マイア「女の子はシュガーとスパイスが必要ってことなの」
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──前作『Moodring』から実に5年もの月日が経ちましたが、その間どのように過ごされていましたか?
マイア:Motown/Universalから『リベレイション』というアルバムをリリースして(ダウンロードのみで一瞬リリースされた)、ダンス・スタジオなどいくつか会社を設立して、夏にワシントンDCでダンスを教えてたわ。それからエンジニアの学校に行ったわ。曲をプロデュースしたり、自分でレコーディングできるようにね。ライブも結構やってたわ。あとは、音楽を作ったり、ライブ活動をしていたの。
──プライベートで5年前と比べて変わったことはありますか?
マイア:ネコを飼うようになったくらいかしら。
──2007年『リベレイション』というタイトルでアルバムが出る予定でしたが、残念ながらお蔵入りとなってしまいました。その理由を言える範囲でいいので教えてください。
マイア:ビジネス上の問題よ。Motown側が契約を破ったから、契約を解除したの。
──『リベレイション』を今どう捉えていますか?
マイア:あの頃の自分をよく反映してる作品だと思うわ。あのアルバムを作ったのは、とても経験になったわ。
──今作『シュガー&スパイス』に関して教えてください。
マイア:制作を始めたのは9月。“シュガー(甘さ)とスパイス(刺激)がある人生は素晴らしい”っていう言葉があるの。女の子はシュガーとスパイスが必要ってことなの。このアルバムには、シュガーがちょっと、スパイスがちょっと入ってて、MYAの2つの面を知ることが出来るわ。
──先行シングルに「Paradise」を選んだのはなぜですか?
マイア:リスニングセッションでファンに曲をいくつか聴いてもらって、「Paradise」が選ばれたのよ。
──この曲をプロデュースしたChris“Riddim Fingaz”Garveyは日本人には馴染みのないプロデューサーですが、どんな方ですか?
マイア:彼はレゲエをたくさんプロデュースしてるわ。ジャマイカ出身で(マイアミ在住)、キマーニ・マーリー、ショーン・ポール、ウェイン・ワンダーとかとよく仕事をしているわ。Guitar Center(LAの有名楽器店)で私が機材を買っている時に、彼の兄弟に会って電話番号をもらったの。Riddim Fingazのことも彼からちょっと聴いたわ。私もRiddim Fingazのことは知らなかったんだけど、すばらしいプロデューサーだってことが分かって、しばらく経ってから彼に電話をしてみたわ。Riddim Fingazはすごく存在感があって、素晴らしい才能の持ち主よ。いろんな楽器をプレイするの。彼は今、ちょうどウェインワンダーのアルバムのプロデュースしてるわ。
──その他の曲の詳しいクレジットがないのですが、どのようなプロデューサーが参加しているのですか?
マイア:オハイオ州クリーブランド在住のYONNYっていう若手のプロデューサーが参加してるわ。彼はリル・ウェインやトリーナのようなラッパーのプロデュースを多く手がけてるんだけど、R&Bも得意なの。彼とは2年前から一緒に仕事をしてるわ。それから、UKのシンガーソングライター/プロデューサーのスティーヴィー。彼には2曲プロデュースしてもらったわ。
──ダイアナ・キングの「Shy Guy」をカヴァーしようと思った理由は?
マイア:幼い頃のお気に入りの曲だったのよ。レゲエ・モードに入ってたから、だからそういうフレーバーを入れたかったの。そういうレゲエのフィーリングがあって楽しいものをいくつか入れたいって思ったの。あの曲はとても人気があったし。それに今っぽさを加えてみたわ。すごく楽しい曲で、sugarちょっとと、spiceちょっとっていうのをよく表してると思う。
──「Must Be The Music」など、80'sテイストの曲も収録されていますが、このようなテイストの曲を入れようと思ったのはなぜですか?
マイア:ダンスが好きだし、パーティも好きだからよ。みんながエンジョイできる曲を作りたかったの。あと、70'sの曲も作ったわよ。
──今作ではラップを披露してますが、トライしてみての感想は?
マイア:自分のことラッパーだとは思ってないのよ(笑)。あれはしゃべってるって感じかしら。歌ってない時に自然にリズミカルに出てきたものなの。シンガーがラップする時があるけど、ラップしてるって思ってないでやってる時もあるのよ。私はラッパーじゃないから(笑)。これもまたアルバムに入ってるいろんなフレイバーのひとつよ。
──では、今、ラッパーと共演するとしたら、誰としたいですか?
マイア:エミネム、T.I.、ヤングジョックかしら。あと、ソルトンペパが大好きだったから彼女たちと80'sソングをやりたいわ!
──今のあなたの心境が最も反映された曲はどれですか?
マイア:「Cry No More」って曲があるんだけど、この曲では私のセンシティブで傷つきやすい部分を表してるわ。アルバムのほとんどは、自身に満ちてて楽しい曲なんだけど、この曲は本当のフィーリングを曲にすべてさらけ出したものなのよ。男性に自分が苦しみに耐えてることを認めているの。彼に一緒に居て欲しいから。「Cry No More」はすごくパッションがある曲ね。
──あえて1曲挙げるとするとどの曲が最もお気に入りですか?
マイア:うーん…それは難しいわ。じゃあ、アップテンポと…それぞれ選ぶわ。アップテンポでお気に入りの曲は「Back to Disco」。なぜなら、私はずっと70年代に生きたかったって思ってから。どんなだったか知りたいのよね。両親のアフロヘアでプラットフォームシューズやベルボトムをはいてる写真とか見てそう思ってたの。ミッドテンポのお気に入りは「Ego Trippin」。女性が謝るシチュエーションであまりないでしょ(笑)。男性の方が何かやらかして謝るパターンが多いから。この曲では私が自分が間違ってたって認めるの。で、バラードのお気に入りは「Cry No More」。
──このアルバムを通して、リスナーにはどんなことを感じとって欲しいですか?
マイア:いろんなフィーリングを感じ取って欲しいわ。あとは楽しんで欲しいわ。私がどう思うかばかりを表現して憂鬱な感じにはしたくなかったの。MYAはどんな人間かっていうのを分かってもらうようにハッピーな感じにしたわ。私は他の人たちに共感してもらいたいし、その人たちのことを考えて自分の経験を語ったわ。すべての人に楽しんでもらえると思うの。楽しい曲もあるし、リアルなシチュエーションの曲もあるし、セクシーな曲もあるし(笑)。心が熱くなる曲もあるわ。バラエティーがあると、その人のエッセンスを感じ取ることができると思うの。私たちはみんな違うし、毎日いろんな経験をしているでしょう。
──あなたが音楽活動を続けていく上で一番大事にしていることは?
マイア:スタジオに入る時は、曲を作ることではなくて、パフォーマンスすることを考えてるわ。オーディエンスの前でどうやって歌うかとか、何を言ってオーディエンスの気をひいてパフォーマンスに参加させるかとかね。オーディエンスが簡単にリピートできるフレーズを入れるとか。たくさん言葉は使わなくてシンプルなんだけど、深みがあるバランスの取れた曲を作るようにしてるわ。
──女優業も多忙なマイアですが、女優としての直近の活動内容や、これから公開する、または撮影に入る映画などがありましたら教えてください。
マイア:『Love For Sale』という作品が2ヶ月後に公開されるわ。楽しい仕事だったわ。撮影に入る映画もいくつかあるわよ。でも、それはまだ話せないわ(笑)。
──女優業がシンガー活動に活かされることはありますか?
マイア:女優業はビデオに似てるわ。ストップとスタートがあって、エディットをするから。アルバムを作る作業にも似てるわね。部分的に作ることができるでしょう。だけどライヴ・パフォーマンスは違うわ。すべてがライヴだから。シアターはもちろん、コンサートもね。私はライヴが一番好き。オーディエンスと交流できるし。オーディエンスが関わると、ショウは毎日違うものになるわ。映画はあとからいろんなものを付け足したりエディットできるから。
──これから挑戦してみたい役柄等はありますか?
マイア:アクションものに挑戦してみたいわ。ジムでハードにトレイニングしてるから。マーシャルアーツやボクシングみたいなフィジカルなものをやってみたいわ。
──既にスターであるあなたの、更なる目標は?
マイア:次の目標ね…たくさんあるわ。キッズのために、常にオープンしてるコミュニティーセンターを地元に作りたいわ。それから、自分のレーベルから作品を出すことね。