寺井尚子、ツアー千秋楽も盛況のうちに終了

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寺井尚子のコンサートが、5月21日東京日本橋三井ホールにて行なわれ、超満員の聴衆を前にその情熱的なヴァイオリンを披露した。

◆寺井尚子画像

2011年3月16日に最新アルバム『ライムライト』をリリースした寺井尚子は、このアルバムを受けての全国公演<寺井尚子“ライムライト”ツアー2011>を3月18日からスタートさせていたが、この日がツアーの最終日。17時の開演と同時に黒のドレスでステージに登場、彼女を支えるのは北島直樹(ピアノ)、店網邦雄(ベース)、中沢剛(ドラムス)。新作のレコーディングも一緒に行なったレギュラー・メンバーによる布陣である。

ドラマティックな演奏によるタンゴの名曲「エル・チョクロ」でスタートしたコンサートは、クラシック曲と映画音楽をテーマにした最新作『ライムライト』からの楽曲を中心に演奏。「サムホエア(「ウエストサイド物語より」)」はスケールの大きな演奏で、「シャコンヌ(バッハ)」では躍動感にあふれ、「展覧会の絵(ムソルグスキー)」では北島直樹の挑戦的なアレンジが光り、新作からのオリジナル曲「メリー・ゴー・ラウンド」では哀愁漂うワルツが観客の感傷を誘う…など、寺井のヴァイオリンは、時には大胆に情熱的に、時には繊細に会場を包む。スイング・ジャズの名曲「シング・シング・シング」では観客全員から手拍子が沸き起こり、大きな盛り上がりをみせていた。

コンサート終盤に演奏されたカッチーニの「アヴェ・マリア」では、演奏前のMCで、東日本大震災直後にアルバム・リリースとツアーを迎え不安な気持ちを抱えていた当時の心境を吐露。しかし、多くのファンの支えがあってこうしてツアーの千秋楽をむかえられたことに感謝の気持ちを語っていた。そして「みんなの祈りが届くように、そしてこの災害の一日も早い収束を願って」と、重厚でせつなく、それでいて温かさを感じる演奏で「アヴェ・マリア」を披露した。

アンコールでは「チャップリン・メドレー:テリーのテーマ~スマイル」、そして寺井のコンサートではお馴染みの「スペイン」「いつかどこかで」を演奏し、<寺井尚子“ライムライト”ツアー2011>の全日程が終了した。

年間100を超えるコンサート・イベント出演を行なっている寺井尚子だけに、今後も東京、名古屋、大阪、鳥取、北海道…と、日本全国で多数のステージが予定されている。

写真:森リョータ
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