ノラ・ジョーンズ、リミックス盤を作る話も進んでいるの(後編)

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2年10ヵ月ぶりとなる新作『ザ・フォール』を完成させたノラ・ジョーンズ。現代的なグルーヴを持った曲やロックっぽい曲などを大々的にフィーチャーし、“新しいノラ・ジョーンズ”をアピールしたこのアルバムについて彼女が語るインタビューの後編だ。驚きの発言が飛び出すインタビューをどうぞ。

◆ノラ・ジョーンズ、新作『ザ・フォール』~写真編~

――新しいミュージシャンたちとのレコーディングはいかがでした? 発見はたくさんありましたか?

ノラ:新しい発見があったというよりは、新しい経験をしたという感じね。そして、今までとは違うサウンドを得られたと思うわ。私は同じことの繰り返しをしたくないほうなの。だからもちろん今までの3枚も少しずつ違った作品になっていた。でも今作ではそれが顕著に出たわね。以前の3枚は同じような親密さがあったけど、今回はまったく違う。なぜなら前の3作はほぼ同じメンバーと作ってきたけど、今回はまったく違う人たちと作ったから。

――今までレコーディングもツアーも一緒にやってきたハンサム・バンドと離れて作ったわけですが、いつかまたハンサム・バンドのメンバーと一緒にやることは考えられますか?

ノラ:もちろんよ。別に私は過去を断ち切ろうとしているわけじゃないから。ただ、今は新しいことにチャレンジしたいだけ。今までのメンバーと過ごしてきた時間は大切なものだし、未来のことはどうなるかなんて誰もわからないけど、きっとまた一緒にやるときが来ると思う。

――連絡を取り合ったりはしてるんですか?

ノラ:ええ。全員とではないけどね。

――あなたも言ったように、今作は以前の3枚からサウンドが大きく変化しました。とりわけ始めの2曲「チェイシング・パイレーツ」と「せつなさの予感」はソウルっぽいフィーリングを持った曲で、今っぽいグルーヴもあって新鮮だったんですが、最近はそういう音楽をよく聴いたりしているんですか?

ノラ:少しね。サンティゴールドやMGMTとか、わりと若い人たちがやっている、グルーヴがあってクリエイティヴな音楽にけっこう影響を受けているの。で、今作でやりたかったことのひとつは、そうやっていろんなグルーヴを実験的に取り入れてみるということで。この2曲は特に現代的なドラム・ビートを求めていたものだったから、やってみて面白かったし、うまくいったと思うわ。

――聞くところによると、そういった部分を強調してリミックス盤を作るという話も進んでいるとか。

ノラ:ああ、あれね。今のレコード業界の現状でいうと、みんなすぐにボーナストラックとかリミックスとかを欲するわけ。それはそれでけっこうたいへんなのよ。2枚組を作るようなものだからね。まあでも、今作に入っている何曲かはリミックスするのにピッタリだったりもするから、この機会に作ってみるのもいいのかなって思って。何人かそっち方面のクリエイティヴな友達もできたから、お願いしてみたの。早まってここで予告してポシャってしまったら嫌だから名前はあまり挙げたくないんだけど……でも少しだけ教えちゃうと、サンティゴールドには1曲頼んだし、Q-TIPにも依頼したわ。彼のレコードで私が歌ったりもしてたからね。でもまだ最終的に決まってないから……ここだけの話よ(笑)
インタビュー・文●内本順一

『ザ・フォール』
2009年11月11日日本先行発売
TOCP-70830
1.チェイシング・パイレーツ Chasing Pirates (Norah Jones)
2.せつなさの予感 Even Though (Norah Jones/Jesse Harris)
3.ライト・アズ・ア・フェザー Light As a Feather (Norah Jones/Ryan Adams)
4.ヤング・ブラッド Young Blood (Norah Jones/Mike Martin)
5.愛の名残り I Wouldn't Need You (Norah Jones)
6.ウェイティング Waiting (Norah Jones)
7.イッツ・ゴナ・ビー It's Gonna Be (Norah Jones)
8.こわれた恋心 You've Ruined Me (Norah Jones)
9.バック・トゥ・マンハッタン Back To Manhattan (Norah Jones)
10.スタック Stuck (Norah Jones/Will Sheff)
11.ディセンバー December (Norah Jones)
12.テル・ヤー・ママ Tell Yer Mama (Norah Jones/Jesse Harris/Richard Julian)
13.ひとときの恋人 Man Of The Hour (Norah Jones)
14.ハー・レッド・シューズ Her Red Shoes※日本盤ボーナス・トラック

◆iTunes Store ノラ・ジョーンズ(※iTunesが開きます)
◆ノラ・ジョーンズ・オフィシャルサイト
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