五十嵐公太の果報は寝て待つ!第14回「にっぽんよ、日本!」
3/11の震災の日から一ヶ月以上経った。
このコラムの締め切りはとっくに過ぎていた。なのに正直、何を書いていいかさっぱり判らなくなっていた。
このコラムだけじゃなくて、ブログもHPもツイッターも。自分が発言することすべてが怖くなってしまっていた。
こんなときだからいろんなヒトが、いろんな意見を言う。もちろん、納得することもあれば違和感を覚えることもある。
それぞれの感情の渦がモノ凄くって、まったく付いていけない。
何か言わないと!何かしないと!って、ちょっとした恐怖感ばかりが先行する。
けれど、こういうときに限って
「タイヘンなひとにガンバレ!って言ったって逆効果じゃない!?」
「現地に行ったって、いったいオレに何ができるのさ?」
「音楽を作る???いつもやってるし。わざわざそのために作る?っていうのはどうなの?」なんて
書けないことばかり!?(書いてるじゃない!?)がアタマの中をぐるぐると駆け巡る。
完全に発想がひねくれている。悩
震災の数日後にセッションライブが予定されていた。
余震もあったし、あまりに不安定な状況に、自粛してはどうか?とメンバーに相談した。
そのとき元爆風スランプのベースのホージンさんは言った。
「魚屋が魚を売る、米屋が米を売ると同じで、音楽屋は音楽をやる!」
「こういう状況だから音を出すんだ!」
「どんな状況であれお客さんが一人でもいたらやる!」
ミュージシャンとして確かに筋が通っている。
パニック状態の中でも静かに演奏を続けるタイタニックの映画の中の弦楽団のように、
「音楽屋は音楽をやる!?」か…
その日、演奏をしてちょっとスッキリした。
来てくれたお客さんたちも楽しんでくれただろう。
ただ、ハッキリと意志を決められなかった自分に対しては悶々とした。
この一ヶ月、おそらくここ20年で一番たくさんテレビを見たかも。
少しでも状況は良くなってるのかな?って心配だったから。
コメンテーターは口を揃えて「緊急事態の中、強力なリーダーシップをもって…」とか「国がなんとかしろ!!」とか、
やっぱり感情の渦。
そんな様子を見ながら、またワルイ自分がつぶやく。
「文句は誰でも言えるよな。」
「文句言う前に、オマエやってみろよ!?」
「実際、あんた、このまえの選挙に行ったの?」
「自分らが選んで任せているんだ…」
そんなひねくれたことを考えつつ、結局何もできない自分にまた
悶々としながら、とりあえずまたコンビニでおつりをチャリン…
いまはこれくらいしか出来ないし。
自分が育ったこの土地が好きだ。日本が好きだ。日本人だから。
とにかく、何とか日本が元気になるように、自分ができることやろう。
おれは?
ドラムを叩こう。
そしたら、なにかが見えるかもしれない。
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