IKU、粉雪のように淡く、澄んだ空気のように怜悧で、そして暖炉のように暖かい1stアルバム『ユアウエア』リリース大特集

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[BARKS FEATURE] IKU 待望の1stフルアルバム『ユアウエア』リリース大特集

純真無垢な声となめらかなメロディ すべての人を癒す純粋なオンガク それが収められた宝物のアルバム

IKU 1stフルアルバム 『ユアウエア』2009年3月25日リリース[限定盤] GNCL-1198 \3,500(tax in) ※PV収録DVD付き
[通常盤] GNCL-1199 \3,000(tax in)
  • 01.introduction
  • 02.木の芽風
  • 03.ささやかなこと
  • 04.悲しい星座
  • 05.音のない夜空に
  • 06.under the bed
  • 07.The Winds of Change
  • 08.Rimless~フチナシノセカイ~
  • 09.ハルカナセカイ
  • 10.夕闇過ぎて
  • 11.Fine
  • 12.誓い言~スコシだけもう一度~
  • 13.金魚と泡粒
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いろんな歌を演じだり表現することは大事にしながらも、やっぱり“私らしさ”はキチンと出したかったんですよね。

――ただ、「金魚と泡粒」って曲だけじゃなく、歌詞もIKUさんじゃないですよね。そういう曲でアルバムをシメることに抵抗はありませんでしたか?

IKU:あえて“歌い手”として世界を表現するということに徹した曲を持ってくるのも新鮮だろうし、この曲が持つ力だとか世界観が私の目指すところとリンクしている気もしたんです。なんか……静かに深く感動したんですよね。過剰にメロディがドラマティックなわけではないけれど、温かいのにちょっと冷たいみたいな。制作が最後だったから今までの想いが積み重なった部分もあって、ラストにはふさわしい曲じゃないかなと。

――自分で中から生まれた言葉と、人が書いた詞。その両方を歌うことで、得られたものも大きかったのかもしれませんね。

IKU:そうですね。自分で書く場合、どうしても歌ったときに気持ちのいいフレーズや乗せやすい言葉を選ぶ傾向があるんですけど、そういうことが全くないニュートラルな状態で曲と対面できたことで、“こういうのもアリなのかな?”っていう選択肢を増やせた気はします。同じことが曲にも言えるんですよ。いろんな人が作った楽曲に接して、自分では想像できないサビだったり、メロディの持って行き方、コードの付け方を学ぶことができたので、それを今後書く曲や詞にフィードバックさせていきたいですね。

――ところで、『ユアウエア』というタイトルは、どこから付けられたものなんですか?

IKU:これはアルバム制作も終盤に差し掛かったころにポンと浮かんだ言葉で、まず語感が好きだったのが一つと。あと、実はダブル・ミーニングにもなっているんですよ。一つ目は“あなたの洋服”という直訳通り、いろんな作家さんが作るお洋服=IKUというイメージを、私なりにどう着こなしていこうかという意味での“ユアウエア”。二つ目は、本当に収録曲のヴァリエーションが豊富なので、その日の気分でお洋服を選ぶように、聴く人が曲を選んでくれたらいいなと。例えば“今から行くぞ!”ってときは「The Winds of Change」がいいだろうし、家でくつろぎたい日には「ささやかなこと」をノンビリ卵でも食べながら聴いてもらいたいし、雨に打たれたいくらい悲しいときは「悲しい星座」を聴いて、そのまま一緒に! みたいな(笑)。言うに言えない思いを抱えてるときは「金魚と泡粒」がピッタリでしょうね。どちらにしても、お洋服って常に着ているものなので、このアルバムを常に傍に置いていてほしいという願いも込められています。

――スカートからパンツから、いろんなお洋服が入ってるアルバムですよね。でも、着ているのは全部IKUさん自身。

IKU:そうなんです。それに同じ服でも気分によって違うように見えるところも、音楽に通じると思うんですよ。例えば、普段聴き流してた曲が今日は心に沁みるとか、去年は何とも思わなかったのに、今年は心に来るとか。そんなふうに私のいろんな面を見てもらえる……つまりは長く聴いてもらえるアルバムになればいいなぁと。私自身、アルバムを作ることで自分と向き合えて、次に作りたいものや未来に対するイメージの輪郭みたいなものがハッキリした気がするんですね。今までシングルが出来るたびに達成感はあったけれど、与えてもらうばかりで自分から能動的に行動した部分が薄かったなっていう反省も正直あって。でも、今はホントに“曲を作りたいな”と思えるし、何かが自分の中から出てきそうな気がするんです。そう感じられるようになったのは大きな収穫ですね。

取材・文●清水素子

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