「WORLD SONIC NEWS VOL.7」ヤバいぜGラヴ、フジロックに参戦だ

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今回は、ジャック・ジョンソンと共にサーフ・ミュージック界をリードするヒップホップ・ブルーズマン、Gラヴをフィーチャーします。1990年代半ばに、ヒップホップとブルーズを融合させた斬新なサウンドとスタイルでデビューしたGラヴは、同時期にデビューしたベックやベン・ハーパー、そしてジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョンと共に新世代ブルーズ四天王のひとりとして注目を集めます。

◆Gラヴ画像

そして、Gラヴに音楽的な影響を受け音楽活動を始めたばかりのジャック・ジョンソンとサーフィンを通して知り合い、ジャックがGラヴのために作った曲をアルバムでフィーチャーしたことがきっかけとなり、ジャックのメジャー・デビューにつながったという裏話もあるんです。そんなGラヴが、ジャック・ジョンソンが創設したレーベル「ブラッシュファイアー」から通算9作目となるニュー・アルバム『フィクスィン・トゥ・ダイ』をこの春リリースしました。

新作にレコーディングについてGラヴに聞いたら、こんな答が返ってきました。

「レコーディングに関しては、すごく短い期間だったというのが珍しいことだったかな。9日間しかなくて、アルバム全部を9日間で作るっていうのはかなり大変な作業なんだ。まず、そういう制限は大変だったけれど、おかげですごいアルバムを作ることができた。いいアルバムを作るにはちょうどいい時間で、それ以上のことをして台無しにするような時間はないってことなんだ。スタジオにいる時間が長いと考えすぎちゃって、しなくてもいい変更をしたり、その曲の持っている方向性みたいなものが失われることもあるからね。このアルバムはみんなとても一生懸命で音楽的にも集中している雰囲気で作れた。もちろん楽しい時間も過ごしたよ。一息入れたい時は下のラウンジでピンポン大会をやったりしてね。大体、セスがチャンピオンなんだけど。本気でバトルして、お互いくだらないことを言い合って、それが緊張をほぐしてくれるんだ。がんばるのはいいんだけど、遊びもしっかりやらないと。このアルバムについてはそんな感じだったかな」

たった9日間でレコーディングしたとは驚きです。そんなアルバムからのファースト・シングルが「ミルク・アンド・シュガー」という曲なんですが、どんな内容の曲なのか、Gラヴ本人に解説してもらいました。

「“ミルク・アンド・シュガー”はデルタ・ブルースっぽい音を現代風にしたくて、20世紀初頭からずっとある音楽のスタイルを2011年にもってきた感じ。みんなが親しめる人を主人公に曲を書きたいと思ったのと、誰もが好きなコーヒーと愛について書いた。自分の彼女のために書いたけど、みんなにも共感してもらえるものにしたかった。1日の仕事を終えて帰ってきた時とか、これから仕事に行かなくちゃならない朝に、奥さんが熱いコーヒーを一杯持ってきてくれて、それだけでなんだか落ち着くというか。それで安心できる、コンフォート・ゾーンに帰ってこられる感じ。演奏するのにいちばん楽しい曲だから、シングルになって嬉しいよ」

Gラヴが言うようにほんとに楽しい曲ですからぜひ聴いてください。

ニュー・アルバム『フィクスィン・トゥ・ダイ』には初めてカヴァー曲が2曲収録されています。なぜカヴァーしようと思ったのか、その理由をGラヴはこう語っています。

「今回カヴァーをやったのは、いろんな意味で違うことがしてみたかったからさ。今までカヴァー曲を収録したことはなかったからね。今度のアルバムで古いデルタ・ブルースを自分のやり方でプレイしたいって思って、カヴァー曲は必要だなと思ったんだけど、同時に好きなロックの曲もやろうと思って。僕がどういう音楽が好きで、影響されてきたか、わかる程度にね。だからヴェルヴェット・アンダーグラウンドの古い曲で「ペイル・ブルー・アイズ」と、ポール・サイモンの有名な「恋人と別れる50の方法」にしたんだ。曲をカヴァーするのにいちばん大事だと思ったのは自分の色を出すこと。そこにとても力を入れたし、できたんじゃないかな。2曲とも自分たちのものになってると思うよ」

Gラヴは親日家で日本には何度も来ています。どんな日本食が好きなんでしょうか?

「日本には30回以上来ていて、中でも大きな楽しみのひとつは食べ物だね。今まで食べた日本食は全部好きだけど、今回、日本でなんか変なものがあったなぁ、焼き鳥のハツだったのかな?それと腸も(笑)!あれは僕にはちょっと強烈過ぎたかな。でも刺身も、寿司も好きだし。ラーメンは特にスペシャルな食べ物じゃないって知ってるけど、僕にとってはお昼でも、夕食でも、夜食でも食べられて、素晴らしいものだよ。日本のソウルフードだからかな。アメリカや世界のどこに行ってもおいしいラーメンは見つからないんだ。日本でしかないものだし、来たときは楽しみにしてる。ま、でもそんなに健康的じゃないからたくさんは食べちゃだめなんだろうけど、大好きなもののひとつだね。あとはあのパンケーキみたいなのはなんて言うんだっけ?そう、お好み焼きも好きで、昨日の夜もとっても美味しいのを食べたよ」

日本を満喫しているGラヴでした。そんなGラヴはサーフィンも大好きなんですが、どんなときに波乗りするのか聞いてみました。

「ツアーの合間とか、音楽以外でちょっと時間があって、思いっきりリラックスしたいときにいい気晴らしになる。僕はプロのサーファーじゃないけど、子供の頃からずっとやってきて、楽しみのひとつになってる。海に出るのも好きだし、体も、心も洗われるようで、気持ちも開放されて頭がクリアになって、リラックスさせてくれるね。しかも運動になるし。運動するのは好きで、サーフィンは最高に楽しいエクササイズだから時間があるときはいつでも行くね。最近、アルバムの発売でオーストラリアを回ったんだけど、そこでも結構サーフィンできたなぁ。ツアー・バスの後ろにトレーラーを引いていて、トレーラーの中にはラックがあって、サーフ・ボードとウェット・スーツがずらっと並んでるんだ。いつも海の近くでやる時はサーフィンしてるね」

最後にGラヴから皆さんにメッセージです。

「みんなどうしてる?Gラヴです。グッド・ニュースだ!この夏、フジロックに出ることになったから来てくれよな!Gラヴ&スペシャル・ソースとしてガンガンやるし、ニュー・アルバム「フィクスィン・トゥ・ダイ」はヤバイ!アルバムの曲もやるし、これまでおなじみの曲も聴けるので、この夏、フジロックに来てくれよ!盛り上がろうぜ!」

ヤバいGラヴのニュー・アルバム『フィクスィン・トゥ・ダイ』をしっかり聴いて、フジロックでガンガン盛り上がりましょう!

text by kenji kurihara:UNITED PROJECTS

『フィクスィン・トゥ・ダイ』
SICP-3024 2,520円

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