ピアノもハイブリッドな時代に。ヤマハ AvantGrand(アバグランド)シリーズ

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ヤマハがハイブリッドピアノとしてAvantGrandシリーズを発表した。

ピアノメーカーは数多くあれど、アコースティック・ピアノと電子ピアノを共に開発しているメーカーは意外と少ない。クラシックの伝統を重んじる考え方と、現代のデジタル技術を駆使した、値段やサイズ的にも一般層にもマッチする電子ピアノとでは、そもそもの構造の違いからも、別の楽器として扱われがちだ。

ヤマハはその両方を開発している数少ないメーカーのひとつ。100年以上の時を経たピアノ作りのノウハウと21世紀の最新技術を、新たにひとつのプロジェクトに融合、<トータルピアノ戦略>を立ち上げ、生まれたのがAvantGrandシリーズだ。「グランドピアノを身近な存在に、弾きたいときに、弾きたいように、弾きたいだけ」をコンセプトに掲げ、5月15日に上位モデル『N3(エヌスリー)』、7月15日に奥行きを短くしたモデル『N2(エヌツー)』を発売する。

<トータルピアノ戦略>を通して、新たにアバングランド・テクノロジーの数々が開発されたが、ここではAvantGrandシリーズの特徴的なポイントを紹介しておこう。

●グランドピアノアクション機構を採用
グランドピアノと同じハンマーアクション機構を搭載。鍵盤の動きとハンマーの動きを捉え、打鍵の強弱やタイミングの微妙なニュアンスを表現できるセンサーを採用。素早いトリルなども、演奏者の感覚をそのまま表現できる。グランドピアノと同じ木製鍵盤を採用。

●繊細なペダルの操作感を実現するグランドピアノペダル(『N3』に搭載)
ペダルを踏み込む過程での軽さ、重さを再現。その微妙な感触を生かす上級者も、忠実に演奏を再現できる。ハーフペダルを多用する印象派の曲もイメージそのままの演奏が可能。

●スペーシャル・アコースティック・サンプリング/スピーカーシステム
ヤマハグランドピアノ最上位機種である『CFIIIS』を、左、右、センター、リアの4箇所でサンプリング。従来のステレオ2点でのサンプリングではなく、“面”で捉えることにより、響板の自然な響きを再現。スピーカーの配置にもこだわり、高・中・低域のスピーカーに専用アンプを搭載、グランドピアノの音の奥行き感を再現している。

●打鍵時の振動を体感できる「タクタイル・レスポンスシステム」
特に低音域を弾く際にボディ全体に伝わる、鍵盤やペダルから感じとることができる振動を再現。従来のスピーカーを内臓していない機種や、スピーカーを搭載していてもヘッドホンで演奏する際に感じることが出来なかった振動を、リアルに体感できる。

発表会ではピアニスト、仲道郁代のミニコンサートも行われ、ショパンの「幻想即興曲」、ベートベンのピアノソナタNo8「大ソナタ悲愴」第2楽章など、計4曲が披露された。音の印象は、まさに目の前にあるグランドピアノ。サンプリングされた音というのが信じられなかった。仲道本人も「まさにグランドピアノ。調律が狂わないのが不思議に感じる。フルグランドには及ばないものの、電子ピアノに馴染まなかった人にも薦められる。家庭や学校など、生活のすぐそこにあるグランドピアノとして使ってほしい」と評価。

アメリカでは驚きと賞賛を浴び、伝統を重んじるヨーロッパでは、冷ややかな部分もありながら、電子ピアノの範疇ではないという評価を獲得しているAvantGrandシリーズ。ピアノという歴史と伝統の楽器に、新たな時代の幕開けがやってきた。

『AvantGrand N3』1,481×1,195×1,014(屋根を開けた場合:1,734)、199kg
¥1,522,500(税込)5月15日発売
『AvantGrand N2』1,471×531×1,009(譜面立てを立てた場合:1,181)、142kg
¥1,102,500(税込)7月15日発売
・最同時発音数 256
・音色数 5(ピアノ×2、エレクトリックピアノ×2、ハープシコード×1)
・リバーブ、メトロノーム、テンポ、トランスポーズ、チューニング、スケール:7、録音・再生機能
・ヘッドフォン×2、MIDI:IN/OUT、AUX IN/OUT、USB端子
・高低自在イス(収納スペース付)、キーカバー

◆AvantGrand スペシャル・サイト
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