東京の夜景に溶け込んでいく、SUGIZOのヴァイオリンの調べ
窓の外に広がるのは、世界一美しいといわれている東京の夜景。大きなミラーボールがゆっくりと回る中、静かな音楽が流れている。
8月28日午後10時。六本木ヒルズ森タワー52Fのマドラウンジで、大人の社交場として毎月第4金曜の夜に開催されているパーティ<サロン・ド・クロア>は、多くの人のざわめきに包まれていた。このパーティは、毎回多様なジャンルからゲストを迎えていて、もうすぐこの日のゲストであるSUGIZO率いるS.T.Kの演奏が、始まろうとしているところだ。
◆東京の夜景に溶け込んでいく、SUGIZOのヴァイオリンの調べ ~写真編~
SUGIZOは、LUNA SEAやX JAPANという日本を代表するロックバンドのメンバーであると同時に、その他にも実に多くのプロジェクトに参加している。ソロ・ワークはもちろんのこと、世界を股にかけて活動するエレクトロ・ユニット「JUNO REACTOR」、サイケデリック・ジャム・バンド「SHAG」。そして、彼がヴァイオリンを奏でるアンビエント・ユニットが、今回のS.T.K.である。
フロアの一角に設けられたライヴ・スペースに、さりげなくメンバーが登場する。そして、ごく自然な感じで、演奏が始まった。ラップトップを操る谷崎テトラと、アメリカン・ネイティヴ・フルートのMark Akixa、SUGIZOのヴァイオリンが静かに音を紡ぎ始める。リズム楽器のないゆるやかな音の集合体は、大地の呼吸を思わせる静かな調べで空間をそっと震わせる。バックに置かれたスクリーンに映し出される地球の映像と、3人の音がまるでシンクロしているようだ。
2005年に活動を始めたS.T.K.は、今まで主に野外で演奏することが多かったという。大自然の中で演奏することが、自分にとっての癒しになると語っていたSUGIZO。今回のように大都会のど真ん中、しかも最先端の近代都市の象徴である六本木ヒルズの高層階で演奏するのは、2008年の夏に続き2回目の経験だったようだ。しかし、大地の息吹や自然の風を感じさせるS.T.K.の演奏は、不思議とこの人工的な空間にマッチしている。
演奏にリズムが加わり、幻想的な雰囲気が徐々にプリミティブなグルーヴに変化していく。SUGIZOは時折ビールを飲んで、リラックスした表情。80パーセントはインプロビゼーションだという演奏は、3人の気持ちの高まりをそのままあらわすように、緩やかなカーヴを描いて高揚していく。SUGIZOのヴァイオリンはロック・コンサートの時と違い、静かな中に熱い炎を内包しているかのようだ。時折エキセントリックな叫びをあげるが、それすらも心地よく身体になじんでくる。
そしてベリーダンサーHayatiが登場し、3人の生み出す音の塊に身体を揺さぶられるように、妖艶なダンスを踊り始めた。音楽とダンス。人間が太古の昔からあらゆる感情を表現するために、駆使してきた2つのツールが、きらめく夜景をバックにひとつに融合する。ライヴ・スペースを取り囲むようにして演奏に聴きいっている観客は、片手にドリンクを持ちながら、思い思いのスタイルで楽しんでいる。
S.T.K.の楽曲は、普通のバンド演奏のように1曲ごとに独立しているわけではなく、最初から最後まで連なる大きな流れになっている。ダンサーとコラボレーションしていた部分がクライマックスで、そこからエンディングに向けて再び沈静化していく。少しずつ音が遠ざかって行き、最後は波の音だけが余韻を残して、S.T.K.の約30分にわたるエモーショナルな演奏は終了した。
この日のライヴは、2回。観客は、SUGIZOのファンはもちろんのこと、スーツ姿の男性、クリエイターらしき集団、外国人と、多種多様。みんな少しだけドレスアップして、特別な夜を楽しんでいる。その自由なムードは、まさにニューヨークのクラブのようにアダルトな雰囲気である。通常のロック・コンサートとは一味違い、SUGIZOのヴァイオリンを間近で聞くことができて、心を躍らせた観客も多かったに違いない。
◆SUGIZOオフィシャルサイト
◆サロン・ド・クロアオフィシャルサイト
大島暁美
◆大島暁美オフィシャルサイト
◆Bijuオフィシャルサイト
◆Bijuオフィシャルブログ
8月28日午後10時。六本木ヒルズ森タワー52Fのマドラウンジで、大人の社交場として毎月第4金曜の夜に開催されているパーティ<サロン・ド・クロア>は、多くの人のざわめきに包まれていた。このパーティは、毎回多様なジャンルからゲストを迎えていて、もうすぐこの日のゲストであるSUGIZO率いるS.T.Kの演奏が、始まろうとしているところだ。
◆東京の夜景に溶け込んでいく、SUGIZOのヴァイオリンの調べ ~写真編~
SUGIZOは、LUNA SEAやX JAPANという日本を代表するロックバンドのメンバーであると同時に、その他にも実に多くのプロジェクトに参加している。ソロ・ワークはもちろんのこと、世界を股にかけて活動するエレクトロ・ユニット「JUNO REACTOR」、サイケデリック・ジャム・バンド「SHAG」。そして、彼がヴァイオリンを奏でるアンビエント・ユニットが、今回のS.T.K.である。
フロアの一角に設けられたライヴ・スペースに、さりげなくメンバーが登場する。そして、ごく自然な感じで、演奏が始まった。ラップトップを操る谷崎テトラと、アメリカン・ネイティヴ・フルートのMark Akixa、SUGIZOのヴァイオリンが静かに音を紡ぎ始める。リズム楽器のないゆるやかな音の集合体は、大地の呼吸を思わせる静かな調べで空間をそっと震わせる。バックに置かれたスクリーンに映し出される地球の映像と、3人の音がまるでシンクロしているようだ。
2005年に活動を始めたS.T.K.は、今まで主に野外で演奏することが多かったという。大自然の中で演奏することが、自分にとっての癒しになると語っていたSUGIZO。今回のように大都会のど真ん中、しかも最先端の近代都市の象徴である六本木ヒルズの高層階で演奏するのは、2008年の夏に続き2回目の経験だったようだ。しかし、大地の息吹や自然の風を感じさせるS.T.K.の演奏は、不思議とこの人工的な空間にマッチしている。
演奏にリズムが加わり、幻想的な雰囲気が徐々にプリミティブなグルーヴに変化していく。SUGIZOは時折ビールを飲んで、リラックスした表情。80パーセントはインプロビゼーションだという演奏は、3人の気持ちの高まりをそのままあらわすように、緩やかなカーヴを描いて高揚していく。SUGIZOのヴァイオリンはロック・コンサートの時と違い、静かな中に熱い炎を内包しているかのようだ。時折エキセントリックな叫びをあげるが、それすらも心地よく身体になじんでくる。
そしてベリーダンサーHayatiが登場し、3人の生み出す音の塊に身体を揺さぶられるように、妖艶なダンスを踊り始めた。音楽とダンス。人間が太古の昔からあらゆる感情を表現するために、駆使してきた2つのツールが、きらめく夜景をバックにひとつに融合する。ライヴ・スペースを取り囲むようにして演奏に聴きいっている観客は、片手にドリンクを持ちながら、思い思いのスタイルで楽しんでいる。
S.T.K.の楽曲は、普通のバンド演奏のように1曲ごとに独立しているわけではなく、最初から最後まで連なる大きな流れになっている。ダンサーとコラボレーションしていた部分がクライマックスで、そこからエンディングに向けて再び沈静化していく。少しずつ音が遠ざかって行き、最後は波の音だけが余韻を残して、S.T.K.の約30分にわたるエモーショナルな演奏は終了した。
この日のライヴは、2回。観客は、SUGIZOのファンはもちろんのこと、スーツ姿の男性、クリエイターらしき集団、外国人と、多種多様。みんな少しだけドレスアップして、特別な夜を楽しんでいる。その自由なムードは、まさにニューヨークのクラブのようにアダルトな雰囲気である。通常のロック・コンサートとは一味違い、SUGIZOのヴァイオリンを間近で聞くことができて、心を躍らせた観客も多かったに違いない。
◆SUGIZOオフィシャルサイト
◆サロン・ド・クロアオフィシャルサイト
大島暁美
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