映画『BECK』製作発表記者会見、「夢を諦めちゃいけない」
3月30日(火)、東京・SHIBUYA AXにて9月4日(土)公開映画『BECK』の製作発表記者会見が行われた。会見には主演の水嶋ヒロ、佐藤健、桐谷健太、忽那汐里、中村蒼、向井理、堤幸彦監督が出席、出演者が勢揃いするのはこの会見が初めてとあって、ムービーカメラ20台、スチール200台ものマスコミが集結した。
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また、オープニングテーマをレッド・ホット・チリ・ペッパーズの「Around The World」、エンディングテーマをオアシスの「Don't Look Back In Anger」という本格音楽映画にふさわしいW主題歌であることが発表となった。
水嶋ヒロ:竜介役を務めさせていただきました水嶋ヒロです。マスコミの皆様、関係者の皆様、そしてファンの皆様、今日はご来場いただきましてありがとうございます。ついにこの1500万部を超える大ヒットコミックが映画化となりました。僕たちキャスト一同、最初にお話を頂いた時は、大変光栄に思ったのと同時に、大きなプレッシャーも感じました。これだけ人気のある漫画の映画化を叶えるためには、出来るだけ原作に忠実に作っていかなければならないので、大きなプレッシャーを感じつつも、キャスト・スタッフと皆で一丸となってこの映画を作り、僕たちも役を全ういたしました。マスコミの皆様、僕たちの思いのこもったこの作品を、出来るだけ多くの方々に届けていただけるよう、どうかご協力お願い申し上げます。
佐藤健:コユキ役を演じさせていただきました、佐藤健です。今回はお忙しいところお越しいただき、ありがとうございます。さっきの爆発でまだ耳が痛いんですけれども…(笑)。今日、BECKのバンドの皆と此処に立つことが出来て、「いよいよだな」という気持ちです。公開は9月4日なので、まだ少し先ではありますが、とてもワクワクしています。みんなで一緒に努力して、青春しながら作ったこの映画を、早く皆様にご覧いただきたいなと思っています。今日は少しでも『BECK』という作品を「面白そうだな」と思っていただければ嬉しいです。『BECK』を皆様よろしくお願いいたします。
桐谷健太:千葉役を演じさせていただきました桐谷健太です。本当にみんな全力を注いだ、爆発した映画になっています。みんなが良い意味でぶつかり合って、すごい化学反応が起きている映画になっていると思います。ただ、一つ心配なのが、さっきの爆破の煙で、「いま、写真にちゃんと写ってるのかな」という心配がありますが(笑)、本当に良い作品になっていると思いますので、楽しみにしていてください。
忽那汐里:皆さん本日はお越しいただきありがとうございました。真帆役を演じさせていただきました忽那汐里です。映画の本編自体はまだ皆さんにお届けすることは出来ませんが、今日この日を迎えることが出来て、本当に嬉しく思います。今日はよろしくお願いいたします。
中村蒼:サク役を演じさせていただきました中村蒼です。本日は皆様、お越しいただきありがとうございました。この作品は、音楽も本当にかっこよくて、ライブシーンでも自然に盛り上がれましたし、そのライブのリアル感などが皆様に伝わればいいなと思っています。そして、9月4日に、僕達は音楽に乗せて、皆様にたくさんメッセージをお届けしたいと思っています。
向井理:実際は、桐谷くんが最年長なんですが、キャラクター的にやんちゃだったこともあり、僕が色々と任されることも多かったです(笑)。去年の夏はこのメンバーで、熱い夏を過ごしたということが、一番の思い出として残っています。この映画は“音楽”や“青春”という、ベタかもしれないですが、それを堂々と一生懸命にやるということがどれだけかっこいいのかということを、自分達も気づかされた作品でした。公開は9月ですが、この皆の熱い情熱のこもった作品を、皆様に届けたいです。よろしくお願いいたします。
堤幸彦監督:本日はたくさんのご来場ありがとうございました。みんな挨拶が真面目でビックリしましたが…(笑)。ロックなど音楽を扱う映画をやるにあたり、ただ演奏するということだけではなく、「一つの人生や、生き方などが映画に映らないかな」と思って作りました。素晴らしい原作と、素晴らしいキャスト、そして多くのスタッフでこの映画を作り、まだ色々と試行錯誤をしているところではありますが、公開に向けて、完璧なものをお届けしたいと思っておりますので、どうぞ皆様宣伝のほど、よろしくお願いいたします。
──堤監督は原作のファンだとお聞きしておりますが、その中でも一番こだわった部分はありますか?
堤幸彦監督:バンドっていうものは、一つになったりバラバラになったりするものですが、台詞の中でも「ケミストリー」という言葉が出てくるのですが、みんなが一緒になった時のパワーみたいなものを何としても撮りたいと思っていました。それと、最後に大きなステージでのライブシーンを撮影したのですが、撮りながら鳥肌が立つようなものが撮れたと思っています。そういった部分も本当に映画に映っているかどうか、是非とも皆さんに確認いただければと思います。そこが一番拘ったところでした。
──それぞれ楽器を演奏されていると思いますが、楽器の練習はどのくらいされたのでしょうか?また、大変だったでしょうか?
水嶋:僕はギターを担当していたのですが、楽器経験はありませんでした。でも、“天才ギタリスト”という名前を背負っていたため、かなりプレッシャーはありました。練習期間としても、その時にちょうどドラマの撮影もあって、あまり時間が取れませんでした。ただ、撮影の時までには、自分としてもある程度のレベルまで演奏レベルを持っていったと思います。また、監督を始め、楽器指導の方が細かい所までチェックをしてくださったので、そういった方々が、僕の力を十二分に発揮出来る様に仕向けてくれたのだと思います。睡眠時間を削ってでも、ギターを練習しない限りは、竜介という役は説得力が欠けてしまうと思いましたので頑張りました。
堤幸彦監督:完璧でした。
水嶋:ありがとうございます。
桐谷:完璧でした。
水嶋:ありがとうございます(笑)。
佐藤:僕も、ギターの経験は全然なくて、最初は何も知らない状態から始まり、クランクインの1ヶ月前くらいに初めてギターに触って、練習を始めました。その時に、貸していただいたギターを、家に持ち帰って、毎日弾いていましたし、現場が始まっても、空き時間に練習していました。でも努力したというより、「すごくギターって楽しいんだ!」と、ギターの楽しさにすぐ気付くことが出来たので、「頑張らなきゃ!」という気持ちよりも、「楽しいから弾いている」という気持ちで練習できたと思います。
堤幸彦監督:完璧でした。
桐谷さん:完璧でした。
佐藤:(笑)それに、僕の場合は最初からギターが弾けない役だったので、そこまで気張ることもなく出来たんだと思います。
──では、楽だったんですね。
桐谷:そんなことないです!
堤幸彦監督:皆さん、血が滲むような努力をされていましたし、物理的にも練習しすぎて、血が滲んでいましたよね。
佐藤:そうですね。やっぱり指にまめもできましたし、血も滲んでました。
──他の皆さんは、いかがでしたでしょうか?
桐谷:次は僕で大丈夫ですか?
水嶋:楽器弾いてないじゃないですか。
桐谷:ちょっと待って下さい!僕は喉が楽器ですから(笑)。僕は元々、3年前くらいにラップをやっていた友人が「一緒にやってみようぜ」って言って、片方づつイヤホンで音を聞きながら、フリースタイルのラップをしたことがあったことでその頃からラップをやっています。音楽って不思議な魔法みたいなものがあって、楽しいと自然と歌いたくなるのと同じで、僕は、常にラップを聴いていましたし、声に出して歌ったり、自分で詩を書いたりしていたので、努力や練習というよりは、楽しくて声を出していた感じでした。そういう部分が映像でも映っていればいいなと思います。
堤幸彦監督:完璧でした。
中村:僕も皆さんと同じく、楽器経験がなく、ドラムというのは、両手用足が違う動きをするので、最初は思うようにいきませんでした。でも、家でも練習が出来る、あまり音が出ないドラムセットも貸していただけたので、毎日練習していました。それに、毎日練習をしていた方が不安はなくなるので、なるべくドラムスティックを握っているようにしていました。また、撮影中にドラムスティックが折れるという事件が起こったのですが、これは「僕はそれだけ頑張った」という事になると思いますので、是非この部分を記事にお願いいたします(笑)。
堤幸彦監督:一応言っておきますが、完璧でした(笑)。
──では向井さんお願いいたします。
堤幸彦監督:完璧でした!
向井:何も言わせてもらえない…(笑)。でも、僕も皆さんと同じく楽器経験がなかったのですが、なるべく毎日触るようにはしていましたし、一日目でもう豆が出来てしまいました。僕はピックではなく、指でベースを弾くので、弦をはじく方の指は、豆ができやすかったですね。あとは、僕の従兄弟が実際にベースの先生をしていたので、従兄弟に家に来てもらって教えていただいて、クラインクインの前日までしっかりとテクニックの部分などを見てもらいました。
──このBECKというバンド、奇跡を感じながら集まってきた仲間達ということですが、皆様がこれまで、奇跡を感じたことがあったら、教えてください。
水嶋:この映画自体が「夢を諦めない」という大きなテーマでそれぞれ動いているのだと思います。そして、この映画を映画化するという事になった時も、たくさん辛い思いをしながらも、映画化を実現するために動いた人が背景にはいると思うんです。そういう方々の熱い想いから、僕らに繋がって、今こうして製作発表に至るということは、まさに奇跡だと、今かみ締めています。
佐藤:映画の野外のライブシーンを撮影していた時、台本では(はじめ)どしゃ振りでライブが終わる頃に、雨が上がることになっていたのですが、実際に夜、エキストラの方々にもご協力いただいて撮影をしたら、台本通り、それまでどしゃ降りだったのが最後の曲を演奏している時は、(台本と同じで)晴れたんです。その時は皆で「何か降りてきたね」「奇跡だね」と話していましたのを覚えています。
桐谷:映画と関係ありませんが、真面目な話をしますと、生きているだけで奇跡だと思うんです。本当に。僕は、人間っていうのは、ない物ねだりだと思っていて、忙しかったら休みが欲しくなりますし、休みだったら仕事がしたくなると思うんです。また、誰かと一緒にいたら1人になりたいなと思いますし、でも1人だったら寂しいと思ったり…。ない物ない物を追いかけて、今をあまり大事に出来ていないということが、おそらくあると思うんです。でも、角度を変えて見たら、「今が大事なんだな」と思えますし、友達や恋人や家族が近くにいるということは、「当たり前の事ではなくて、奇跡なんだ」と思えると思います。また、いつもの帰り道でも、少し角度を変えて見てみれば、“家族が待っている”というすごく素敵な帰り道になるかもしれないと思うんです。更に、僕らBECKのメンバーが此処に立っているということも僕は当たり前だとは思わないですし、五体満足でいることも奇跡だと思ってます。それと、今こうしてフラッシュを浴びていることも奇跡だと思います(笑)。
忽那:私も此処にいることが本当に奇跡だと思えます。私はオーストラリアで生まれて、14年間向こうで過ごしていたので、日本という国は私にとっては遠い国でしたし、日本での生活というのは遠い世界でしたし、ましてや、こんな素敵な先輩方と、このようなステージに立っていられることが奇跡だと思います。
中村:僕は、中学3年生の時に、JUNONボーイという賞をいただいたのがきっかけで、この仕事を始めたのですが、今、こうして、ずっとテレビで拝見していた皆さんとBECKという最高のバンドを組めたことが、僕の中では奇跡なんではないかなと思っています。
向井:このBECKのメンバーと一緒に『BECK』という作品が出来たということが奇跡だと思っています。短くまとめました(笑)。
──原作があるものを映画化するにあたって、ハロルド作石さんの方から、何か条件やオーダーのようなものはあったのでしょうか?
堤幸彦監督:ハロルド先生とは、全体に渡って意見交換をしてまいりました。また、私は現場で編集を行なうことが多いのですが、現場にもお越しいただき、つないだ映像を見てもらったりしました。ハロルド先生も、とても楽しんでいらっしゃる印象を受けましたので、現場にいらっしゃる度に、一緒に作っている感覚になれました。
──キャストを代表して水嶋さんから一言、皆様にご挨拶をいただきたいと思います。
水嶋:最後に僕らの思いや、どういう姿勢で取り組んでいたかということを察していただければと思います。僕らは、たくさんいらっしゃる原作ファンの方々の期待を裏切ることは絶対にしたくないですし、原作者のハロルド作石さんへのリスペクトというものも常に掲げ、原作ファンの皆様の顔を浮かべながら、1シーン1シーン、スタッフと一丸となって一生懸命取り組んできました。僕らが全身全霊をかけて取り組んだこの作品を是非、皆さん多くの方に伝えてください。例えば、もし、各位の上司の方などに今日の『BECK』製作報告会見の事で反対をされたとしても、「夢を諦めちゃいけない」んですよ!(笑)目的を諦めたら、絶対にそれは伝わらないと思いますので、熱い思いがあれば、絶対にその上司の方々の気持ちも傾けさせられることが出来ると思いますので、是非この『BECK』を多くの方々に伝えてください。よろしくお願いいたします!
──最後に堤監督から一言皆様にご挨拶をよろしくお願いいたします。
監督:この素晴らしい挨拶の後に語るのは無粋ですね(笑)。私も中学の頃からロック漬けで今まできまして、結局こうやって音楽をテーマにして映画を撮って、この場所にいられるということが、先ほどのテーマではないですが、本当に奇跡だと思っています。たくさんある、この映画の中での見所の一つとして、世代を超えて楽しんでもらえるという所があると思います。仕上げをしている時に、フィルムの色を調節する年配のスタッフの方が、映画を観ながらホロホロと泣いていらっしゃったのを見て、本当にこの映画を撮って良かったと思いました。ロックとか音楽を前にして10代も50代もないです。そういう意味でも、先ほどの話ではないですが、上司を口説いていただいて、世代を超えた力のある映画だと思っています。是非、宣伝の方をご協力いただければと思っております。
映画『BECK』
平凡な毎日を送るごく普通の高校生コユキ(佐藤健)が偶然にもNY帰りの天才ギタリスト南竜介(水嶋ヒロ)と出会うところから話は始まる。竜介は、才能溢れるメンバー千葉(桐谷健太)、平(向井理)を誘い、バンドを結成。さらに竜介は、強引にコユキとサク(中村蒼)という若いメンバーを加えてバンド・BECKとしての活動を始める。その中でコユキはギター練習、バンド活動へ没頭していき、いつしか天性の才能を開花させていく。さらに、コユキは、もっとも自分の才能を評価しまた、応援してくれている竜介の妹・真帆に淡い恋心を抱いていくのだった。個性あふれるメンバーによって結成されたBECKは、小規模ながらもライブ活動を皮切りに、徐々に頭角を現し始め、CDデビューやライブハウスでの成功を重ねる。さらには、コユキの才能が世間に認知されるあるきっかけからも、注目度が加速!だが、ある事件をきっかけに、音楽メジャーシーンを牛耳るプロデューサーの陰謀に巻き込まれ、数々の試練にみまわれる。そんな状況下の中、飛び込んだロックフェスへの出演依頼。しかし、それはバンド存続にかかわる条件と引き換えだった。BECKの命運はいかに。
●水嶋ヒロ:南竜介(通称:竜介) 役 ギター
NY帰りの帰国子女。借金持ち・女泣かせではあるが、音楽のことになると決して妥協を許さない、天才ギタリスト。 自由自在で多彩なテクニックとエモーショナルな音色を奏でるプレイは評価が高い。
●佐藤健:田中幸雄(通称:コユキ)役 ボーカル、ギター
平凡な高校生活を送っていたが、竜介と出会ったことにより音楽の世界へのめりこむ。日々の努力により着実につみあげてきたギターで晴れてBECK入りを果たす。そして、天性の声を持つことに気付きはじめる。
●桐谷健太:千葉恒美(通称:千葉) 役 ボーカル(ラップ)
喧嘩早く、曲がったことが大嫌いな性格の持ち主。バンドのムードメーカーでもあり、ライブでは人を惹きつける魅力を発揮する。
●忽那汐里:南真帆
アメリカンスクールに通う、南竜介の父違いの妹。兄・竜介に勝るとも劣らぬ行動力でコユキを惑わすが、コユキの才能をいち早く見出す。
●中村蒼:桜井裕(志通称:サク)役 ドラムス
コユキの親友。いじめで学校生活に苦しんでいたコユキの唯一の味方。竜介や平も認めるほどのドラムの腕前を持っている。人に左右されない強い信念を持っている。
●向井理:平義行(通称:平) ベース
冷静で、聡明なベーシスト。一番年上で、精神的にも音楽的にもバンドの支柱になっている。様々なバンドから誘いの声があるが、自分のフィーリングに従いBECKへ加入する。
監督:堤幸彦
原作:ハロルド作石
出演:水嶋ヒロ 佐藤健 桐谷健太 忽那汐里 中村蒼 向井理
製作:2010「BECK」製作委員会
配給:松竹
2010年9月4日(土)全国ロードショー
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