【ライブレポート】D.W.ニコルズ、大合唱に包まれた初の野外ワンマン
D.W.ニコルズが、9月2日(日)に東京・上野水上音楽堂にて、自身初の野外ワンマンライブ<「D.W.ニコルズのニコニコ感謝祭」〜はじめての野外ワンマン!あらためまして、ありがとう〜>を開催した。
◆D.W.ニコルズ 画像
午前中は土砂降りだった雨も上がり、開場時間前から入場口にはたくさんのファンが詰めかけた。あまりの盛況ぶりに予定より20分早く開場すると、会場内にはオリジナルグッズやサーティワンアイスクリームなどの売り子に扮したメンバーの姿が。この演出に会場はすでに笑顔溢れるお祭りのような雰囲気に包まれていた。
因みにこの日、メンバーは朝の8時半から会場入りし、ステージの装飾や会場の準備などを自ら行っていたとのこと。様々な業務をメンバー自身で行うことでコストを抑え、低価格チケットでのライブを実現させたのだという。また会場内のスタッフも、専門分野以外は可能な限りメンバーが友人たちにアルバイトを依頼し、とことん“自分たちの血の通ったイベント”を目指したという徹底ぶりだ。
開演時間ちょうどになると、軽快な登場曲に乗ってメンバーが登場。わたなべだいすけ(Vo)は、パンダの被り物をして登場するという彼らしいコミカルな演出で笑いを誘う。ステージ最前方へ躍り出たメンバーが満員となった会場を見渡し、満面の笑みでオーディエンスを煽ると、会場はオールスタンディング状態に。
そしていつも通りメンバー同士が握手をし、バンジョー、アコースティックギター、そして美しいハーモニーから始まる野外にぴったりの曲「ハッピーラッキーデイ」でライブがスタート。すでに涙するファンの姿もあちこちで見受けられ、この日がバンドだけでなくファンにとっても特別な日だったことがわかる。
またこの日は、驚くほど幅広い層のファンの姿が見られた。メンバーと同年代のファンはもちろん、家族連れのファンや、年配の男性や女性もいる。そしてしっかりと若い世代の男女のファンがたくさん見られたのも印象的だった。
ライブ本編は、今回の企画の一つであったリクエストコーナーを交えつつ、代表曲のオンパレードで構成された。彼らのライブの醍醐味の一つである自由なMCも大いに盛り上がり、千葉真奈美(B)が一度やってみたかったという客席のウェーブまで実現。後から聞いた話だが、そのウェーブもアドリブだったというから驚きだ。
そしてそれらのバラエティ感とメリハリのある演奏とのコントラストが効いて、あっという間に約2時間の本編が終了した。本編の最後に演奏されたのは、この日来場記念CDとして来場者全員に無料配布された「グッデイ」。D.W.ニコルズ史上最も多く演奏されてきたというライブ定番曲だ。
わたなべの「一緒に歌おう」の一言をきっかけに沸き起こったオーディエンスの大合唱はまさに圧巻の一言。このライブ中、何度も大合唱の場面はあったが、自然発生的な大合唱こそがD.W.ニコルズのライブの一番の醍醐味かもしれない。上野水上音楽堂は歓声がよく響く、そういう意味でもD.W.ニコルズにぴったりの会場だった。
アンコールで演奏されたのは、彼らの人生そのものを歌ったような「波瀾爆笑」。その後鳴り止まない拍手に応え、“「晴れ」のような些細な日常の喜びを祝おう”というD.W.ニコルズらしいメッセージが込められた「haleiwa」の大合唱でライブは締めくくられた。
終演後は、ステージから驚きの早さで退場口に駆けつけたメンバー全員による、ファンに手を振ってのお見送りもあり、最後の最後までテーマである“感謝”を大切なファンに届けていた。
また、毎年1月に実施されている<ニューイヤーコンサート>の2019年の開催もメンバーの口から発表された。日程や会場などの詳細は後日改めて発表されるとのことだが、この野外ワンマンを経てどんなライブを観せてくれるか、期待が高まるばかりだ。
撮影◎kazuki takahashi(sui sui duck)
セットリスト
2018年9月2日(日)東京・上野水上音楽堂
1.ハッピ-ラッキーデイ
2.スマイル
3.フランスパンのうた
4.はるのうた
5.LIFE
6.雨過天晴
7.アスパラベーコン
8.愛に。
9.ありがとう
10.手のひらにホクロ
11.アドベンチャー
12.あの街この街
13.東京
14.春風
15.グッデイ
[encore]
1.波瀾爆笑
2.haleiwa
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