IKU、境界線を越えて行き来できるモノや心を歌う「Rimless~フチナシノセカイ~」リリース大特集

ポスト

IKU TVアニメ『とある魔術の禁書目録』エンディングテーマ「Rimless~フチナシノセカイ~」リリース大特集

羽毛のような柔らかさと温かさを持った奇跡の声

INTERVIEW01

――2008年3月に1stシングル「音のない夜空に/木の芽風」でメジャー・デビューしたIKUさんですが、何か周りや自分自身の中で変化したことってあります?

周りは特に無いですね(笑)。でも、曲にしても詞にしても、書き溜めておこうって思うようになったのと、あとは健康に気をつけるようになりました。アーティスト活動には頑丈な身体が大事だと思ったんで、週1でホットヨガに通い始めたんですけど、私、北海道民なんで“熱い”とか“蒸してる”とかがダメなんですよ。だから最初は本当にツラくって。でも、最近は汗の通り道ができて汗がかけるようになったのか、爽快感と達成感を味わえるようになりました。

――なるほど(笑)。そんな中で仕上がった2ndシングル「Rimless~フチナシノセカイ~」は、アニメ『とある魔術の禁書目録』のエンディング・テーマですね。

はい。前作の「音のない夜空に」という曲を提供してもらった高瀬一矢さんと一緒に曲を作らせていただいたんです。最初に高瀬さんがサビのメロディを「ここ、“たーかせーさーん♪”って感じのメロディだったらどう? その先はIKUちゃんが考えてきてね」って提示してくださって(笑)。それで、私も一晩かけて考えた続きのメロディを高瀬さんに戻したり、この曲は少しずつ踏み込んでいくイメージがあったので、“出だしのAメロは音数を少なくしたいんです”と意見を出したり……っていうキャッチボールをしながら、少しずつ形にしていった感じです。

――音域の広い曲ですよね。結構メロディ・ラインが独特というか、うねってる!

そうなんですよ。高いし、低い。正直、裏声はあんまり得意じゃないんで、“作ってみたはいいけれど、声、出るのかなぁ?”って最初は不安だったんですけど、なんとか出ました(笑)。

――綺麗に出てますよ。歌詞は100%IKUさん作ですが、これはやっぱりアニメの世界観に沿って?

はい。その世界観を自分なりに噛み砕いて表現したつもりです。『とある魔術の禁書目録』という作品は、“科学と魔術の融合”という相反する世界を描いているのですが、その内側には人間味あふれるというか、ヒューマニックな部分も結構あるんですよ。それで“右手”(チカラ)とか“生命力”(マナ)とか、作品に登場する“素敵だなぁ”と思ったフレーズを頂戴したりもしたんで、きっとアニメなり原作なりを見ていただければ“おお!”と感じていただけるでしょうし。逆に予備知識が無くても、イメージを広げてもらえるような歌詞になっていればいいなぁと思ってます。

――Bメロの“生きる世界が たとえ違っていたとしても”なんていうフレーズからは、何かを助けよう、守ろう、という意志も感じたんですけれど?

それはありますね。例えば、アニメの中では科学の世界と魔術の世界って別モノだったりするけれど、私たちの実生活でも住んでいる地域、国、職業だとか、いろんな違いがあるじゃないですか? そうやってフィールドが違っても重なり合っていく部分、境界線を越えて行ったり来たりできるモノや心っていうところに、私なりに思うところがあって、このタイトルにしたんですよ。

――“Rim”は“フチ”っていう意味ですからね。つまり“Rimless=フチナシの世界”で、境界線の無い世界を象徴している。

2つの世界の重なり合うようで触れ合っているような感じを表現しようと思ったときに、“Rim”っていう言葉の響きが可愛いなぁって思ったんですよ。だけど、「Rimless」だけだとわかりにくいかもなと思ったんで、“フチナシノセカイ”っていうサブタイトルを付けたんです。あとは1stシングルのときから、“歌詞の中に無い言葉を題名に持ってきたい”っていう想いがあるんですよね。そこから膨らむイメージみたいなものが、また歌詞の内容とリンクすれば嬉しいし、そんな思考の遊びを持たせておきたいんです。

 
この記事をポスト

この記事の関連情報