IKU、粉雪のように淡く、澄んだ空気のように怜悧で、そして暖炉のように暖かい1stアルバム『ユアウエア』リリース大特集
- 特集TOP
- >>INTRVIEW
- >>IKUに50の質問
- 1
- 2
いろんな歌を演じだり表現することは大事にしながらも、やっぱり“私らしさ”はキチンと出したかったんですよね。
IKU:いえ、こんなに早い段階でアルバムを出させてもらえるとは思わなかったので、まずビックリするのが先に立っちゃって。ただ、シンガーソングライターとして自分の曲を中心に発表してきたシングルとは別に、“歌を歌う”という面で違った顔を見せられる作品にしようという話はありました。だから、今回は自分や高瀬(一矢)さんが作った曲をベースにしつつ、他の方にもたくさん楽曲を提供してもらってるんですよ。自分以外の人間が書いた詞を歌うことにも初めて挑戦させていただきましたし、それぞれの作家さんがイメージするIKUをどう演じるかというところは、強く意識しましたね。
IKU:そう言っていただけると嬉しいです。「木の芽風」はすごく大事なデビュー曲なので、最初に持ってくることは最初から決めていたんですよ。「ささやかなこと」はノンビリした曲調に合わせて身近にある確かな幸せを書いた曲。そして「悲しい星座」にはIKUという枠に収まりきらないスケールの大きさを感じてしまって。メロディ・ラインがジャポンなイメージだったので、歌詞も輪廻とか仏教っぽいものにしようかと思って挑戦したんですけど、やっぱりテーマが壮大すぎて私の身の丈では間に合わなかった(笑)。でも、スケールの大きさはキープしたかったから、生まれ変わりはモチーフとして残しつつ、悲しい恋の物語に仕上げてみました。で、いろんな歌を演じだり表現することは大事にしながらも、やっぱり“私らしさ”はキチンと出したかったんですよね。だから、あまりキャラっぽくなりすぎないように心がけたところもあります。
IKU:あ、良かった。そのへん、どうしても自分では客観視できないんですよね。例えば、お化粧をしてて“今日の眉は今イチ!”って思っても、周りはちっとも気づかないみたいな(笑)。自分では違う人の声のように聴こえるのに、“全然IKUちゃんだよ”って言われたりもしたんで、そんなに“自分らしさ”に対して気負わなくてもいいのかなとは、制作を通して思えるようになりましたね。私が歌えば、それで既にIKUなのかなぁと。
IKU:7曲目の「The Winds of Change」かな。アルバム制作で一番最初に歌入れした曲ですし、テンポの良い軽快な曲調とあいまって“これから物語が始まる!”的な思い入れはありますね。だから「木の芽風」の次に持ってこようかなとも考えてたんですけど、高音域で声をパーンと張って歌っているうえに、こういうビートの速い曲は多くないので、序盤に持ってくると目立ちすぎるんですよ。それで場面切り替え的な感じで真ん中に置いて、良いスパイスになればいいなと。逆にラストの「金魚と泡粒」は、デモを聴いた時点で泣けちゃうくらい好きだなと思った曲。私、シンセや打ち込みと同じくらい生の音が好きなのに、そういう生音のバンドが入る曲って今まで歌ったことがなかったんですね。だから今回、この「金魚と泡粒」や9曲目の「ハルカナセカイ」で、バンドの温かみある音の中で歌うという挑戦ができたのは、本当に嬉しいです。
- 特集TOP
- >>INTRVIEW
- >>IKUに50の質問