【インタビュー】サンプラザ中野くん@鈴鹿<8フェス>「“走る走る 俺たち♪”ですからね。暑苦しく歌いますよ」
7月28日&29日に開催される<"コカ・コーラ"鈴鹿8時間耐久ロードレース>のイベントエリア「BASE8耐」特設ステージで、音楽イベント<8フェス>が開催される。
<8フェス>は、バイクレースと音楽イベントを同時に楽しむという、新しい観戦スタイルを提供するイベントとして昨年からスタートした音楽フェスだ。全12アーティストが出演、熱きパフォーマンスを繰り広げる2daysとなるが、スピード感とスリル、ほとばしるエネルギーと爆音…と、レースと音楽との親和性は高い。そんな<8フェス>に向け、登場アーティストはどんなパフォーマンスを見せてくれるだろうか。
7月28日(土)のステージに登場するサンプラザ中野くんに、<8フェス>への思いを聞いた。
──サンプラザ中野くんもバイクに乗っていたんですか?
サンプラザ中野くん:大型に乗っていたんです。BMWの1200cc。
──凄い。ガチじゃないですか。
サンプラザ中野くん:いや、それが全然ダメで、30歳過ぎてから乗り出したんです。一番最初はこれなら転ばないだろうということで、ピザ屋バイク…HONDAのジャイロキャノピーが最初のバイクでした。
──バンドマンって時間も金もないので、バイクの免許を取るのも大変で。
サンプラザ中野くん:そうですね。大型解除できたのも30歳代後半ですよ。そもそも『ワイルド7』という漫画とか観ていて、子供の頃からバイクに憧れてたんです。
──スピード感、ドライブ感…ロックとモータースポーツって親和性が高いですよね。
サンプラザ中野くん:そうですよね。子供の時に観た映画『イージー・ライダー』とか漫画『ワイルド7』、そもそもクールスのLPも家にあって聴いていましたから。あとダウン・タウン・ブギウギ・バンドとかね。そして横浜銀蝿、漫画でいうと『750ライダー』。
──革ジャンやジャンプスーツって、ロックとバイクをつなぐ象徴的なアイテムでしたね。
サンプラザ中野くん:とにかくバイクが好きだったんです。でも運動神経が良くなかったから「あんたはバイクに乗るな」って親からも言われていたんですけど、あきらめられなくて、転ばない3輪のキャノピーを買ったんです。遅いなりに楽しかったんですけど、ある時HONDAのフュージョンがカッコいいと思いまして、それに乗るために中免(中型二輪免許)を取りました。
──いよいよ本気になっていく。
サンプラザ中野くん:バイクじゃなくてフュージョンというところが甘々なんですけど(笑)、人気が出る前だったんで「なんでこんなの乗ってんの?」ってよくバカにされてました。2年くらい経ってフュージョン・ブームが来た頃、大型に乗りたいなと思って。
──順当に歴史を重ねていますね。
サンプラザ中野くん:最初はハーレーに乗りたいと思ったんですけど、教習所でもすごい下手で、急制動(急ブレーキ)でコケたんですよ。「これは怖い」と思って、ABS(アンチロック・ブレーキシステム)付きならばいけるのではないかと。当時ABSがついているのはBMWくらいしかなくて。
──なるほど。それでBMWを買ったわけだ。
サンプラザ中野くん:ええ、で、最初のBMWは買って3ヶ月で盗まれまして、二台目を買ったんですけど、それが本当に重くて街中でよく転んでいました。
──だんだんエピソードが情けなくなってきた。
サンプラザ中野くん:転んで「あぁ、もう起こせない」と絶望すると、サラリーマンがササッと集まってきてさっと立ててくれるんです(笑)。で、「ありがとうございます」って言う間もなく去っていく。
──バイカー、かっこいい。
サンプラザ中野くん:ある時、西麻布の交差点の手前でコケたときは誰もいなくて、「だれか助けてくれないかな」って思っていたら、ぐうぜん寺岡呼人くんが歩いてきてね。それまで特に話をしたこともなかったんですけど「やあ、寺岡くん、サンプラザ中野です」「あ、どうも」「バイクが倒れちゃったんで起こすの手伝ってください!ニコニコ」って(笑)。
──エピソードのカッコ悪さも研ぎ澄まされてきた。
サンプラザ中野くん:起こしてもらったら話すこともなくなっちゃって、「どうもありがとうございました。またよろしく」って(笑)。結局、でかすぎたのと重すぎたのが理由で、乗る回数が減っていって、「コケて死んではいかん」ということで、最後にコケたのをきっかけに卒業しました。
──なかなかひどいバイク歴でした(笑)。
サンプラザ中野くん:でもね、BMWはスピードが乗ってくると非常に気持ち良いバイクでね、「本当に気持ちいいものだな」というのは大型に乗って初めてわかりました。揺れる感じはスノーボードの気持ちよさに通じるところもあって。
──「気持ちよさ」という点は、音楽とも似ていますね。
サンプラザ中野くん:ありますね。リズムとシンクロしていくと気持ちいいですよね。あまり努力しないけど“ゾーンに入れる”みたいな。
──30周年で再登場する「Runner」もゾーンに入る楽曲ですから、<8フェス>は盛り上がりそうですね。
サンプラザ中野くん:そうなんです。「Runner(平成30年 Ver.)」が出ました。「Runner」は30年前に出したんですけど、ヒットしたのが平成元年だったんです。平成になって30年間を駆け抜けた曲ということで「平成30年 Ver.」というタイトルを付けました。曲のタイトルに元号を付ける人もなかなかいないだろうとも思ったし。
──「Runner」新録にあたり、30年前の楽曲に向き合ってみて、どんな思いが交錯しましたか?
サンプラザ中野くん:30年前に初めてレコーディングしたときというのは、当然ですが歌いこんでいないですよね。新曲ですから。だから、ディレクターの指示、外からのアドバイスを受けながら自分で修正していったわけなんですけど、今回は30年かけて“世界で一番「Runner」を歌いこんできた男”なので、俺が歌えば間違いないだろう、みたいな。
──30年間「Runner」ばかりひたすら歌い続けてきた猛烈なファンとか、いそうですけど。
サンプラザ中野くん:俺より歌ってんの(笑)? では、私は「Runner」歌い込みTOP10に入る男ということで(笑)。で、今回偶然なんですが、30年前に「Runner」をレコーディングした時に立ち会ってくれたディレクターが今回も立ち会ってくださいまして、その人の意見もいただきながら歌いました。
──「30年前の若い自分には負けられない」みたいなプレッシャーや意気込みのようなものは?
サンプラザ中野くん:そういうのはなかったですね。そもそもサンプラザ中野くんというソロアーティストとして「Runner」をリリースしていなかったから、30周年を機に出しましょうということでしたので。もちろん2年後には東京オリンピックもありますから、このような曲の需要も増すと思いますし。“「Runner」以降の爆風スランプは嫌いだ”といった意見もたくさん耳にしてきたりして、そういうものと向かい合い乗り越えてきた30年でもあるので、今は「Runner」を気持ちよく歌える経験を積んできた…のかな。
──「Runner」という曲は、バイクには乗っていないですけど、レース会場では俄然盛り上がりそうですね。
サンプラザ中野くん:“走る走る 俺たち”ですからね。「Runner」は必ず歌いますけど、暑くあおります。暑苦しく歌いますよ。ギターはパッパラー河合ですが、彼もバイク乗り(HONDA GB400)です。8耐会場に行けるなんて本当に嬉しいですし、皆さんもワクワク感を抱えていくところですから、火に油を注ぐように盛り上げたいと思います。楽しみにしていてください。
ミニアルバム『Runner』
初回盤[CD + DVD] UPCH 7406 ¥2.500(税込)
通常盤[CD] UPCH 2157 ¥2,000(税込)
1.Runner(平成30年 Ver.)
2.神話(2018 Ver.)
3.さよなら文明(2018 Ver.)
4.Song for Mr.Tokyo Shock Boy
5.愛してるよ
6.Runner(平成30年 Ver.)[Original Karaoke]
<8フェス>
三重・鈴鹿サーキット “コカ・コーラ”鈴鹿8耐内「BASE8耐」特設ステージ
出演者(五十音順):アンダーグラフ / 1-E / 175R / WEAVER / Xmas Eileen / サンプラザ中野くん / SEAMO / Sonar Pocket / Do As Infinity / 二人目のジャイアン / ベッド・イン / マジカル♡パレードBEACH
<“コカ・コーラ”鈴鹿8耐>とは?
三重県・鈴鹿サーキットで毎年7月末に開催されている日本最大級のバイクレース。1978年から続き、延べ観戦者数は780万人を超えている。また、レースはヨーロッパを中心に世界180カ国以上で中継されており、世界からの注目も集めている。
レーシングコース隣のイベントエリアでは、ロックフェス『8フェス』のほか、バイクに関連したブース出展や試乗会、びしょぬれになりながらウィリー走行などのパフォーマンスが楽しめるなど、レースだけではない魅力も満載。公式サイトでは、16〜22歳が無料で入場+レース観戦+8フェス観覧もできる「ヤング割0円キャンペーン」を7月22日まで受付中。
◆BARKS内<8フェス>特集
◆<8フェス>オフィシャルサイト
◆<“コカ・コーラ” 鈴鹿8時間耐久ロードレース>オフィシャルサイト
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