清春 身に纏うのは、音だけじゃない -- ファッションで見る、ロックのカリスマ --

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清春 身に纏うのは、音だけじゃない -- ファッションで見る、ロックのカリスマ --
「狂った果実」「DARLENE」と、スリリングなシングルを立て続けに撃ち放ったのちのアルバム『madrigal of decadence』。“退廃の叙情短編詩”と意味づけされたこの作品には、どこかしら影を持った音、いや、むしろ影の中から這い出てきたかのような作品が16曲収録されている。

ロックテイストというよりも、ロックも含んだ、より幅広くカテゴライズされた楽曲によるアルバム構成。ゆえに“ロックの頭”のみで作品と向き合っていると、良くも悪くも裏切られることになる。この作品は、清春が“ロック”という服を脱ぎ捨て、清春のままで生み出したような、たとえばストール代わりにユーズドのアメリカ国旗を使うような、枠にはまらない清春らしい、清春にしか許されない作品となっている。

そしてもちろん、1曲1曲は濃厚な音世界の連続。聴いていると、目の前に映るヴィジョンは1曲の中でも次々に変化していき、清春の痛みや叫び、願いや想いがこれでもかとリスナーの身体に突き刺さってくるはずだ。

『madrigal of decadence』── 退廃の叙情短編詩。清春の描いた、めくるめく退廃的な世界の向こうには、いったい何が待っているのか。その続きは、もしかしたら<清春TOUR’09『madrigal of decadence』>で見ることができるのかもしれない。
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