『ピンクスパイダー』、「hideが望んでいた精神的な繋がりが実現できる」
1998年に33歳で急逝したロックバンドX JAPANのギタリスト、hide(本名・松本秀人)の楽曲で構成したミュージカル『ピンクスパイダー』(脚本・竹内佑、演出・荻田浩一)が3月8日から東京グローブ座(東京都新宿区)でスタートする。物語はエスとメルという2人の男女を中心に展開。エスは武田真治、渡部豪太が、相手役のメルは南沢奈央、高橋瞳がダブルキャストで務めている。東京都内で行なわれた稽古現場を取材した。
◆ROCKミュージカル「ピンクスパイダー」稽古音源「PINK CLOUD ASSEMBLY」
ミュージカルは「ピンクスパイダーの話は、シングルで完結していないの。アルバムに続くの」というhideの思いを継ぎ2010年5月から企画が進められた。hideが考えた造語「PSYCHOMMUNITY(サイコミュニティ)」(PSYCHOとCOMMUNITYを合わせた)という幻想世界を現実に。hideの映像、楽曲が流れるフィルムコンサートなどとは違い、俳優の芝居とhideの曲がどのように融合するのか。言葉に映像が追いつかなかった。
しかしそんな思いは、エスとメルが出会う場面で払しょくされた。夢を見失い、また自分の存在理由が分からずにいた男女が互いに惹かれていく。エスに「大丈夫?」と心配されるが、「別に…」と突っぱねてしまうメル。でも湧き出る興味は隠すことができない。そんな揺れる思いを表現したのは、セリフではなくhideの「TELL ME」だった。「TELL ME」の<まだ君の声は 届かない>などの歌詞に合わせ、演技をする演者たち。芝居、曲、セリフ、歌詞が合わさったことで数倍ものエネルギーが生み出されていた。
演技、歌のほか武田真治、渡部豪太の2人は、それぞれ武田がサックス、渡部がギターと得意の楽器を演奏する場面も。それぞれの個性を活かした演出はWキャストならではだ。圧巻は20人以上の演者たちが踊りながら歌う「ever free」。男女の合唱で歌われる曲は知っているのに知らない新しいものだった。飛び出してくるようなパワーに、本番の客席からは手拍子と歌声が沸き起こるだろうと想像した。会場ではロックバンドdefspiralが「ROCKET DIVE」など使用する20曲以上を生演奏する。
音楽はhideのバンドhide with Spread Beaverのメンバーとしても活動したiNAが担当した。3カ月をかけて楽曲アレンジをしたiNAは「最初は歌、脚本、キャストと点のようにバラバラでしたが、稽古を重ねる中で一つ一つが繋がりパズルのように組み立てられてきた。でも最後のピースがまだ残っている。それは会場に来てくれるお客さんです。hideが望んでいた精神的な繋がりが実現できる」とコメント。
盟友の遺志を現実化する中で「hideと一緒に制作をしていたこと、音楽を志したきっかけを思い出した」と言い、演者たちにも「演技を始めたころの自分を思い出して、そのときの自分に問いかけるように歌ってほしい」と話したそう。「曲はミュージカルに合うように、歌い手に合わせキーを変えたり、合唱用に組み替えるなどアレンジをし、新しいものになった。hideを知らない世代にもバトンのように繋いでいかれたら」と夢をふくらませた。
舞台にはLUNA SEAのベーシストJが友情出演。hideの楽曲をベース演奏しながら歌うシーンは見もののひとつだ。また舞台で使用する楽曲を使用順に収めた2枚組のアルバム『Musical Number ~ROCKミュージカル ピンクスパイダー~』も発売されている。東京公演終了後、名古屋・札幌などで地方公演も行なわれる。
取材・文:西村綾乃
<ROCKミュージカル『ピンクスパイダー』>
【東京公演】
2011年3月8日(火)~3月27日(日)東京グローブ座
[問]サンライズプロモーション東京 0570-00-3337
【名古屋公演】
2011年4月10日(日)愛知県芸術劇場 大ホール
メインキャスト:武田・南沢
[問]サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
【新潟公演】
2011年4月12日(火)新潟県民会館
メインキャスト:渡部・高橋
[問]キョードー北陸 025-245-5100
【神戸公演】
2011年4月15日(金)神戸国際会館こくさいホール
メインキャスト:武田・南沢
[問]キョードーインフォメーション 06-7732-8888
【仙台公演】
2011年4月20日(水)仙台電力ホール
メインキャスト:渡部・高橋
[問]仙台放送 022-268-2174
【札幌公演】
2011年4月23日(土)ニトリ文化ホール
メインキャスト:武田・南沢
[問]エーダッシュ 011-533-7711
◆チケット:イープラス
<アフタートーク>
3月9日(水)19:00 渡部豪太 高橋瞳
3月14日(月)19:00 heidi.
3月15日(火)19:00 defspiral
3月18日(金)19:00 defspiral
3月23日(水)19:00 渡部豪太 高橋瞳
3月25日(金)19:00 武田真治 南沢奈央
◆ツイッター連動ウェブサイト
◆ROCKミュージカル『ピンク スパイダー』
◆オフィシャルツイッター
◆BARKS「ピンクスパイダー」特集
◆ROCKミュージカル「ピンクスパイダー」稽古音源「PINK CLOUD ASSEMBLY」
ミュージカルは「ピンクスパイダーの話は、シングルで完結していないの。アルバムに続くの」というhideの思いを継ぎ2010年5月から企画が進められた。hideが考えた造語「PSYCHOMMUNITY(サイコミュニティ)」(PSYCHOとCOMMUNITYを合わせた)という幻想世界を現実に。hideの映像、楽曲が流れるフィルムコンサートなどとは違い、俳優の芝居とhideの曲がどのように融合するのか。言葉に映像が追いつかなかった。
しかしそんな思いは、エスとメルが出会う場面で払しょくされた。夢を見失い、また自分の存在理由が分からずにいた男女が互いに惹かれていく。エスに「大丈夫?」と心配されるが、「別に…」と突っぱねてしまうメル。でも湧き出る興味は隠すことができない。そんな揺れる思いを表現したのは、セリフではなくhideの「TELL ME」だった。「TELL ME」の<まだ君の声は 届かない>などの歌詞に合わせ、演技をする演者たち。芝居、曲、セリフ、歌詞が合わさったことで数倍ものエネルギーが生み出されていた。
演技、歌のほか武田真治、渡部豪太の2人は、それぞれ武田がサックス、渡部がギターと得意の楽器を演奏する場面も。それぞれの個性を活かした演出はWキャストならではだ。圧巻は20人以上の演者たちが踊りながら歌う「ever free」。男女の合唱で歌われる曲は知っているのに知らない新しいものだった。飛び出してくるようなパワーに、本番の客席からは手拍子と歌声が沸き起こるだろうと想像した。会場ではロックバンドdefspiralが「ROCKET DIVE」など使用する20曲以上を生演奏する。
音楽はhideのバンドhide with Spread Beaverのメンバーとしても活動したiNAが担当した。3カ月をかけて楽曲アレンジをしたiNAは「最初は歌、脚本、キャストと点のようにバラバラでしたが、稽古を重ねる中で一つ一つが繋がりパズルのように組み立てられてきた。でも最後のピースがまだ残っている。それは会場に来てくれるお客さんです。hideが望んでいた精神的な繋がりが実現できる」とコメント。
盟友の遺志を現実化する中で「hideと一緒に制作をしていたこと、音楽を志したきっかけを思い出した」と言い、演者たちにも「演技を始めたころの自分を思い出して、そのときの自分に問いかけるように歌ってほしい」と話したそう。「曲はミュージカルに合うように、歌い手に合わせキーを変えたり、合唱用に組み替えるなどアレンジをし、新しいものになった。hideを知らない世代にもバトンのように繋いでいかれたら」と夢をふくらませた。
舞台にはLUNA SEAのベーシストJが友情出演。hideの楽曲をベース演奏しながら歌うシーンは見もののひとつだ。また舞台で使用する楽曲を使用順に収めた2枚組のアルバム『Musical Number ~ROCKミュージカル ピンクスパイダー~』も発売されている。東京公演終了後、名古屋・札幌などで地方公演も行なわれる。
取材・文:西村綾乃
<ROCKミュージカル『ピンクスパイダー』>
【東京公演】
2011年3月8日(火)~3月27日(日)東京グローブ座
[問]サンライズプロモーション東京 0570-00-3337
【名古屋公演】
2011年4月10日(日)愛知県芸術劇場 大ホール
メインキャスト:武田・南沢
[問]サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
【新潟公演】
2011年4月12日(火)新潟県民会館
メインキャスト:渡部・高橋
[問]キョードー北陸 025-245-5100
【神戸公演】
2011年4月15日(金)神戸国際会館こくさいホール
メインキャスト:武田・南沢
[問]キョードーインフォメーション 06-7732-8888
【仙台公演】
2011年4月20日(水)仙台電力ホール
メインキャスト:渡部・高橋
[問]仙台放送 022-268-2174
【札幌公演】
2011年4月23日(土)ニトリ文化ホール
メインキャスト:武田・南沢
[問]エーダッシュ 011-533-7711
◆チケット:イープラス
<アフタートーク>
3月9日(水)19:00 渡部豪太 高橋瞳
3月14日(月)19:00 heidi.
3月15日(火)19:00 defspiral
3月18日(金)19:00 defspiral
3月23日(水)19:00 渡部豪太 高橋瞳
3月25日(金)19:00 武田真治 南沢奈央
◆ツイッター連動ウェブサイト
◆ROCKミュージカル『ピンク スパイダー』
◆オフィシャルツイッター
◆BARKS「ピンクスパイダー」特集
この記事の関連情報
【ライヴレポート】LUNA SEA、<EPISODE3 -FINAL- 黒服限定GIG DAY2>で「東京ドームまでこのまま行こうぜ!」
hide with Spread Beaver、東京体育館2DAYSワンマン<REPSYCLE>を2025年5月開催決定
J、最新作『BLAZING NOTES』のジャケット写真を公開。年末イベント追加ゲスト発表も
LUNA SEA、35周年記念ツアー映像作品リリース
J、約3年3カ月振りのニューアルバム『BLAZING NOTES』を2025年1月に発売決定。最新キービジュアルの公開も
hide、特別企画展『PSYCHOVISION hide MUSEUM Since 2000』福岡にて開催
LUNA SEA、『MOTHER』『STYLE』リバイバルツアー最終公演の映像作品2タイトル同時発売決定
【ライブレポート】INORAN、“爆幸”なバースデーライブのツアーが開幕
【インタビュー】「演奏データを未来へ残す」という、規格外れのヤマハのイノベーション