Line 6、Spider IV 15/30/75 大特集

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アンプ&エフェクトモデリングとは 基礎知識とモデリングの魅力
多彩なサウンドを生み出すアンプ・モデリング

DAITA氏によるサウンドチェックはいかがだっただろうか? いずれのモデルも1つのアンプで出しているとは思えないバリエーションの広さに驚いたのではないだろうか? このサウンドの多彩さはアンプ・モデリングにより生み出されるものだ。

Line 6といえば、アンプシミュレーターの「POD」やエフェクターで非常に有名。そしてこのSpiderシリーズのアンプは、2008年、2009年にアメリカで最も多く販売されたギターアンプに認定されているほどの人気機種だ。そして、その最新モデルである「Spider IV」ももちろん絶大な人気を集めている。その魅力の1つが「POD」と同様さまざまな音がこれ1台で出せるアンプ・モデリング機能の搭載にあるのだ。

アンプ・モデリングとは、デジタル信号処理によって有名なギターアンプをはじめとした幅広いサウンドを再現する技術。アンプ1つでさまざまなアンプの音が出せるのはもちろん、たとえば、真空管アンプではボリュームをフルにしなければ得られなかった、気持ちの良い歪みサウンドが、小音量でも出せるといったメリットもある。今回使用した「Spider IV」3モデルはそれぞれ搭載するアンプ・モデル数でいえば、15Wモデルが4種、30Wモデルが12種、75Wモデルが16種となっている。

それぞれの操作法は、ここで細かく書くと膨大な量になってしまうので割愛するが、前面パネルの拡大写真を見てほしい。アンプ・モデリングを使うには、Spider IV 15であれば、「AMP MODEL」から4つのうち1つを選び、トーンコントロールで音質を操作、そしてスマートコントロールFXの2つのノブでエフェクターを選んでそれぞれの範囲のなかでエフェクトの程度を調整する。

Spider IV 30および75であれば、「CNANNELS」から1つを選び、アンプモデルダイアルで12種、75であれば16種類から選ぶ。スマートコントロールFXでのエフェクターは、表示範囲内でエフェクターのかかり具合を調節する。


Spider IV 15


Spider IV 30


Spider IV 75

アンプなのにエフェクトも充実

エフェクトもギターのサウンドメイクに欠かせない要素。「Spider IV」にはエフェクトも豊富に揃っており、別途エフェクターを購入せずとも多くのバリエーションが生み出せるようになっている。

搭載されるエフェクト数もモデルによって異なる。エフェクトは、1つのつまみで複数のエフェクトを切り替えるようになっており、たとえば、15Wモデルでは、モジュレーション系がChorus/Flanger、Phaser、Tremoloのいずれか、エコー系ではDelay、Tape Echo、Reverbのいずれかを選択する。同時に使えるのは2種類だ。一方、30Wモデルでは、エコー系にReverbの代わりにSweep Echoが加わり、Reverbに独立したつまみが用意されるので、同時使用可能なエフェクトは3種類となる。そして、75Wモデルではパラメーター調整用の液晶パネルや専用つまみも用意され、合計で20種類のエフェクト、同時使用可能数4とさらにグレードアップする。なお、120Wモデル、150Wモデルも75Wモデルと出力・サイズ以外のスペックは同じだ。

エフェクト調整用のつまみは、タイプ切り替えと同時にかかり具合の調整も行える便利かつわかりやすいもの。左に回しきることでOFFになる。ディレイなどのタイミング設定にはTAPボタンが用意される。

ギターアンプの要となるサウンドメイク以外の面でも注目すべき点が多いのが「Spider IV」の特徴。ギタリストにはうれしい機能が豊富に用意されている。

●機種ごとの比較表
http://jp.line6.com/spideriv/compare.html

型番出力スピーカーアンプ・モデル数エフェクト・スマートFX(種類/同時使用数)追加FXプリセット/チャンネル
Spider IV 1515Wモノ8インチ・カスタム4(Clean、Crunch、Metal、Insane)6(Chorus/Flanger、Phaser、Tremolo、Delay、Tape Echo、Reverb)/2ノイズ・ゲートユーザー・プログラマブル・チャンネル×4
Spider IV 3030Wモノ12インチカスタム Celeston12(Clean、Twang、Blues、Crunch、Metal、Insaneの各2バージョン)7(Chorus/Flanger、Phaser、Tremolo、Delay、Tape Echo、Sweep Echo、Reverb)/3ノイズ・ゲートユーザー・プログラマブル・チャンネル×4
Spider IV 7575Wモノ12インチカスタム Celeston16(Clean、Twang、Class A、Blues、Crunch、Hi Gain、Metal、Insaneの各2バージョン)20(Red Comp、Fuzz Pi、Auto Wah、Auto Swell、Pitch Glide、Smart Harmony、Sine Chorus、Line 6 Flanger、Phaser、u-Vibe、Opto Trem、Bias Trem、Digital Delay、Analog w/Mod、Tape Echo、Multi-Head Echo、Sweep Echo、Reverse、Lux Spring Reverb、Vintage Plate Reverb)/4アジャスタブル・ゲート、アジャスタブル・ブーストユーザー・プログラマブル・チャンネル×4、アーティスト作成プリセット×300以上、楽曲ベース・プリセット×約200
どのモデルを選ぶかは使い方次第
Spider IV 75

アンプ・モデルは16種類、エフェクトも20種類を備えており、そのうえアーティスト・プリセットもフルに装備しているので、サウンドのバリエーションは、使いこなせないほどの数がある。75Wという出力はどんなシチュエーションで使うにも十分。でもボディはコンパクトで軽量にできているので、持ち運びに苦労することもない。フットコントローラを導入してライヴでバリバリ使いたい人向けだ。

Spider IV 30

アンプ・モデルは12種類。エフェクトとの組み合わせも十分にあるので、サウンド・バリエーションは飛躍的に向上する。30Wという出力はライヴでの使用にも十分。操作感も直感的に使えるので、操作に迷うことなく、ステージ上での瞬時の切り替えも可能だ。ライヴを定期的にこなすアマチュアミュージシャンなら、このモデルを選んではどうだろう。

Spider IV 15

Spiderは世界で最も売れているアンプ・シリーズ。その中でもベストセラーとなっているのがこのSpider IV 15。アンプ・モデルは4種類だが、それぞれで幅広いバリエーションのサウンドが得られるうえ、小さい音量でも、またはヘッドホンでも本格的なサウンドを出すことが可能だ。ビギナーなら迷うことなくこれをチョイス。

チューナー機能を装備

練習でもライブでも演奏前に欠かせないのがチューニングだ。「Spider IV」はいずれもチューナーが内蔵されており、「TAP」ボタンを長押しするだけでチューニングが可能になる。「CHANNELS」(15WモデルではAMP MODELS)のインジケーターが音の高低を表し、低ければAが、合えばBとCが点灯するといった具合。これで「アンプを運ぶのに気をとられてチューナーを忘れてきた」なんて心配は不要というわけだ。また、後述のフット・コントローラーを使えばより視認性が高まるのもポイントだ。

深夜の練習もレコーディングもOK! 「宅録派」も注目

自宅での使用にうれしいのがヘッドフォン端子の装備。これで深夜の練習もOKだ。「Spider IV」のヘッドフォン端子はダイレクト出力を兼ねており、アンプ・モデリング、エフェクトを付加した音を外部レコーダーなどに録音できるようになっている。騒音の面からも技術的な面からも、自宅でアンプの前にマイクを立てて録音するのは難しいが、ダイレクト出力ならケーブルをつなぐだけで準備完了。「いい音」ですぐ録音できるのだ。

お気に入りの曲に合わせて練習できる

CDプレイヤーやiPodなどのMP3プレーヤーを接続するための入力端子(ステレオミニ)が用意されるのも便利なところ。練習はもちろん、録音済みバッキングトラックに合わせてギターパフォーマンスするなんて用途にもしっかり対応できる。

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