GYPSY QUEEN、アンコールワットの町でアコースティック・ライヴ

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2009年8月16日、アンコールワットの町カンボジア、シュリムアップで開かれた<Japan Festival 2009 交流式典>。

◆GYPSY QUEEN、アンコールワットの町でアコースティック・ライヴ ~写真編~

会場は、文化村と言われる静かな場所。会場の都合で、ここではGYPSY QUEENのライヴがアコースティックスタイルで行なわれる。しかし会場にはかなりの人、そう会場がいっぱいになるほど人が集まっていた。老若男女、数百人くらいか? ステージに立ったメンバーは、それぞれクメール語で挨拶。会場を盛り上げる。そこにカンボジアの民族衣装、カンボジアンドレスをまとったヴォーカルShinonが登場。会場の盛り上がりはいっそう高まる。

1曲目を終えたあと、MCで「カンボジアは2回目。でもシュリムアップに来るのは初めてだ」と伝える。そして「Sukiyaki」へ。会場全体から手拍子がわき起こり、一体感が生まれる。カンボジア人が多い会場、意味を持つ歌詞を超えて曲と言葉というメロディで繋がる瞬間だ。

そして3曲目「ねずみは米が好き」では、観客が手を振り上げエンジョイし始める。正直、カンボジアの人がこんなにノリがいいとは思っていなかったので驚く。

そして、ラストソング「アラピア」は、カンボジア人なら誰でも知っている曲。軽快なメロディに乗って会場からも歌声がわき上がり、立ち上がる人やダンスを始める人たちも。

GYPSY QUEENは、その国の言葉でその国の曲を歌う。そのためにヴォーカルShinonは各国の言葉のレッスンを欠かさない。その努力があって、いつも会場は最高に盛り上がり熱くなる。今回の旅の前も、ベトナム語とクメール語を必死で覚えるShinonの姿を見た。

日本人だから日本の歌を歌いそれを聴かせる、というのではなく、相手の国の言葉でその国の歌を歌い、懐に入っていくことで相手の心との繋がりのきっかけをつかむというのが、GYPSY QUEENのコミュニケーション方法だ。だからこそアジアの国で受け入れられるのだろう。誰にでもできることではない。ベトナムでのライヴに続き、カンボジアのライヴでGYPSY QUEENの持つ熱で、その国の人がこれまでに経験したことのない気持ちや感情を体験することができたはず、という素敵な瞬間に立ち会った気がした。それは、前回のプノンペンでのライヴで関わった人がわざわざシュリムアップまで彼らに会いに来てくれていたことからも分かる。

会場は「アラピア」の曲に乗ってダンスをする人が溢れ、曲の終わりを惜しむようだ。しかし、時が来て曲が終わる。熱い思いを残したまま心残りを感じながら、ステージを降りる彼ら。アンコールの声が響く。そのとき、きっとまたいつかこの場所に彼らが戻って来るだろうと確信した。

<Japan Festival 2009 交流式典>
・Moonlight&Sunshine
・Sukiyaki
・ねずみは米が好き
・アラピア
Photo by Naomichi Seki
◆GYPSY QUEENオフィシャルサイト
◆GYPSY QUEENマネージャーブログ

[寄稿] 伊藤 緑:◆http://www.midoriito.jp/
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