舞花、10代の想い、情熱、悶々とした気持ちを詰め込んだ1stアルバム「Possible」特集
舞花 1stアルバム「Possible」2010.6.30リリース
アルバム・ジャケットの赤は情熱・若さ・反抗・衝動・勢いの赤
10代の想い、情熱、悶々とした気持ち
変えていこうとする強い意志を
独自のリアルな言葉で詰め込んだ作品
INTERVIEW
舞花:私は妙なところが老けてるんですよね。中1の頃から音楽が好きになって、自分の思いをノートに書き綴っていたんです。今、それを見返しても、今書いている内容と変わりない。結局、人間って生まれたときから素質は決まっていると思うんです。そこに経験が積み重なって、人格がどんどん出来て行くのかもしれないけど。でもある程度の素質はそんなに変わらない。変わったと思ったにしろ、元々持ってたものが出て来たっていうだけだと思うんです。私は、親がミュージシャンだったとか、環境が音楽に向かわせたわけではなく、普通の家庭に育ってるんですね。中学まで楽器を習ったこともなかったし、ゼロからのスタートだった。むしろ小学校時代は引っ込み思案で音楽をやるようなタイプじゃなかったので、ゼロっていうよりマイナスからのスタート(笑)。音楽に出会うまでは、何をしたらいいのかもわからず、エネルギーだけ持て余して悶々としていたけど、音楽を始めてから、色んなものを放出できるようになって、心のバランスがとれるようになったんです。だから音楽を始めてから自分の人生がスタートしたという気分。そんな私が今デビューしてるんですから、もし今、夢で悩んでいる人がいても、大丈夫。あきらめないで続けることは、自分次第でできることだと思うんです。この曲をパワーにしてもらえたら嬉しい。
舞花:これは初めて自分が音楽で挫折したときの歌です。書いたのは15歳なので、いったいどんな挫折? って感じなんですけど(笑)。当時、音楽やっている友達が東京にオーディションを受けに行くっていうのを聞いて、同世代の一歩抜きん出た行動を目の当たりにして、自分は遅れをとっている感じがしてしまって。友達が何メートルも先を歩いているように見えて、すごく悔しかった。いつも自信満々だったのに“私は音楽の道でいいのかな?”って、自分と自分の未来に疑惑がよぎった瞬間があったんです。落ち込んでいるときはネガティヴな方向に行ってしまいがちですけど、そのときはペースは落としてもやめないで続けてみようって思えたんですね。私は根性がなくて、部活も続かなかったけど、作った当初は“あきらめないで”っていう気持ちを自分に向けて唄った感じでしたね。
舞花:だといいですね。今は応援モードだけで唄えるから、聞いた人にも元気出してほしいと思います。自分に対して唄っていただけに、そういう人の痛みもわかるし。
舞花:色んな角度からの10代の集大成っていうところが現れているし、私の原点を唄っている曲たちばかりなので、この先、音楽を続けて行く上で、ここに回帰するような作品にもなるかもしれない。7曲の中でもバリエーションがちゃんと見せられたし。メッセージ性が強い曲も多いけど、後半の「minor girl」「darlin'」では、内側にあるものを吐き出したような曲になっているんですね。この2曲は他とはちょっと違うんです。この曲は日記のようで、誰かに向けたっていう曲ではない。
舞花:そうですね(笑)。「minor girl」は、好きな男の子に向けて書いてる曲だと思われがちなんですけど、女友達への気持ちを書いてるんです。でも結局、女性が女性に向けていても、人を思う気持ちって変わりないんですよ。男女関係なく世代問わない、不変的なことを唄いたいと思っているから、中性的な感じが逆に大成功。「darlin'」は、速水もこみちさん主演のドラマ『絶対彼氏』を見ていて感じたことを書いたんですよ。愛されたい欲求は誰にでもあると思うけど、愛せた喜びを感じられるって幸せなことだなって思って書いたんです。
舞花:ホントに写真のアルバムのような、心のアルバムになっていますね。制作過程では泣いたこともあったし、スタッフとケンカもしたんですよ(笑)。私はこの間まで高校生だったから、大人の言うことは聞かなきゃいけないっていうところがあったけど、今は“違う”と思えば自分の作品のために戦います。自分の世界は自分にしか守れない。私は「Never Never Never give up」を書いた女だ、ここで折れたらあの曲が嘘になるって。
舞花:はい。昔私が今と違っておとなしかった理由は、誰にも嫌われないようにしようって、良い面しか見せないようにしてたからなんです。でも欠点がないなんてあり得ないし、良い人になって完成してしまったらそこで終わっちゃう。じゃあ、私は嘘をつかないようにしようって思ったんです。そのあと音楽と出会った。打ち込めるものに出会ったんだから、音楽では絶対に嘘をつきたくない。むしろ、嫌いって言われても良いから、本当の自分で勝負したいと思ったんです。ここで妥協したり、嘘をついたら、音楽を始める前の私に戻ってしまうから。これからも音楽でだけは妥協と嘘はつかないで、自分を貫いて、作品を作っていきたいと思っています。
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