人間的にも成長し、アーティストとして進化し続けているビヨンセ、さすがです。
ここでビヨンセ裏情報。ビヨンセといえば、あの見事なスタイル。今回のアルバム・ジャケットでもナイス・バディと奇抜なファッションがフィーチャーされていますが、あのカーヴィー・ボディを保っているのは、マルコさんという専属トレーナーの「POWER MOVES」というエクササイズのたまものだそうです。「POWER MOVES」は複数の筋肉を同時に動かすのが特徴だとか。かなりきつそうな感じですね。
ビヨンセは9月から10月にかけて全米ツアー、11月からは主演する映画「スター誕生」のリメイク版の撮影。監督はあのクリント・イーストウッド。2012年2月からヨーロッパやアジアをツアーする予定となっています。
史上最強のディーヴァ、ビヨンセの最新作『4』、ぜひお買い求めください。ヒップホップ系の曲はもちろんですが、彼女の歌唱力を活かした聴かせる曲もありますよ。
text by kenji kurihara:UNITED PROJECTS
ビヨンセ『4』
SICP-3187 2,310円
◆WORLD SONICチャンネル
◆WORLD SONIC オフィシャルサイト
◆J-WAVE SATURDAY SONICサイト
◆BARKS洋楽チャンネル
この記事の関連情報
「WORLD SONIC NEWS VOL.33」アッシャー「みんなを音楽的な旅に連れて行きたい」
「WORLD SONIC NEWS VOL.32」アダム・ランバート「僕はアウトサイダー、でも自分の邪魔はさせない」
「WORLD SONIC NEWS VOL.31」ホット・シェル・レイ「僕らのヒーローはスティーヴン・タイラーさ」
「WORLD SONIC NEWS VOL.30」マナフェスト「スッゲー尊敬しているのはワイフです!」
「WORLD SONIC NEWS VOL.29」ジェイソン・ムラーズ「新作は出発というより、進化!」
「WORLD SONIC NEWS VOL.28」アバランチ・シティ「日本ではベジタリアン向けの食ベ物を探すのが大変」
「WORLD SONIC NEWS VOL.27」レディ・アンテベラム「日本のファンに直接会って、ショウをやりたい」
「WORLD SONIC NEWS VOL.26」ブライアン・セッツァー「裏通りの小さな飲み屋が好きなんだよ。布袋やチャーと飲むよ」
「WORLD SONIC NEWS VOL.25」KTタンストール「新作は原始的なアルバム、野生に戻った気分よ」