アンジェラ・アキ、これまでの人生の喜怒哀楽を詰め込んだアルバム『LIFE』を語る

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アンジェラ・アキ NEW ALBUM 『LIFE』2010.9.8 in stores

これまでの人生=LIFEの喜怒哀楽、すべてを音楽で表現

デビュー5周年を迎えたアンジェラ・アキの
新たな幕開けにして原点回帰の一枚

INTERVIEW

表向きの5周年と心の15周年を同時に祝ってる感じ(笑)

――9月14日でデビュー丸5年ですけど、ここまでいかがでした? 早かったですか?

アンジェラ:表向きには今5周年を祝ってますけど、音楽の道を決意してからは実は15年目なので、私の中では表向きの5周年と心の15周年を同時に祝ってる感じで(笑)。

――15年というのは決して短い時間じゃないですね。

アンジェラ:そうですね。デビューまで10年かかりましたから。だからデビューしてからの出来事一つ一つに対する感謝の気持ちがハンパなくて、鮮明に1コ1コ全部覚えてるんですよ。例えば小さなFM局でやった公開生放送のライヴだとか。あと、CDが売れるっていう感覚にしても、その重みをズッシリ感じたりとか。だって、インディーズ時代に全財産でCD500枚作って、それを3年かけて売り切ったっていう経験がありますからね。もう“まけるから買って!”みたいなね(笑)。そういう時代を経てるので、ほんとに一つ一つが感動的でもあるし、印象深いし、あっという間と言いながらも、ものすごく濃い充実した5年だったなと思いますね。

――そんな5周年に放たれるニュー・アルバム『LIFE』。これは作る際にテーマはあったんですか?

アンジェラ:はい。それこそ5年とか節目の年って、ベスト盤を出したりすることが普通なのかもしれないけど、でも自分の中でベスト盤っていう感じはまだなくて。ただ、ベスト盤が持ってる“集大成”という意味は大事だと思ったんで、集大成を表しながら、ここから新たに旅立つ……そんなアルバムを作りたいなと思ったんです。しかもその旅立ちも、ただこれから行きたい場所とか目標に向かうんじゃなくて、一回原点に返った上で、それを見つめ直したいなと思って。人生の原点、音楽の原点、恋愛の原点……いろんな原点に立ち返って、自分はどう生きてきたのか、そして、これからどうなりたいのかを、ちょっと長い目で見たいなと。そういうアルバムだったので、タイトルを“LIFE”にしたんです。で“LIFE”=人生にはいろんな思い出とか喜怒哀楽が詰まってますけど、その喜怒哀楽を素直に表したいと思って作ったのが今回の曲たちなんですよね。

――その曲たち……今回はなんと、日本語の曲と英語の曲が半々で。

アンジェラ:そうなんです。私の音楽の原点はワシントンD.C.で、当時作ってたのは全部英語の曲だったし、自分の母親はアメリカ人だしっていうことを考えたら、4曲だけ英語の曲とかじゃなくて、半分半分にしようと思って。で、それをやるにあたって、英語の曲を東京で作って東京で録るっていうのは、何か違うなと思ったんですね。だから今回、英語の曲は作る段階からアメリカに行って、日本語の曲は日本で制作してっていうふうに分けたんです。だから向こうで1ヶ月弱くらい生活しながら、コラボレーションも含めて曲を作って、レコーディングして、また日本に戻ってきて、日本語の曲をレコーディングしたり、シングルをリリースしたりして、また向こうに行って……っていうのを3,4回繰り返して。マイルがいっぱい貯まりました(笑)。これでどっかタダで行けるぞ、みたいな(笑)。

――はははは。頑張ったご褒美ですね(笑)。で、アメリカはナッシュビルで制作されたそうですけど、やっぱり向こうに行くと、自然と頭が英語脳になったりするものですか?

アンジェラ:最初は切り替えるのにちょっと時間がかかりますけど、でも今年は何度も行ってたので、結構すぐ切り替わるようになりましたね。で、そうやって切り替わった中で自然な感じで英語の曲を書きたかったんですよ。英語の曲って韻を踏んだり、英語ならではの表現があるから。

――今回の英語の曲たちは、まさに英語ならではの表現になってますよね。

アンジェラ:そうですね。日本語で言ったら完全に引かれることも(笑)シニカルに言えちゃったりとか。そういうのが英語の良さで。

――ジャニス・イアンさんとの共作「Every Woman’s song」にしても、歴史の中で脈々と繋がってきた女性たちの命のバトン・リレーみたいな、壮大なテーマが歌われていて。これも英語だからこそ表現し切れた部分があるんだろうなと。

アンジェラ:ジャニスと私は30歳違うんですけど、違う国、違う時代に生まれ育って、話す言葉も違う。だけど女性であるってことで私たちはこんなにも一つになれる……そう思った時に、女性は何万年も前に生まれた人から何万年後かに生まれる人まで、ずっと繋がってるんだと気づいて。まさしく命のバトンを渡していく歌を作りたいと思ったんです。で、それが英語だから表現できたっていう部分も確かにあると思うし。あとはやっぱり、人生経験が豊富なジャニスとやったからっていうのもすごくあると思う。こういう壮大さや深みは、生き様や経験からしか生まれないものなので。

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