DIR EN GREY、灼熱の欧州ツアー終了

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去る8月1日、英国の巨大フェス<SONISPHERE FESTIVAL>に出演し、現地のファンや関係者からも大絶賛の声を集めたDIR EN GREY。もちろん5万5,000人のオーディエンスすべてがその目撃者となったわけではないが、過去に彼らが経てきたフェス体験のなかでも最大級の収穫があったと言っていいだろう。もはや彼らにとって、そうした場に立つことは“目的”ではなく“手段”なのだという言い方もできるかもしれない。

◆DIR EN GREY、灼熱の欧州ツアー ~拡大画像~

同フェスへの出演から2日後、彼らはロンドンでの単独公演を敢行した。会場となったのはカムデン・タウンにあるKOKOというシアター。1900年代初頭に劇場としてオープンしたという由緒正しいこの建物は、80年代にはカムデン・パレスの名前で知られていた。キャパシティは約1,500人。チケットは事前にソールド・アウトとなり、公演前日から同会場周辺には熱心なファンたちの行列ができていた。そのなかに地元ロンドンや英国各地のみならず、欧州各国からのファンが多数含まれていた事実も付け加えておきたい。

ライヴ自体についての詳細は敢えてご報告せずにおくが、確実に言えるのは、過去に彼らのライヴを150本以上観てきた筆者の目から見ても、ベストの部類に入るライヴに数えられるものだったということ。日本国内での公演のように楽曲を熟知した多くのクルーを伴っているわけでもなければ、実際、機材面での問題も皆無ではなかった。が、それでも、近年の彼らがホームで展開しているライヴにまったく遜色のないものが披露されることになったのだ。そこに僕は、このバンドの強さを痛感せずにはいられない。

「激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇」をはじめとする楽曲群では、日本語での大合唱が自然発生し(これは実は5年前から“常”であり、いまさら驚くべきことではない)、ぎっしりと人で埋め尽くされたフロアの中央でモッシュする荒くれどももいた。この夜も、京が歌詩以外で口にしたのは「London!」と「Last!」くらいのもの。しかし、それ以上の扇動的な言葉はまったく必要ではなかった。

終演後、現地シーンの有力者である某氏は「フェスの多いこの時期に、この規模の会場でのワンマン公演が盛況に終わること自体が快挙だ」と絶賛。さらに「しかもライヴ自体が素晴らしかった。次回、もっと大きなツアーを組む必要があるのは明白だし、次のアルバムに伴う計画を立てるのが今から楽しみだ」と、目を細めながらさらなる成功を確約していた。同氏をはじめ、終演後にはすべての関係者が満足そうな笑みを浮かべていた。もちろんメンバーたちとオーディエンスについては、言うまでもない。

そして同公演の翌朝、一行はロシアへの初上陸を果たし、8月5日にはモスクワ、同6日にはサンクトペテルブルクでの公演を無事に終了している。いや、記録的な猛暑のなか、冷房のきかない会場でのライヴが“無事”だったとは言いがたいかもしれないし、少なくともDIR EN GREYと初めて対峙することになったロシアのファンにとっては、歴史的な出来事だったに違いないはずだが。

これら2本のロシア公演をもって、今回の欧州ツアーは終了。フェス出演を含めて計4本というごく短期間のものではあったが、その密度には本数以上の価値があったと言えるはずだ。そして彼らはこの後、あまり長くない日本滞在期間を経て、今月下旬にはAPOCALYPTICAとのダブル・ヘッドラインによる北米ツアーのために渡米することになる。さらに、言うまでもなく、その先には<LOUD PARK>への出演、国内ツアーが控えている。まだまだ着地点の見えないDIR EN GREYの<THE UNWAVERING FACT OF TOMORROW TOUR2010>。まだ彼らのライヴに触れたことのないあなたにも、いつか、どこかで、その目撃者となってほしい。

文・撮影●増田勇一

<THE UNWAVERING FACT OF TOMORROW TOUR2010>
10月15日(金) 東京都・品川ステラボール -「a knot」only-
[問]フリップサイド 03-3466-1100
10月20日(水) 宮城県・Zepp Sendai
[問]G.I.P 022-222-9999
10月22日(金) 神奈川県・横浜BLITZ
[問]フリップサイド 03-3466-1100
10月25日(月) 東京都・新木場STUDIO COAST
[問]フリップサイド 03-3466-1100
10月26日(火) 東京都・新木場STUDIO COAST
[問]フリップサイド 03-3466-1100
11月6日(土) 福岡県・Zepp Fukuoka
[問]BEA 092-712-4221
11月7日(日) 岡山県・CRAZYMAMA KINGDOM
[問]キャンディープロモーション岡山 086-221-8151
11月9日(火) 大阪府・なんばHatch
[問]サウンドクリエーター 06-6357-4400
11月10(水) 大阪府・なんばHatch
[問]サウンドクリエーター 06-6357-4400
[総合問合せ]フリップサイド 03-3466-1100

<APOCALYPTICA NORTH AMERICA CO-HEADLINE TOUR>
8月23日(月) Sound Academy -Toronto, ON / CANADA-
8月24日(火) Nokia Theatre Times Square -New York, NY / U.S.-
8月26日(木) Royale Boston -Boston, MA / U.S.-
8月27日(金) Rams Head Live -Baltimore, MD / U.S.-
8月28日(土) Electric Factory -Philadelphia, PA / U.S.-
8月30日(月) Center Stage -Atlanta, GA / U.S.-
8月31日(火) The Pageant -St. Louis, MO / U.S.-
9月1日(水) House of Blues Chicago -Chicago, IL / U.S.-
9月2日(木) First Avenue -Minneapolis, MN / U.S.-
9月4日(土) Ogden Theatre -Denver, CO / U.S.-
9月5日(日) Sunshine Theater -Albuquerque, NM / U.S.-
9月7日(火) House of Blues Las Vegas -Las Vegas, NV / U.S.-
9月8日(水) Club Nokia Live -Los Angeles, CA / U.S.-
9月9日(木) The Grand Ballroom at the Regency Center -San Francisco, CA / U.S.-
9月11日(土) The Showbox SoDo -Seattle, WA / U.S.-

<LOUD PARK10>
10月16日(土)・17日(日)さいたまスーパーアリーナ
[問] www.loudpark.com

『UROBOROS -with the proof in the name of living...- AT NIPPON BUDOKAN』
2010.5.26 RELEASE
【初回生産限定盤】
SFBD-0022~25 4枚組 (DVD3枚+CD1枚)
\10,500 (tax in)
【通常盤】
SFBD-0026~27 DVD2枚組
\7,140 (tax in)

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