ONE☆DRAFT、挑み続ければ必ず夢をつかむことができる熱いナンバー「情熱」リリース大特集

ポスト

[BARKS FEATURE] ONE☆DRAFT 6thシングル「情熱」リリース大特集

熱くプロ野球を盛り上げる情熱のアンセム 日本テレビ系「PRIDE&SPIRIT 日本プロ野球2009」イメージソング

夢に挫折しても 情熱を持ち続ければ 新たな夢がつかめる

INTERVIEW

――新曲「情熱」は日本テレビ系「PRIDE&SPIRIT 日本プロ野球2009」イメージソングとして、すでにガンガン流れていますけれども。シーズン開幕前には、巨人の監督でWBCの優勝監督でもある原監督を3人が表敬訪問した様子が、スポーツ誌で大きく報道されていましたね。

LANCE:一瞬の出来事で、ほとんど会話はできなかったんです。すごい忙しい方で、ちょっとした時間にスタッフから「この隙に行ってください!」みたいな感じで(笑)。WBC前って、そんなに「原さん原さん」という感じではなかったと思うんですけど、WBC優勝をきっかけにすごいことになってますね。きっかけで変わるんだなって、俺はけっこう冷静に見てました。

――タイアップということで、先方からのリクエストはあったんですか?

LANCE:特にないです。周りの動きを見て曲を作って「じゃあタイトルは“情熱”かな」というんじゃなくて、まず「情熱」という言葉をボーンと置いて、そこから生まれてきた感じですね。あまり野球に偏りすぎるよりも、ほかのスポーツや、仕事を頑張るサラリーマンや、そういう人に共通するのはやっぱり「情熱」かなと思ったので。ただ僕らは野球をやってたんで、どうしても野球に戻ってしまうところがあるんですけど、たとえばバッターボックスに入る時に「ヒット打つぞ」というより「ホームランか三振か」みたいな気持ちで俺はやってたんですよね。それと同じように、三振してもいいつもりで曲を書こうという気持ちはありました。…ちょっとカッコいいこと言いましたけど(笑)。

――できあがるまでは早かったですか。

LANCE:今までリリースした曲の中では、一番早かったですね。1時間とか2時間ぐらいでスラスラ書いて、単純といえば単純な曲ですけど、付け加えることは何もないと思ったので。これでいい反応があれば「間違ってなかったな」みたいな、結果待ちみたいな感じでした。大体は戻ってくるんですけどね(笑)。「ここをこう変えてほしい」とか。でも今回はそれがなくて、「いいですね」という反応が、キャッチボールのようにスパーン! と返ってきました。

――作詞作曲とアレンジのほかに「original track by DJ MAKKI」というクレジットがありますけど、MAKKIさんはどんなふうに曲作りに参加したんですか。

DJ MAKKI:LANCEが僕の家に来て「こんな感じ」って弾いたものを、話し合いながら「もっと疾走感をつけて」とか「ロックっぽくして」とか、曲の構成を考えながら、遊び心のある面白いビートを付け加えてみたりとか、トラックに対しての僕なりの情熱をそこで表わしてみました。それで最後にアレンジャーさんにアレンジをしてもらったという感じです。

――スカっぽい明るいビートですけど、これは最初から?

DJ MAKKI:いや、最初はもっとミクスチャーっぽかったですね。

RYO:かなりロックっぽいノリなので、「俺にうまく出せるかな?」とちょっと思ったんですけど。スカっぽいビート感になって、入りやすくなったおかげで、ライヴでもワーッと行ける曲になりましたね。先日プロモーションビデオを撮ったんですけど、それもすごくて、次の日は動けなかったですね(笑)。

DJ MAKKI:俺もベッドから起き上がれなかった(笑)。

RYO:ライヴでは、この1曲で体力が尽きないように気をつけないといけない(笑)。それぐらい熱い曲です。

――歌詞はLANCEさんのものですけど、歌っていてどんな気持ちになりますか。

RYO:すごくLANCEらしいですよね。野球をやってた当時を思い出しました。

LANCE:今回は、詞の書き方が違うんですよ。今までは、歌詞を追って聴きながら状況描写をしていくというイメージで作ってきたんですけど、今回はポンポンと単語が耳に入ってくるような感じで、メロディに合う言葉を考えて、ハマればそれでOKっていう感じでやっていったので。さっき言ったように、曲の作り方も今までと違うんですけど、詞の内容もそうですね。

――一度聴いたら覚えてしまう、すごくキャッチーな詞とメロディだと思います。ところで余談ですけど、それぞれ応援している球団は?

LANCE:3人とも好きなチームが違うんです。僕は地元が九州なのでソフトバンクで。

DJ MAKKI:僕はちっちゃい頃に、新聞屋さんから日本ハムのチケットをよくもらっていたので、必然的に日ハムファンです。先輩もいるし(*帝京高校野球部出身・森本稀哲選手)。

RYO:今はファンと言えるチームはないんですけど、昔はバファローズが好きでした。野茂がいた時代ですね。でも親父もおじいちゃんもみんな巨人ファンだったんで、ちっちゃい頃からテレビで見てたのはジャイアンツの試合ですよね。

LANCE:そうやって一人一人違うんですけど、ジャイアンツの宮崎キャンプに行って選手と触れあったり、今回も原さんに会ったり、球場に呼んでもらって観戦したり。そこで自分たちの曲が流れて、ジャイアンツが試合をしているというのを肌で感じると、自然に好きになっていきますよね。ジャイアンツが負けてると「頑張れ!」とか「打てよ!」とか思うし、それはすごく素直な気持ちだと思うんですね。無理やり「巨人を応援してください」って言われたら絶対断ったと思うんですけど、こうやって自分から素直に好きになれているから、曲を作ってよかったなと思うし、僕らみたいなものを使ってくれたことを光栄に思ってます。だって、2008年(のテーマ曲)がマライア・キャリーですからね(笑)。

――あはははは。負けてないですよ。

LANCE:しかも対等に話ができたんですよ。「こういう曲を作れ」とかじゃなく、僕ら3人が歩んできた野球人生を「今の日本のプロ野球の世界に音楽として注ぎ込んでくれ」と言われたので、気持ち的にもすごくスムーズに入り込めて、「やってよかったな」という気持ちがどんどん強くなってます。…実は僕は、高校時代には正直嫌な思い出が多いんですけど、今になって、あの高校に行ってよかったなと思うようになったんですよ。3人が出会ったのもそうだし、高校時代に野球を諦めたのも、音楽を真剣に始めるきっかけになったわけだし。もしも帝京高校の野球部に行かないで、もっと弱い高校のチームでそこそこの成績を残していたら、大学でも野球をやっていたと思うし…。いろんなことが今になって、いい形で着地した感じがするんですよ。「情熱」という曲を作ることで、「やっと野球に終止符を打てたな」という気持ちがあるんです。

――それは…すごく重い言葉だと思います。

LANCE:あんまりこういうことは言わないんですけど、実はけっこう重い1曲で、それがサラッとできたことが逆に悔しいんです。今まで、「次はどんな曲を作ろうか?」ってあんなに苦労してきたのは何だったんだ?って(笑)。だから原さんがどうとか、WBCがどうとかというよりも、この曲ができたことで、すごい落ち着いた気持ちがあるんです。これで野球に終止符を打てたと思うし、今更ながら、親に恩返しした気持ちがあります。昨日、本当にたまたま、夜中に母親と電話してたんですよ。僕が体を壊して野球のできない体にされたって、うちの親父は高校の監督にすごい因縁を持っていて…ガキの頃から親父が監督で、ずっと二人三脚で野球をやっていたんですけど、帝京高校は「すべて高校に預けてくれ」というところだから、預けたらそんなことになった…みたいな。それで今は「音楽なんかやりやがって」みたいな感じがあったんで(笑)。

――親の気持ちとしては、そうかもしれないですね。

LANCE:でも昨日母親と電話で話しながら、すべてはそこから始まっていたんだと思ったんですよね。帝京高校に行ったおかげでこの3人が出会って、野球をやめたことによって音楽の世界に入ったし、有名な「帝京高校野球部」という肩書きがあるからこそ、今はそれをうまく利用してこういう仕事も来たじゃないかと。すべてが、小学校で野球を始めた時点で今日につながってたんじゃないか、っていう話をずっとしていて。今やっと、僕の野球生活に結果を出せたのかなと思います。…この話、録音してほかの取材にも使ってもらっていいですか?(笑)。

RYO:また同じことを言うのが面倒くさいらしい(笑)。

LANCE:そう。たぶんもう、同じ話はできないです(笑)。

――いや…感動しました。すごくいい話だと思います。

LANCE:僕だけじゃなくてほかの2人もそうだと思うし、運命だと思うんですね。全部がつながってるんだなっていうのが、この曲を作って、初めて実感としてわかった気がします。

取材・文●宮本英夫

この記事をポスト

この記事の関連情報