RUPERT NEVE DESIGNSから電源内蔵2Uサイズのチャネルモジュール「Portico II Channel Strip」
フックアップは、米RUPERT NEVE DESIGNS社待望の電源内蔵2Uラックマウントサイズのチャネルモジュール「Portico II Channel Strip」を2010年12月10日より発売した。
プロフェッショナルオーディオ業界のレジェンド、ルパート・ニーブ氏が2005年に新たに自身のブランド、Rupert Neve Designs社がラインナップする「Portico」は、ディスクリート回路によるアウトボードプロセッサー。独自の設計哲学にこだわった名機群で、「Portico」各製品の単独、あるいはコンビネーションによる使用により、巨大なアナログコンソールのエッセンスをスタジオに提供する。そんな「Portico」シリーズに新たに追加されたのがチャネルモジュール「Portico II Channel Strip」だ。
「Portico II Channel Strip」は、「Portico」シリーズやRND5088アナログコンソールで培われたノウハウを結集したモデル。待望された電源内蔵となり、2Uラックマウントサイズのチャネルモジュールで、マイクプリアンプ、4バンドEQ、コンプレッサー/リミッター、“テクスチャー”コントロール、そしてメーターセクションからなる。RND 5088アナログコンソールのために開発された高電圧動作のオペアンプと、新たに開発されたトランスが使用された回路は、もちろんRupert Neve Designs社がこだわるフルディスクリート仕様だ。
INPUTセクションは、マイク、ライン、またはDIの3種類のソースを入力。10kΩのノンリアクティブ入力抵抗を持つこのマイクインプットは、パッドなしで26dBuの信号をハンドリングする。マイクプリアンプはディスクリートオペアンプとトランスカップリングによって構成され、66dBのゲインを得られる。もちろん48Vのファンタム電源と位相反転スイッチも装備。DI入力にプラグを差し込むとトランスカップリングの3MディスクリートFET DI回路が選択される。この回路により、ローインピーダンスのマイクからエレキギター/ベースなどの電気楽器まで幅広くカバーする。ゲインコントロールの前からアンバランス信号をそのまま取り出し、フロントパネルのThruアウトから出力できるので、外部のアンプで鳴らす場合も便利。なおLineスイッチが押された場合、リアパネルのXLRライン入力からの信号がオンとなり、HPFやトリムコントロールへ送られる。
TEXTUREセクションは、今回の「Portico II」のために新たに開発されたもの。「Portico」シリーズのマイクプリアンプに装備されていた「Silk」をさらに進化させたこの回路は、ソースに含まれる音楽的な高調波成分を調節する。ノブを回すことで連続変化を実現、その効果は抜群だ。「Portico」同様に「Silk」モードでは出力トランスに於ける負帰還成分を減少させ、ルパート・ニーブ氏がビンテージ機器で設計した様な周波数特性に近づく。さらに「Silk +」モードで高調波成分が豊富な、さらによりリッチなサウンドが得られる。
EQUALIZERセクションにも注目。「Portico II」に装備された4バンドEQは、ビンテージ機器で得られるようなダイナミックなイコライジングから、繊細なニュアンスコントロールまでをカバー。通常はこのEQセクションはマイクプリアンプ&HPFとコンプレッサーの間に位置する。しかし「Post Comp」スイッチを押すことでコンプレッサーの後ろに位置することが可能だ。LMFとHMFはフルパラメトリックタイプで、+/- 12dBの調節と0.7から5の"Q"調節ができる。LFとHFはシェルビングタイプながら、スイッチでクラシカルなピークタイプとしても動作する。各バンド単位でのイン/アウトおよびEQ全体のイン/アウトが可能。なおHMFバンドは新たに追加されたディエッサー回路にも使われる。
COMPRESSORセクションはクラシカルな仕様のコンプレッサー/リミッターを備える。「Portico 5043」と同様にFFとFBの2つのモードを装備。これはVCAの検出方式が異なり、前者の場合はより速いレスポンスを得られ、正確なアタック&リリース動作をする。後者の場合はよりスムースな動作で、音楽的あるいはビンテージ機器的なレスポンスといえるもの。さらに「Blend」ノブの装備により、コンプレッションされた信号とドライな信号のミックスを調整することが可能。これにより自然なダイナミクスを得ながらも、ソース中のより静かな素材のボリュームを増加させることができる。たとえばドラムトラック中で、ブラシによるスネアの演奏などに最適だ。
<おもな仕様>
●マイクプリアンプ
・周波数特性
メインアウト(無負荷時)
-3 dB @ 2 Hz
-3 dB @ 160 kHz
・全高調波歪率及びノイズ
@ 1kHz, +20 dBu 出力時: 0.002% 以下
Silkオン:2次高調波 0.2%以下
●ハイパスフィルター
連続可変周波数:20 Hz to 250Hz
遮断特性: 12 dB/Octave Bessel19
●イコライザー
LFセクション
周波数: セレクタブルロータリースイッチ 35Hz/60Hz/100Hz/220Hz
LMFセクション
周波数ポイント連続可変 70 Hz ~ 1400 Hz
HMFセクション
周波数ポイント連続可変 700 Hz ~ 14 kHz
HFセクション
周波数: セレクタブルロータリースイッチ 4.7kHz/6.8kHz/12kHz/25kHz
●コンプレッサー
スレッショルド: 連続可変 -30dBu ~ +20dBu
レシオ: 連続可変 1.1:1 ~ 20:1
ブレンド: 連続可変 0% ~ 100%コンプレッサー
ゲイン: 連続可変 -6 dB ~ +20 dB
アタック: 連続可変20 mS ~ 75 mS (0.1mS ファストモード時)
リリース: 連続可変 100mS ~ 2.2 Seconds
外形寸法 HxWxD(mm):約89 (2U)x482x254
出荷重量:9.72Kg
◆PORTICO II CHANNEL STRIP
価格:オープン(実勢価格 399,000円)
発売日:2010年12月10日
◆PORTICO II CHANNEL STRIP 製品詳細ページ
◆フックアップ
◆BARKS 楽器チャンネル
プロフェッショナルオーディオ業界のレジェンド、ルパート・ニーブ氏が2005年に新たに自身のブランド、Rupert Neve Designs社がラインナップする「Portico」は、ディスクリート回路によるアウトボードプロセッサー。独自の設計哲学にこだわった名機群で、「Portico」各製品の単独、あるいはコンビネーションによる使用により、巨大なアナログコンソールのエッセンスをスタジオに提供する。そんな「Portico」シリーズに新たに追加されたのがチャネルモジュール「Portico II Channel Strip」だ。
「Portico II Channel Strip」は、「Portico」シリーズやRND5088アナログコンソールで培われたノウハウを結集したモデル。待望された電源内蔵となり、2Uラックマウントサイズのチャネルモジュールで、マイクプリアンプ、4バンドEQ、コンプレッサー/リミッター、“テクスチャー”コントロール、そしてメーターセクションからなる。RND 5088アナログコンソールのために開発された高電圧動作のオペアンプと、新たに開発されたトランスが使用された回路は、もちろんRupert Neve Designs社がこだわるフルディスクリート仕様だ。
INPUTセクションは、マイク、ライン、またはDIの3種類のソースを入力。10kΩのノンリアクティブ入力抵抗を持つこのマイクインプットは、パッドなしで26dBuの信号をハンドリングする。マイクプリアンプはディスクリートオペアンプとトランスカップリングによって構成され、66dBのゲインを得られる。もちろん48Vのファンタム電源と位相反転スイッチも装備。DI入力にプラグを差し込むとトランスカップリングの3MディスクリートFET DI回路が選択される。この回路により、ローインピーダンスのマイクからエレキギター/ベースなどの電気楽器まで幅広くカバーする。ゲインコントロールの前からアンバランス信号をそのまま取り出し、フロントパネルのThruアウトから出力できるので、外部のアンプで鳴らす場合も便利。なおLineスイッチが押された場合、リアパネルのXLRライン入力からの信号がオンとなり、HPFやトリムコントロールへ送られる。
TEXTUREセクションは、今回の「Portico II」のために新たに開発されたもの。「Portico」シリーズのマイクプリアンプに装備されていた「Silk」をさらに進化させたこの回路は、ソースに含まれる音楽的な高調波成分を調節する。ノブを回すことで連続変化を実現、その効果は抜群だ。「Portico」同様に「Silk」モードでは出力トランスに於ける負帰還成分を減少させ、ルパート・ニーブ氏がビンテージ機器で設計した様な周波数特性に近づく。さらに「Silk +」モードで高調波成分が豊富な、さらによりリッチなサウンドが得られる。
EQUALIZERセクションにも注目。「Portico II」に装備された4バンドEQは、ビンテージ機器で得られるようなダイナミックなイコライジングから、繊細なニュアンスコントロールまでをカバー。通常はこのEQセクションはマイクプリアンプ&HPFとコンプレッサーの間に位置する。しかし「Post Comp」スイッチを押すことでコンプレッサーの後ろに位置することが可能だ。LMFとHMFはフルパラメトリックタイプで、+/- 12dBの調節と0.7から5の"Q"調節ができる。LFとHFはシェルビングタイプながら、スイッチでクラシカルなピークタイプとしても動作する。各バンド単位でのイン/アウトおよびEQ全体のイン/アウトが可能。なおHMFバンドは新たに追加されたディエッサー回路にも使われる。
COMPRESSORセクションはクラシカルな仕様のコンプレッサー/リミッターを備える。「Portico 5043」と同様にFFとFBの2つのモードを装備。これはVCAの検出方式が異なり、前者の場合はより速いレスポンスを得られ、正確なアタック&リリース動作をする。後者の場合はよりスムースな動作で、音楽的あるいはビンテージ機器的なレスポンスといえるもの。さらに「Blend」ノブの装備により、コンプレッションされた信号とドライな信号のミックスを調整することが可能。これにより自然なダイナミクスを得ながらも、ソース中のより静かな素材のボリュームを増加させることができる。たとえばドラムトラック中で、ブラシによるスネアの演奏などに最適だ。
<おもな仕様>
●マイクプリアンプ
・周波数特性
メインアウト(無負荷時)
-3 dB @ 2 Hz
-3 dB @ 160 kHz
・全高調波歪率及びノイズ
@ 1kHz, +20 dBu 出力時: 0.002% 以下
Silkオン:2次高調波 0.2%以下
●ハイパスフィルター
連続可変周波数:20 Hz to 250Hz
遮断特性: 12 dB/Octave Bessel19
●イコライザー
LFセクション
周波数: セレクタブルロータリースイッチ 35Hz/60Hz/100Hz/220Hz
LMFセクション
周波数ポイント連続可変 70 Hz ~ 1400 Hz
HMFセクション
周波数ポイント連続可変 700 Hz ~ 14 kHz
HFセクション
周波数: セレクタブルロータリースイッチ 4.7kHz/6.8kHz/12kHz/25kHz
●コンプレッサー
スレッショルド: 連続可変 -30dBu ~ +20dBu
レシオ: 連続可変 1.1:1 ~ 20:1
ブレンド: 連続可変 0% ~ 100%コンプレッサー
ゲイン: 連続可変 -6 dB ~ +20 dB
アタック: 連続可変20 mS ~ 75 mS (0.1mS ファストモード時)
リリース: 連続可変 100mS ~ 2.2 Seconds
外形寸法 HxWxD(mm):約89 (2U)x482x254
出荷重量:9.72Kg
◆PORTICO II CHANNEL STRIP
価格:オープン(実勢価格 399,000円)
発売日:2010年12月10日
◆PORTICO II CHANNEL STRIP 製品詳細ページ
◆フックアップ
◆BARKS 楽器チャンネル
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