軽やかに更なるステップ、注目のノイゼッツ最新作を追う
シングル「Don't Upset The Rythm (Go Baby Go)」、アルバム『Wild Young Hearts』がUKで大ヒットしたノイゼッツ。2年前にデビューした当時は、インディ・ロック、ガラージ・ロックと称された彼らだが、この2ndアルバム『Wild Young Hearts』では、「Don't Upset The Rythm」のようなダンス・ミュージックだけでなく、フレンチ・ポップスを思わせる洗練されたポップの世界を作り上げた。
いまノリにのっている彼ら、ヴォーカルのシンギーとギターのダンにロンドンで話を聞くことができた。
――まずはバンド名、ノイゼッツの由来を教えてください。Quality Street(UKで人気のチョコレートの詰め合わせ)から取られたと聞いていますが。
ダン:そうだよ。バンドを始めたとき、ジャズだけでなくロック、パンクの要素があったから、ノイズっていう言葉はピッタリだと思ったんだ。それにノイゼッツってQuality Streetの中でも1番人気がないんだよ(笑)。それも気に入った。
――あなた達の音楽にはガレージ・ロック、ダンス・ミュージック、モータウン、フレンチ・ポップなどさまざまなジャンルの影響がみられますが、どんな音楽を聴いて育ったのでしょう?
シンギー:いま言った音楽や、それにアフリカン・ミュージックをたくさん聴いて育ったわ。家や車でいつも流れてた。ジャズもそうね。ニナ・シモンとかビリー・ホリデーとか。
ダン:俺は父親の影響で映画音楽からスタートしてる。ヒッチコックやフランス映画なんかの。それからブルースをよく聴くようになった。ジミ・ヘンドリックスの大ファンだったよ。その後、ジャズにのめり込んだんだ。
――どんな少女でしたか?
シンギー:年中木に登ってるような、冒険好きの子供だったわ(笑)。大家族だったから、いつも何かが起きてて…。新しい友達作るのも大好きだった。いたずらっこだったわ。
――シングル、そしてアルバムの大ヒット、おめでとうございます。業界も音楽ファンも常に新しいものを求めているため、デビュー・アルバムが1番注目されることが多いのですが、あなた達の場合は逆になりましたね?
シンギー:その通りよ。みんな、いなくなっちゃう。
ダン:でも、いつも2ndのほうが良かったりするんだよ。ニルヴァーナもそうだろ。『Nevermind』のほうが断然いい。
シンギー:レコード会社は1stが成功すると2ndでも同じようなものを作らせようとするけど、それは一般にはウケないわ。音楽はいっぱいあるんですもの、同じものを2度作ったってあきられるだけよ。
ダン:そう、それに俺たちは同じものばかりは作れないよ。
――前作とは路線が変わったようですが、それは意図したところですか?
シンギー:私たちはいつも変わり続けたいって思っているの。音楽にはいつもサプライズがあるわ。もともと、わたし達はいろんなジャンルの音楽が好きだし、常に新しいものが出ていてインスパイアされるものがいっぱいある。それにアーティストとして、いつも違った方法で自分を表現したいと思ってるの。
――このアルバムにはなにかテーマがありますか?
ダン:うん、タイトルになってる『Wild Young Hearts』だよ。誰でも心の中に情熱ってものを持ってるはずなのに、それを抑えちゃうとこがある。でも『Wild Young Hearts』って限界がないみたいだろ。それにこのアルバムのトラック・リストは、ちょっと静かな曲で始まって次にアップな曲が来て、また静かなトラックになってまたアップになるっていうふうにアップダウンになってる。恋愛関係や人生に似てるんじゃないかな。
――新作の収録曲はアップビートで楽しいものが多いですが、その元気の源は?
ダン:(胸元を指し)いつもここにあるよ(笑)。
シンギー:それに家族ね。わたしの元気は家族からもらってるわ。いつも一緒にいられるわけじゃないから、会うとすごく楽しいの。こうやって飛躍できるのもしっかりと地に足がついた家族がいるからよ。
――曲作りの過程を教えてください。
シンギー:とくに決まったルールはないわ。3人とも違うアプローチで曲作りに取り組んでる。ツアーでそれぞれが書き溜めてたものを、スタジオに集まったとき組み合わせていくって感じのときもあるし、即興で作って詞が後から誕生するものもある。
――いま音楽はどこにでも持ち歩けるし、アルバムをじっくり最初から最後まで聴く必要がなくなりました。このアルバムはどんな状況で聴いて欲しいと思いますか?
ダン:最初から最後まで聴いてもらいたいって思うけど、いまみんな、そんな時間ないからね。それに、いまはそういう目的でアルバム作ってる人も少ないし…。みんな、シングルだけダウンロードしてiPodで聴くんだろ。でも、このアルバムは映画みたいなものだから、最初から最後まで聴いてもらうっていうのが理想だな。
シンギー:それにもう1つ重要なのは、最近ってみんな音楽を1人で聴いてるでしょ。だから自分のことだけになっちゃって、みんなとの思い出にはならない。昔のアルバム聴いてると、“ああ、これはダンと一緒に聴いたんだ”とか“ジェイミーと車で移動してるときに聴いたんだ”とかシーンが浮かんでくる。でもこの数ヶ月聴いてた音楽には、なんの思い出もないわ。自分一人で聴いてたからよ。だから、もっと音楽をみんなで一緒に聴いて欲しいって思うわ。そして、音楽とそのときのことを一緒に思い出に残して欲しい。
ダン:音楽は誰かとシェアすることで、意味を持ってくるものなんだよ。
――今年はレディー・ガガ、ラ・ルー、リトル・ブーツなど女性シンガーがたくさん出ていますが、共感を覚えるアーティストはいますか?
シンギー:そうね、M.I.A.には共感を覚えるかな。彼女は独自の方法でポップに新しい風を吹き込んでると思う。別のカルチャーを持ちこんだって感じがするわ。それに彼女の歌詞にも共感を覚えるわね。一度、彼女と話したとき“あなたの詞って、うちの母が言ってたことに似てるわ”って言われたことがあるの。だから、彼女との間にはなにか共通点があるんじゃないかな。
――すでに何度か来日していますが、日本の印象は?
ダン:面白かったよ。文化が違うって感じがした。カラオケにも行ったよ。
――これからアルバムを聴く日本のファンにメッセージを。
シンギー:アリガト。
ダン:カワイイ(笑)。
シングル「Don't Upset The Rythm」はUKチャートの2位をマーク。ノリのいいダンス・ミュージックだが、アルバム『Wild Young Heats』にはそれだけでなく、お洒落なフレンチポップス風、繊細なメロディー・ソング、モータウン調、昔の映画音楽のようなトラックまであり、どのトラックも楽しめる完成度の高いポップ・アルバムとなっている。
Ako Suzuki, London
いまノリにのっている彼ら、ヴォーカルのシンギーとギターのダンにロンドンで話を聞くことができた。
――まずはバンド名、ノイゼッツの由来を教えてください。Quality Street(UKで人気のチョコレートの詰め合わせ)から取られたと聞いていますが。
ダン:そうだよ。バンドを始めたとき、ジャズだけでなくロック、パンクの要素があったから、ノイズっていう言葉はピッタリだと思ったんだ。それにノイゼッツってQuality Streetの中でも1番人気がないんだよ(笑)。それも気に入った。
――あなた達の音楽にはガレージ・ロック、ダンス・ミュージック、モータウン、フレンチ・ポップなどさまざまなジャンルの影響がみられますが、どんな音楽を聴いて育ったのでしょう?
シンギー:いま言った音楽や、それにアフリカン・ミュージックをたくさん聴いて育ったわ。家や車でいつも流れてた。ジャズもそうね。ニナ・シモンとかビリー・ホリデーとか。
ダン:俺は父親の影響で映画音楽からスタートしてる。ヒッチコックやフランス映画なんかの。それからブルースをよく聴くようになった。ジミ・ヘンドリックスの大ファンだったよ。その後、ジャズにのめり込んだんだ。
――どんな少女でしたか?
シンギー:年中木に登ってるような、冒険好きの子供だったわ(笑)。大家族だったから、いつも何かが起きてて…。新しい友達作るのも大好きだった。いたずらっこだったわ。
――シングル、そしてアルバムの大ヒット、おめでとうございます。業界も音楽ファンも常に新しいものを求めているため、デビュー・アルバムが1番注目されることが多いのですが、あなた達の場合は逆になりましたね?
シンギー:その通りよ。みんな、いなくなっちゃう。
ダン:でも、いつも2ndのほうが良かったりするんだよ。ニルヴァーナもそうだろ。『Nevermind』のほうが断然いい。
シンギー:レコード会社は1stが成功すると2ndでも同じようなものを作らせようとするけど、それは一般にはウケないわ。音楽はいっぱいあるんですもの、同じものを2度作ったってあきられるだけよ。
ダン:そう、それに俺たちは同じものばかりは作れないよ。
――前作とは路線が変わったようですが、それは意図したところですか?
シンギー:私たちはいつも変わり続けたいって思っているの。音楽にはいつもサプライズがあるわ。もともと、わたし達はいろんなジャンルの音楽が好きだし、常に新しいものが出ていてインスパイアされるものがいっぱいある。それにアーティストとして、いつも違った方法で自分を表現したいと思ってるの。
――このアルバムにはなにかテーマがありますか?
ダン:うん、タイトルになってる『Wild Young Hearts』だよ。誰でも心の中に情熱ってものを持ってるはずなのに、それを抑えちゃうとこがある。でも『Wild Young Hearts』って限界がないみたいだろ。それにこのアルバムのトラック・リストは、ちょっと静かな曲で始まって次にアップな曲が来て、また静かなトラックになってまたアップになるっていうふうにアップダウンになってる。恋愛関係や人生に似てるんじゃないかな。
――新作の収録曲はアップビートで楽しいものが多いですが、その元気の源は?
ダン:(胸元を指し)いつもここにあるよ(笑)。
シンギー:それに家族ね。わたしの元気は家族からもらってるわ。いつも一緒にいられるわけじゃないから、会うとすごく楽しいの。こうやって飛躍できるのもしっかりと地に足がついた家族がいるからよ。
――曲作りの過程を教えてください。
シンギー:とくに決まったルールはないわ。3人とも違うアプローチで曲作りに取り組んでる。ツアーでそれぞれが書き溜めてたものを、スタジオに集まったとき組み合わせていくって感じのときもあるし、即興で作って詞が後から誕生するものもある。
――いま音楽はどこにでも持ち歩けるし、アルバムをじっくり最初から最後まで聴く必要がなくなりました。このアルバムはどんな状況で聴いて欲しいと思いますか?
ダン:最初から最後まで聴いてもらいたいって思うけど、いまみんな、そんな時間ないからね。それに、いまはそういう目的でアルバム作ってる人も少ないし…。みんな、シングルだけダウンロードしてiPodで聴くんだろ。でも、このアルバムは映画みたいなものだから、最初から最後まで聴いてもらうっていうのが理想だな。
シンギー:それにもう1つ重要なのは、最近ってみんな音楽を1人で聴いてるでしょ。だから自分のことだけになっちゃって、みんなとの思い出にはならない。昔のアルバム聴いてると、“ああ、これはダンと一緒に聴いたんだ”とか“ジェイミーと車で移動してるときに聴いたんだ”とかシーンが浮かんでくる。でもこの数ヶ月聴いてた音楽には、なんの思い出もないわ。自分一人で聴いてたからよ。だから、もっと音楽をみんなで一緒に聴いて欲しいって思うわ。そして、音楽とそのときのことを一緒に思い出に残して欲しい。
ダン:音楽は誰かとシェアすることで、意味を持ってくるものなんだよ。
――今年はレディー・ガガ、ラ・ルー、リトル・ブーツなど女性シンガーがたくさん出ていますが、共感を覚えるアーティストはいますか?
シンギー:そうね、M.I.A.には共感を覚えるかな。彼女は独自の方法でポップに新しい風を吹き込んでると思う。別のカルチャーを持ちこんだって感じがするわ。それに彼女の歌詞にも共感を覚えるわね。一度、彼女と話したとき“あなたの詞って、うちの母が言ってたことに似てるわ”って言われたことがあるの。だから、彼女との間にはなにか共通点があるんじゃないかな。
――すでに何度か来日していますが、日本の印象は?
ダン:面白かったよ。文化が違うって感じがした。カラオケにも行ったよ。
――これからアルバムを聴く日本のファンにメッセージを。
シンギー:アリガト。
ダン:カワイイ(笑)。
シングル「Don't Upset The Rythm」はUKチャートの2位をマーク。ノリのいいダンス・ミュージックだが、アルバム『Wild Young Heats』にはそれだけでなく、お洒落なフレンチポップス風、繊細なメロディー・ソング、モータウン調、昔の映画音楽のようなトラックまであり、どのトラックも楽しめる完成度の高いポップ・アルバムとなっている。
Ako Suzuki, London
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