【D.W.ニコルズ・健太の『だからオリ盤が好き!』】 第9回 -レコ屋を巡る / 『sweet baby james』ファーストプレス!-
D.W.ニコルズの鈴木健太です。
先日ニコルズのキャンペーンツアーで福岡に数日滞在したのですが、自由な時間がありそうでなく、レコード屋を一軒も見ることができず残念でした。ツアーやキャンペーンなどで地方に行くとき、あらかじめその近辺のレコード屋を調べておいて、空き時間を見つけては行ってみるというのが僕の楽しみのひとつです。しかしいざ行ってみるとレコード屋がなくなっているということもよくあり、レコードを聴く人がどんどん減っている事実を痛感して寂しく思います。
地方では、たまに思いがけない掘り出し物に出会えることがあります。ただ、“掘り出し物”と言ってもそれは東京ではお目にかかれないもの、という意味ではありません。欲しいレコードを本気で探すならレコード屋もたくさんある東京で探すのが一番手っ取り早いのも事実だと思います。しかし地方では、たまにではありますが、本来なら高値で取引されているようなレア盤が、信じられない安値で売られていることがあるのです。それは東京では滅多にないことだと思います。
そういう掘り出し物を求めて、地方のレコ屋を巡るのです。
これまでにもいろんなところでいろんなレコードを掘り出してきましたが、今回はその中でも一番最近の“掘り出し物”を紹介しようと思います。
『JAMES TAYLOR / SWEET BABY JAMES』。今ではごくごく一般的となった言葉でもある“シンガーソングライター”の草分け的存在であり、2010年はCAROL KINGとの来日公演でも話題となった、“JT”ことJAMES TAYLOR。そのJTが1970年に発表した2ndアルバム。それまで苦労続きだった彼を一躍スターにした大ヒット曲「FIRE AND RAIN」をはじめ、タイトル曲でもある「SWEET BABY JAMES」や「COUNTRY ROAD」等、名曲ぞろいの傑作中の傑作です。
1960年代後半から70年代前半にかけて大きな盛り上がりを見せた“シンガーソングライター”ムーブメント。数多くの名盤が生まれましたが、JTのこの2nd『SWEET BABY JAMES』や3rd『MUD SLIDE SLIM AND THE BLUE HORIZONE』、4枚目の『ONE MAN DOG』などは、とてもシンガーソングライター然としていながらもその枠にとどまらず、ポピュラーミュージックの大名盤として今もまったく色褪せることがありません。
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