心を伝えるブックシェルフ型スピーカーEvidence MM01A
2Wayスピーカーシステム mhi(musical heart instruments)Evidence MM01A
音楽がもっと楽しくなる、心を伝えるブックシェルフ型スピーカー
エビデンスMM01Aは、高さ25cmほどのコンパクトなブックシェルフ型スピーカー。見たところ普通のなんでもないスピーカーにも思えるが、その実力は相当なもの。音楽ファンなら誰もが欲しくなるほど、魅力的なサウンドを聴かせてくれる製品だ。このMM01Aを作っているmhiは、パイオニアUSAのハイエンドオーディオ“TAD”の音作りを担当していたEd・Kojima氏が制作するオーディオ機器のブランド。mhi(musical heart instruments)という名前が示すように、音楽の心、ミュージシャンの心を伝えることをポリシーとしている。このMM01Aももちろんそのポリシーにもとづいて作られ、Ed・Kojima氏が培ってきたノウハウもぎっしりと詰め込まれている。
MM01Aのサウンドは、コンパクトスピーカーとは思えないほど豊かだ。自然で心地よく、バランスがよくまとまっている。こうしたサウンドは、斬新でユニークな内部構成によって生み出されるものだ。というのは、実はこのスピーカーの低域から中域を担当するウーハーユニットは、普通よりはるかに幅広い帯域を再生するようになっているのだ。ウーハーとツイーターがそれぞれ受け持つ帯域の境界、つまりクロスオーバー周波数の設定はなんと10KHzだ。これは非常に高い。一般的な2ウェイスピーカーのクロスオーバー周波数は2~3KHzが普通だが、その帯域はちょうど耳の感度がもっともよいところ。そこでMM01Aではその帯域で分割するのを避け、65Hzから10KHzまでの広い帯域をウーハーに任せたのだ。音楽のもっとも大事な部分をまとめてひとつのユニットが受け持っているからこそ、スムースでまとまりのよい極上のサウンドを再生できるというわけだ。
高域が伸びやかで余裕があるのもこの製品の特徴のひとつ。解像度が高く細かい部分も明瞭に聴こえるから、SACDなどの高音質メディアの再生にもぴったりだろう。この余裕の高域を再生しているのは、10KHz以上の帯域を受け持つツイーター。これはピュアアルミ製のTrueリボンツイーターで、なんと120kHzまでの超高域を再生可能だ。だから繊細で安定した超高解像度再生ができ、クリアな音像を作り出せるのだ。
オーディオマニアも納得の音質を確保している理由はそれだけではない。その他細かい部分にも音質への配慮が満載だ。たとえば内部ネットワークの配線はハンダを使わずカシメで接続している。これは異なる金属の接触による音質の変化を避けるためだ。さらにハイパスフィルターには高品位空芯コイルを採用するなど、透明感ある音質のために回路のパーツも厳選されている。
見た目がカッコいいのも高ポイント。スピーカーを囲む“箱”であるエンクロージャーは、ポリエステル塗装とウレタン塗装を重ねた光沢仕上げ。上品で高級感がある。もちろんエンクロージャーの構造も音質に配慮している。材質は木質ボードのMDFで、厚さの異なる3種類を貼り合わせたもの。また正面のスピーカー取り付け面であるバッフルには、ウーハーとツイーターの間に溝が切られ、相互に影響を与えないようになっている。細部まで配慮がゆき届いているから、楽器のような美しい響きが楽しめるのだ。
中音域を大切にしつつ高音域の伸びもよいMM01Aは、女性ヴォーカルものを聴くにはうってつけ。バックのサウンドが大きくなるところでもヴォーカルが埋もれることはないし、小音量にしてもきちんとヴォーカルが聴こえてくる。ヴォーカルのハリやツヤはむやみに強調されていなくて、自然でとても聴きやすい。声の微妙な表情まで伝わってくるようだ。テイラー・スウィフト 『フィアレス』UICO-1165 \2,200(tax in)amazonで購入
ドラムのキックやスネアなどのアタックが前に出てくるためビートが強く感じられ、メリハリがある。だから文句なくノれる。それでいて全体に温かみがある音なので、耳が疲れず自然に聴けるのもいい。ピアノ中心のバラードは温かく響きが美しいから、音量を上げて音の世界に浸りたくなる。菅原紗由理 『First Story』FLCF-4315 \3,500(tax in)amazonで購入
コンパクトスピーカーなので“迫りくる重低音”というわけにはいかないが、決して物足りなくはない。歪んだギターは壁のように分厚く広がり、迫力は十分。ギターの細かいフレーズもつぶれずにきちんと聴き分けられ、解像度が高いことがよくわかる。細かいところもよく聴こえるから、楽器のコピーにも向いている。ムック 『フリージア』MSHN-005 \1,690(tax in)amazonで購入
サックスが目の前に迫るのではなく適度な距離感を持って響き、自然でとても聴きやすい。サックスのきらびやかさはもちろん、低音域~中音域の粗っぽい部分も、力強いバリっとしたサウンドもリアルに鳴ってくれる。きっとこれが演奏者の意図したサウンドなんだろうなと思える音だ。リズミカルな曲もムーディな曲もうまくまとまって聴こえ、とにかく心地よい。小林香織『LUV SAX』VICJ-61614 \3,150(tax in)amazonで購入
まとまりがよく自然なサウンドで、パッと聴いただけで誰もがいい音だと感じるだろう。大音量から小音量まで破たんがないし、聴く場所が変わってもきちんと音像が結ばれるのもいい。ウーハーの再生帯域が65Hz以上ということで、低音はほどほど。重低音が欲しいならサブウーファーを使ってもいいだろう。ただ低域はきちんと締まっていてパンチがあるから、そのままでも物足りなさは感じないはず。どんなジャンルの音楽でもこなしてしまう実力者だが、とくに女性ヴォーカルとの相性は抜群だ。とにかくサウンドが心地よく、音楽が本当に楽しく感じられる、MM01Aはそんなスピーカーだ。
洋楽女性ヴォーカル
J-POP女性ヴォーカル
ハードロック
ジャズ/フュージョン
ソウル/ディスコ
クラシック
AOR
形式 | 2ウェイ2スピーカー |
ユニット構成 | ピュアアルミリボンツイーター、4.5インチ モガミ紙コーンウーハー |
クロスオーバー周波数 | 10KHz |
インピーダンス | 4Ω |
入力感度 | 90dB(2.83V/1m) |
許容入力 | 75W |
周波数特性 | 65Hz~120KHz |
外形寸法 | 152(W)×247(H)×229(D)(接続端子を含む) |
重量 | 4.0kg |
カラー | ブラック/ホワイト |
税込価格 | 84,000円(ブラック)/89,250円(ホワイト) |