後藤真希ファッションのポイントは“テンションノート”のようなアイテム使い

ポスト
SWEET BLACK feat. MAKI GOTOの最新楽曲「Lady-Rise」のPV映像、および後藤真希の素顔に迫るWeb番組『Unrecorded』の第6回が公開された。

楽曲については前回お伝えしたとおり。SWEET BLACKプロジェクト第2弾は、マンガ家・桜沢エリカとのコラボレーション。彼女の同名の漫画を受けて後藤真希が描くその後…のような形で歌詞は展開する。

ブラックミュージックのテイストを含んだ「Lady-Rise」。PVはピンク&ブラックをメインカラーに、彼とのデートを前に服選びに迷う女の子を後藤真希が演じている。何パターンも着替えていくというセクシーな作品で、時折見せる悪戯な視線とともに、これなら“彼もドキッ”とせざるを得ない(こういう微笑みにオトコは弱い)。

一方、Web番組『Unrecorded』の第6回では、PV撮影の裏側に迫るとともに、後半では、春物の洋服を買いに出かける後藤真希を追っかけている。場所は、渋谷PARCO Part1にあるセレクトショップ「VIVIER」。以前、BARKSが後藤真希の私服スタイルをチェックした時に、彼女が “気に入りのお店” として名前を挙げていたショップだ。“カワイイ”を連発しつつ迷いながら洋服を購入し、テンションが上がっている彼女の姿など、後藤真希の素の部分が引き出されており、なかなか面白い映像になっている。

さて、前作「Fly away」に引き続き、BARKSでは、SWEET BLACK feat. MAKI GOTO楽曲のPVで後藤真希が着用している衣装について紹介しよう。「Lady-Rise」のPVでは、5パターンの衣装を後藤真希は着こなしている。そしてそこには、実は細かいところまでさまざまなこだわりが施されている。たとえば、一番最後のシーン、彼とのデートのためにドレスアップした、大きなリボンが印象的な後藤真希の衣装について、スタイリスト吉田奈緒美 氏の解説を見てみよう。

   ◆   ◆   ◆

ファー&スパンコールドレス(greenday)
クロスピアス(TARINA TARANTINO)
スパンコールリボンハット(WHITTALL&SHON)
エナメルパンプス(Pleaser) 
そのほかスタイリスト私物

「デートに出かける」がテーマとしてあったので、ゴージャスなイメージで2009年の流行のひとつ'80s風の雰囲気が出せる様にスパンコールのドレス2点がセレクトされました。真希ちゃんと “帽子は、コレがいいかな? アクセサリーは、これかな?” と相談しながら決めました。最後には、真希ちゃんらしいカッコかわいいステキな女性に変身。

◆そのほかの「Lady-Rise」ファッション解説、画像

   ◆   ◆   ◆

「Lady-Rise」のPVを観てわかると思うが、後藤真希のファッションを、たとえば女性誌の系統で言い表そうとしても非常に難しい。実際、アイテムのひとつひとつをとってみても、振れ幅の広いチョイスになっており、独自性、異端性、世界観、エンターテインメント性がバランスよく表現されている。

ひとついえることは、彼女の衣装は、周りのオトコからの視線も意識したものではなく、あくまで女の子から見て“カワイイ”“カッコイイ”“着たい”と思えるようなアイテムを選んでいるということ。ファッションの採用基準において、“王道の赤文字雑誌”で取り上げられるような(いい意味で)“男性からも受けるアイテム”という要素はそれほど高くない。これは、身に着けるものひとつひとつに対して、後藤真希がスタイリストと相談して“女の子が身に着けたいアイテム”“後藤真希が着たい服”を決めている、という点が大きく反映された結果だ。そしてこれは同時に、“好きなことで生きていく”という“SWEET BLACK”のコンセプトとも重なる。

確かに、オトコ目線でみるとドキッとしてしまうような、ホワイトのコルセット姿など、露出高めの格好もPV映像では披露している。ただ、それが、いわゆる“エロ”というカテゴリーに分類されるものかというと、一概にはそうとは言えない。なぜか? それは、コルセットがレースであったり、同じくレースのレッグウォーマーやシルクアイマスクを合わせてあったりと、モダンでクラシックな要素を持つアイテムを同時に用いているから。これによって、ただ露出の高い“エロ”ではなく、“エレガント”や“キュート”へ、ベクトルを大きく振ることに成功している。

ずばり、後藤真希のファッションのポイントは、小物使い。ベースのイメージとなる服装に、違った“色”を持つアイテムをプラスして、そのイメージをさらに際立たせたり、もしくはぜんぜん別の方向性に持っていったり。音楽的に彼女のスタイルを表現すると、基本となる3和音に、響きを豪華にしたり、憂いや緊張感を持たせるために7度上や9度上のノート(音符)を足すセブンス、テンションコード(※1)。まさにこの7度、9度のノートこそが彼女のスタイルを作り上げているといえるだろう。

モデルデビューを飾り、ランウェイを堂々と闊歩。集まったオーディエンスの女の子たちはもちろん、関係者からも好評だった<東京ガールズコレクション>や、シークレットモデルとして会場を大いに沸かせた<神戸コレクション>。会場で、モデル・後藤真希に憧れを抱いた女の子たちも多いはず。後藤真希のファッションテクニックは、そんな女の子たちも普段のスタイルに十分応用できるだろう。

ただ、同時にこれは、バランスの取り方がかなり難しいものでもあることに違いはない。そしてこの絶妙なバランスこそが、後藤真希をほかのどこにも混じらない、誰とも同じでない、唯一無二な凛とした姿として形成している要素なのだ。

(※1)…たとえば、「C(メジャー)」というコードに短7度上のB♭の音を足すと「C7」。さらに9度上の「D」を足すと「C9」という風に、複雑で繊細なコードの響きとなる。後藤真希をたとえるなら、ひとつのコードの中にメジャーとマイナーの組み合わせが混在するお洒落な響きのCmaj7といったところだろうか。

▼MAKI GOTO / Unrecorded ~好きなうたで生きていく~ #6

▼SWEET BLACK feat. MAKI GOTO / Lady-Rise WEB用CM


◆後藤真希 オフィシャルサイト
◆SWEET BLACK(※mixiアカウントが必要です)
◆81.3 FM J-WAVE : SWEET BLACK GIRLS
この記事をポスト

この記事の関連情報