歴代アーティスト夢の競演、<MUSIC FREAKS LIVE>
FM802の20周年を記念して、番組「MUSIC FREAKS」を彩った歴代のDJたちのうち9組が顔を揃え、本領発揮とも言えるライブイベント<FM802 STILL20 SPECIAL LIVE“MISIC FREAKS LIVE”>が大阪のライブハウスなんばHatchで3日間に渡って開かれた。凱旋ライブ、同窓会ライブとも言える要素もある中、各日音楽フリークたちは個性的なパフォーマンスをたっぷり堪能した。
◆歴代アーティスト夢の競演、<MUSIC FREAKS LIVE> ~写真編~
FM802の看板番組のひとつ「MUSIC FREAKS」は、毎週日曜日の午後10時から活躍が期待される気鋭のアーティスト2組が週代わりでDJを担当するアーティストDJプログラム。1998年からスタートして現在に至るまで、この番組を経てブレイクしたアーティストも多く、先物買い(?)の音楽フリークにはおなじみの番組だ。
1日目(11月20日)
出演:Salyu/monobright/BEAT CRUSADERS
初日、トップバッターを務めたのは2005年10月~2006年9月に番組を担当したSalyu。フェミニンなミニのワンピースで登場した彼女の開口一番、「気分はどうですか?」との一言でステージが始まった。ギター、チェロ、キーボードという編成をバックに、彼女は持ち前の求心力の強いボーカル表現力を存分にアピール。椅子に座っての歌唱で始まったが、幻想的で独特の浮遊感を醸し出す楽曲「be there」など、感情が入るにつれ、時おり立ち上がるなど高ぶる思いを歌にぶつける姿が印象的だ。ポジティブな思いを綴った楽曲「EXTENSION」を始め、この日歌ったのは計6曲。「番組でコミュニケーションをはかっていた方もいらっしゃると思って、今日は楽しみにしてました!」との言葉通り、渾身のステージを見せてくれた。
次に登場したのが、2008年10月~2009年9月まで番組を担当していた桃野陽介率いるmonobrightだ。ステージが始まるや否や、メンバーのテンションの高さで会場は一気にヒートアップ。力強いビート、疾走感のあるサウンドでぐいぐいオーディエンスの心をつかんでいく。1曲の中に様々な音楽エッセンスを盛り込んだ、持ち前のバラエティ・ロックはお見事と言う他ない。桃野の「番組聴いてた人?」との問いかけに、一瞬会場の反応は遅れるもののめげずに、「噛みまくりのどぎついラジオをやってました」と笑いを誘う切り返しも見事。番組で作ったというエピソードを交え、分厚いビートを軸に、メロディアスさが際立つナンバー「STEREO FREAKS」を披露したかと思えば、ダンス・ミュージックを称して「JOYってる」という言葉で表した「JOY JOY エクスペリエンス」で会場を一つにする。計6曲、盛り上がりっぱなしだった。
この日のトリを務めたのが、仮面のロックバンド(?)BEAT CRUSADERS。おなじみの紙お面を被り登場したメンバーは、曲がスタートすると紙お面を一斉に取り、オーディエンス目掛けて投げつけるというパフォーマンスで拍手喝采を浴びる。これで会場の心をひと掴みした彼らは、monobrightが温めた会場の空気をさらに熱くするステージを見せてくれた。ライブバンドとし百戦錬磨の彼ららしく、途切れることのないテンション、熱いビート、うねるロックグルーヴは圧巻。2004年10月~2005年9月に番組を担当していたフロントマンであるヒダカトオルを筆頭に個性豊かなメンバーが繰り広げる、放送禁止用語のコール&レスポンスを含めた爆笑MCでも会場を大いに盛り上げた。アッパーなロックチューン連発でメンバーもオーディエンスも弾けまくり。サザンオールスターズのカバー「希望の轍」や、メンバーがパートを代えて演奏に挑んだナンバーも披露するなど、見せ場聴かせ場たっぷりのステージだった。
アンコールでは、この日登場したアーティストによるセッションも実現。BEAT CRUSADERSのメンバーを軸に、Salyu、monobrightの桃野、それぞれ登場する際に紙お面を付けていたのも拍手喝采。ビートルズのカバーを始め3曲も披露。最初から最後まで和気あいあいの雰囲気でライブは終了した。
2日目(11月21日)
出演:渡和久(from風味堂)/ハナレグミ/スガ シカオ
1日目の弾けたライブ・イメージとはまた違う、比較的アダルティーなステージが繰り広げられたのが2日目だ。まず登場したのは、番組を2005年10月~2006年9月に渡って担当していた渡和久(風味堂)。ソロとして活動も続ける彼のステージは、人柄そのままに温かなサウンドに満ちていた。ステージ中央に設置されたグランドピアノ。「1人です!(笑)」の言葉で始まったステージは、とてもリラックスした雰囲気が印象的。ジャジーなリズムとメロディーが際立つ「今夜は優しい夜だから」など、披露したのは4曲。「だってもうないもん(笑)」と言いながらも、最近作り上げたばかりというナンバーの完成度の高さに会場は引き込まれる。現在2010年リリース予定でソロ名義の作品作りに取りかかっていることも紹介しつつ、ハートフルな歌世界で存在感をアピール。「番組をやらせてもらった時のみんなからのメッセージにものすごく勇気づけられた。だから今も戦い続けていられる」というコメントで歌い出した「戦い続けるのさ」で、彼のステージは終了した。
一方、心地いい、珠玉のヒーリング系ミュージックでオーディエンスを惹き付けたのが、ハナレグミ。番組を2000年10月~2001年9月に担当していた永積タカシによるソロユニットのステージは、全編に渡ってミディアムテンピ主体、美メロ、日常を舞台にした共感性の高い歌詞が際立つ構成となった。関西でのライブということで、「阪神タイガース・バージョン」という、縦縞のシャツを見せて気合いも充分。ステージ自体は、まさにナチュラル系(?)アーティストの本領発揮と言ったところ。番組を担当していた際、「出待ちの女の子たちの前で犬のウンコを踏んだ(笑)」というエピソードや、「カビの生えたお餅は痺れる(笑)」とMCでもぐっと会場を沸かせていた。計6曲に渡って披露したこの日。一貫して心地よいグルーヴが充満するライブで会場が一つになっていたのは言うまでもない。
セットチェンジの際にスクリーンで過去の歴代DJ紹介がされており、その姿が映るや否や会場にひと際大きな拍手が起こっていたのが、この日のトリを取ったピンクのシャツ姿のスガ シカオ。番組開始時の1998年10月~1999年9月にDJを担当していたということで、古巣に戻ってきたような感覚があったのか、非常に気合いの入ったテンションの高さが随所に感じられるステージだ。J-ファンクの極みとも言える、重厚さとポップさが絶妙のバランス感覚で繰り広げられていく。EXILEばりのウェービーダンスも披露した「コノユビトマレ」やダークなドライブ感が際立つ「黄金の月」、また、「愛について」ではギター弾き語りで説得力のあるボーカルを聴かせ、振り付けを会場一体となって楽しんだ「午後のパレード」など、全7曲と限られた曲数ながらも練られた構成をオーディエンスは堪能した。
そして、大きなアンコールの要請に応えて、スガ シカオが再びステージに。特別に、渡和久も再登場し、急遽キーボードを担当するというコラボも実現。11月25日にリリースする最新シングル「はじまりの日」、さらに「バカバカしい曲」という超ファンク・ナンバー「おれたちFunk[炎]Fire」を会場全員で合唱。この日も結局は大盛り上がりでライブが終了した。
3日目(11月22日)
出演:SCOOBIE DO/ROCK'A'TRENCH/KREVA
ライブもいよいよ最終日。この日はあいにくの冷たい雨ながらも、熱心な音楽フリークたちで開演前から会場は熱気で溢れていた。オンタイムでスタートしたステージ。まず先陣を切ったのが、番組を2003年10月~2004年9月に担当していたコヤマシュウ率いるSCOOBIE DOだ。コヤマの「アイッ!!」という雄叫びとともに始まったライブは、持ち前のファンク&グルーヴィーな楽曲センスを前面に、渾身のパフォーマンスで会場を熱くしていく。気合い充分のコヤマが、ステージの端まで身を乗り出して、オーディエンスを煽る姿も印象的だ。「大阪に帰って来れてうれしい」と言いつつ、「ロックンロールで壊れちまえ!」 「ヘバリー!(ヘイ・エブリバディの意)、ライブで音楽を楽しむのが最高!」とMCでも会場を一気に引き込んでいく。なんばHatchをダンス・ホールへと変えるステージ・パワーはまさに圧巻だった。
2008年から2009年9月まで番組を担当していた山森大輔が率いるROCK'A'TRENCHも、登場するや否や大声援を浴びて登場。一気にブレイク・アーティストの仲間入りを果たした彼ららしく、活きのいいステージが繰り広げられていく。アッパーで開放的なサウンド指向そのままに、ノリノリの楽曲で会場もさらにテンションアップ。「MUSIC FREAKSに帰って参りました!」とのMCに、すかさず会場から「お帰り~!!」の声。「番組ではしゃべりの本場大阪で2時間の生放送ができるか不安だったのが、たくさんの人とつながることができて、本当に大阪が好きになりました。番組の最終回は9月27日でしたが、今日のライブこそが卒業式のよう」と山森のMCも感慨深げだ。大ヒットナンバー「My SunShine」を始め、番組のために作ったと言う「またね」など、計6曲を披露。彼ら流のポジティブなフェアウェル・ソングで彼らのステージは終了した。
この日のトリ、そしてMUSIC FREAKS LIVEの大トリを務めたのが、番組を2001年10月~2002年9月に渡った担当したKREVA。すでにJ-HIP HOPのリーダー的存在と成長した彼らしく、会場はまるで爆発したかのような盛り上がりぶりに。メッセージ性豊かなリリック、メロウかつシャープなラップは彼の独壇場だ。3人のDJ陣をバックに、抜群のリズムセンスを次々に披露していく。来年1月に大阪城ホールでのライブも決まっている彼のパフォーマンスを、ライブハウスで間近に体感できるのも会場をヒートアップさせている理由だろう。「まるでオレのライブみたいじゃないか」とKREVA自身も語ったように、その盛り上がり方は相当だ。9月にリリースしたばかりの最新アルバム「心臓」を軸に、ポピュラリティ豊かなサウンドを展開。しゃべるようにラップをする男の真髄をこれでもかと見せつけていく。アッパー、ミディアム、スローと幅広い楽曲全11曲で構成したステージは、非常に密度の濃いものとなった。会場の声援に応えて、アンコールを1曲。「リズム」をアカペラで訴えかけるように披露したのも感動的。言うまでもなく大歓声を浴びてライブが終わった。
◆歴代アーティスト夢の競演、<MUSIC FREAKS LIVE> ~写真編~
FM802の看板番組のひとつ「MUSIC FREAKS」は、毎週日曜日の午後10時から活躍が期待される気鋭のアーティスト2組が週代わりでDJを担当するアーティストDJプログラム。1998年からスタートして現在に至るまで、この番組を経てブレイクしたアーティストも多く、先物買い(?)の音楽フリークにはおなじみの番組だ。
1日目(11月20日)
出演:Salyu/monobright/BEAT CRUSADERS
▲Salyu |
▲monobright |
▲BEAT CRUSADERS |
次に登場したのが、2008年10月~2009年9月まで番組を担当していた桃野陽介率いるmonobrightだ。ステージが始まるや否や、メンバーのテンションの高さで会場は一気にヒートアップ。力強いビート、疾走感のあるサウンドでぐいぐいオーディエンスの心をつかんでいく。1曲の中に様々な音楽エッセンスを盛り込んだ、持ち前のバラエティ・ロックはお見事と言う他ない。桃野の「番組聴いてた人?」との問いかけに、一瞬会場の反応は遅れるもののめげずに、「噛みまくりのどぎついラジオをやってました」と笑いを誘う切り返しも見事。番組で作ったというエピソードを交え、分厚いビートを軸に、メロディアスさが際立つナンバー「STEREO FREAKS」を披露したかと思えば、ダンス・ミュージックを称して「JOYってる」という言葉で表した「JOY JOY エクスペリエンス」で会場を一つにする。計6曲、盛り上がりっぱなしだった。
この日のトリを務めたのが、仮面のロックバンド(?)BEAT CRUSADERS。おなじみの紙お面を被り登場したメンバーは、曲がスタートすると紙お面を一斉に取り、オーディエンス目掛けて投げつけるというパフォーマンスで拍手喝采を浴びる。これで会場の心をひと掴みした彼らは、monobrightが温めた会場の空気をさらに熱くするステージを見せてくれた。ライブバンドとし百戦錬磨の彼ららしく、途切れることのないテンション、熱いビート、うねるロックグルーヴは圧巻。2004年10月~2005年9月に番組を担当していたフロントマンであるヒダカトオルを筆頭に個性豊かなメンバーが繰り広げる、放送禁止用語のコール&レスポンスを含めた爆笑MCでも会場を大いに盛り上げた。アッパーなロックチューン連発でメンバーもオーディエンスも弾けまくり。サザンオールスターズのカバー「希望の轍」や、メンバーがパートを代えて演奏に挑んだナンバーも披露するなど、見せ場聴かせ場たっぷりのステージだった。
アンコールでは、この日登場したアーティストによるセッションも実現。BEAT CRUSADERSのメンバーを軸に、Salyu、monobrightの桃野、それぞれ登場する際に紙お面を付けていたのも拍手喝采。ビートルズのカバーを始め3曲も披露。最初から最後まで和気あいあいの雰囲気でライブは終了した。
2日目(11月21日)
出演:渡和久(from風味堂)/ハナレグミ/スガ シカオ
▲渡和久(from風味堂) |
▲ハナレグミ |
▲スガ シカオ |
一方、心地いい、珠玉のヒーリング系ミュージックでオーディエンスを惹き付けたのが、ハナレグミ。番組を2000年10月~2001年9月に担当していた永積タカシによるソロユニットのステージは、全編に渡ってミディアムテンピ主体、美メロ、日常を舞台にした共感性の高い歌詞が際立つ構成となった。関西でのライブということで、「阪神タイガース・バージョン」という、縦縞のシャツを見せて気合いも充分。ステージ自体は、まさにナチュラル系(?)アーティストの本領発揮と言ったところ。番組を担当していた際、「出待ちの女の子たちの前で犬のウンコを踏んだ(笑)」というエピソードや、「カビの生えたお餅は痺れる(笑)」とMCでもぐっと会場を沸かせていた。計6曲に渡って披露したこの日。一貫して心地よいグルーヴが充満するライブで会場が一つになっていたのは言うまでもない。
セットチェンジの際にスクリーンで過去の歴代DJ紹介がされており、その姿が映るや否や会場にひと際大きな拍手が起こっていたのが、この日のトリを取ったピンクのシャツ姿のスガ シカオ。番組開始時の1998年10月~1999年9月にDJを担当していたということで、古巣に戻ってきたような感覚があったのか、非常に気合いの入ったテンションの高さが随所に感じられるステージだ。J-ファンクの極みとも言える、重厚さとポップさが絶妙のバランス感覚で繰り広げられていく。EXILEばりのウェービーダンスも披露した「コノユビトマレ」やダークなドライブ感が際立つ「黄金の月」、また、「愛について」ではギター弾き語りで説得力のあるボーカルを聴かせ、振り付けを会場一体となって楽しんだ「午後のパレード」など、全7曲と限られた曲数ながらも練られた構成をオーディエンスは堪能した。
そして、大きなアンコールの要請に応えて、スガ シカオが再びステージに。特別に、渡和久も再登場し、急遽キーボードを担当するというコラボも実現。11月25日にリリースする最新シングル「はじまりの日」、さらに「バカバカしい曲」という超ファンク・ナンバー「おれたちFunk[炎]Fire」を会場全員で合唱。この日も結局は大盛り上がりでライブが終了した。
3日目(11月22日)
出演:SCOOBIE DO/ROCK'A'TRENCH/KREVA
▲SCOOBIE DO |
▲ROCK'A'TRENCH |
▲KREVA |
2008年から2009年9月まで番組を担当していた山森大輔が率いるROCK'A'TRENCHも、登場するや否や大声援を浴びて登場。一気にブレイク・アーティストの仲間入りを果たした彼ららしく、活きのいいステージが繰り広げられていく。アッパーで開放的なサウンド指向そのままに、ノリノリの楽曲で会場もさらにテンションアップ。「MUSIC FREAKSに帰って参りました!」とのMCに、すかさず会場から「お帰り~!!」の声。「番組ではしゃべりの本場大阪で2時間の生放送ができるか不安だったのが、たくさんの人とつながることができて、本当に大阪が好きになりました。番組の最終回は9月27日でしたが、今日のライブこそが卒業式のよう」と山森のMCも感慨深げだ。大ヒットナンバー「My SunShine」を始め、番組のために作ったと言う「またね」など、計6曲を披露。彼ら流のポジティブなフェアウェル・ソングで彼らのステージは終了した。
この日のトリ、そしてMUSIC FREAKS LIVEの大トリを務めたのが、番組を2001年10月~2002年9月に渡った担当したKREVA。すでにJ-HIP HOPのリーダー的存在と成長した彼らしく、会場はまるで爆発したかのような盛り上がりぶりに。メッセージ性豊かなリリック、メロウかつシャープなラップは彼の独壇場だ。3人のDJ陣をバックに、抜群のリズムセンスを次々に披露していく。来年1月に大阪城ホールでのライブも決まっている彼のパフォーマンスを、ライブハウスで間近に体感できるのも会場をヒートアップさせている理由だろう。「まるでオレのライブみたいじゃないか」とKREVA自身も語ったように、その盛り上がり方は相当だ。9月にリリースしたばかりの最新アルバム「心臓」を軸に、ポピュラリティ豊かなサウンドを展開。しゃべるようにラップをする男の真髄をこれでもかと見せつけていく。アッパー、ミディアム、スローと幅広い楽曲全11曲で構成したステージは、非常に密度の濃いものとなった。会場の声援に応えて、アンコールを1曲。「リズム」をアカペラで訴えかけるように披露したのも感動的。言うまでもなく大歓声を浴びてライブが終わった。
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