スカウティング・フォー・ガールズ、新作は完璧なポップ・コレクション
ヒップホップやダンス・ミュージックがチャートを独占しバンドに勢いがないいまのUKミュージック・シーンにおいて、ティーンエイジャー(とくに女子)から圧倒的な支持を得ているバンド、それがスカウティング・フォー・ガールズだ。
◆スカウティング・フォー・ガールズ画像
2007年にリリースされた『Scouting For Girls』は1位を獲得。この春リリースされた2nd『Everybody Wants To Be On TV』もバンド氷河期のこのご時勢に2位をマーク、シングル「This Ain't A Love Song」は2週連続で1位に輝いた。
5月にロンドン、ハマースミス・アポロで開かれたコンサートは、最近のバンドのギグには珍しくティーンエイジャーの女の子たちが大挙して押し寄せている。ダンス・ミュージックにどっぷりの彼女たちが聴いている唯一のバンドなのかもしれない。
会場はスタート前から異常にテンションが高く、ショウの間は、アイドル並の黄色い悲鳴が飛び交った。これはメンバーのルックスに対してというより、その音楽へのリアクションだろう。「This Ain't A Love Song」をはじめ、デビュー・アルバムからの「She's So Lovely」「Elvis Ain't Dead」「Heartbeat」といったキャッチーでラブリーなトラックは、UKの女子高生のハートを鷲づかみにしている。そしてこの夜、エネルギッシュでアップビートなパフォーマンスにオーディエンスが一体化した。
1stで築かれた彼らの世界観…キャッチーで陽気で、潔いほどポップに徹する彼らの姿勢は、2ndでさらにゆるぎないものに。“完璧なポップ・コレクション”である新作『Everybody Wants To Be On TV』の日本盤が今週水曜日(6月23日)にリリースされる。
Ako Suzuki, London