amin、優しさに包まれる極上の心地好さ
子供の頃から音楽活動を始め、すでに上海で人気を得ていたaminが「もっと自分を成長させたい」との情熱を抱えて来日してから早くも15年が経つ。2003年にサントリーウーロン茶のCMに提供した「大きな河と小さな恋」が日本でブレイクするきっかけになり、これまでに『おなじ空の下』と『ACROSS-楼蘭の少女-』という2枚のオリジナル・アルバムをリリースしている。
そのaminが、3年ぶりの新作『My Life,My Songs』をリリースする。かつて松任谷正隆がaminの淡い響きの声について、“まるでレモンシャーベットのようだ”と表現したことがある。その愛らしいヴォーカルで、日本語と中国語を使い分けながら歌い、ときには語りが入り、演奏は生楽器を中心にしたフォーキーなサウンドだが、曲によってはブラジリアン風だったりする。初めてアルバムを聴いた時、その無国籍風が心地好く、かつての上海バンドへ誘われるような気がした。
この作品からaminは、レコード会社とマネージメントを移籍し、プロデューサーにゴンザレス鈴木を迎えるなど、新たな環境のなかでのレコーディングとなった。それが前2作とは異なるサウンドとなってアルバムに反映されている。
「ゴンザレスさんが手懸けてきた作品の、歌をとても大切にしつつ、同時に楽器の生演奏が生かされている音楽の放つ空気感がとても好きで、一緒にやりたいなぁと思っていたんです。ゴンザレスさんとは共通の知り合いがいたことで、2008年初頭に会い、それから話し合いを重ねてきました。これまでの私は、サントリーウーロン茶のCMソングの爽やかなイメージが強く、私自身も自然体で歌ってきました。ゴンザレスさんからの提案は、私の歌をメインに、サウンドはシンプルなのがいいだろうというものでした」
レコーディングは、ほとんどがライヴ方式で行なわれた。パーカッション以外は全て同じ部屋に入り、アイコンタクトをとりながら演奏を始め、お互いの鼓動を感じながらのレコーディングになった。それはaminにとって初めての経験だった。
「まず楽器の生演奏中心で打ち込みは極力避けたいと聞いた時に、経験がなかったので、どうなるんだろうと不安になりました。でも、実際にスタジオで一緒にやってみると、お互いの呼吸が感じられるんですよね。そこに感動しました。ひとりでヴォーカル・レコーディングをやると、正確に、という思いが先に立ってしまうのですが、みんなと一緒だと、お互いに刺激しあうなかで生まれる音楽の“流れ”がいかに大切なのかを肌で感じられるんです。頭で考えるのではなく、音楽を感じながら歌うことがなんて気持ちいいものかと心から感じました。具体的にスタジオではゴンザレスさんからその曲が持つイメージが説明されて、それをひとりひとりが膨らませて、同じ着地点を目指すという方法で行なったのですが、毎回今度はどんなイメージを言ってくれるのかと、それが楽しみになりました(笑)」
Aminの気持ちよさは、当然歌に表われており、それが聴き手の心をふわりと和ませる。そして、ナチュラルな響きのヴォーカルと演奏が優しく全身を包み込んでくれる。それがとても心地好く、ずっとこの音のミストを浴びていたいと思わせてくれる。
アルバムは、オリジナル曲に加えて、日本と台湾の歌のカヴァーによって構成されている。それらを中国語か、日本語で歌っているのだが、曲によっては1曲のなかで中国語と日本語を切り替えて歌っているものがある。語感の異なる言葉が切り替わる時に、ドキッとする不思議なときめきがあり、松任谷由実の「春よ、来い」などオリジナルをよく知っている曲であっても、なぜか何度聴いても新鮮さが失われない。
◆aminからのメッセージ映像
「中国語と日本語を切り替えながら歌うスタイルは、前作に収録されている「Across-楼蘭-」で試みたのが最初でした。この歌をライヴで歌うと、そのたびに感動してもらえるんですよね。最初は中国語で歌い、サビの部分で日本語に切り替えると、そこでさらに感情移入することが出来る、という感想をいただきました。それもあって今回は、その手法の曲を増やしたんです」
それは音楽面の効果ばかりではなく、aminは2つの言語で歌うことで、「中国と日本の橋渡しのようなことが出来ればいい」と、自分の使命としても考えているようだ。
アルバム全編でaminのピュア・ヴォイスが生かされており、『My Life,My Songs』は、これまでにない素顔のaminの魅力が引き出された作品になっている。だから、アルバム・タイトルもこれ以上ピッタリのものはないと思うが、一見シンプルなLifeとSongsにこめられた深き意味を感じずにはいられない。
「アルバム制作にあたり、私が実行した大切なことのひとつは、これまで歩んできた道を見つめ直すことでした。次の段階に進むためにはやらなくてはいけないことだと思ったからです。そして、日本にいる時間が長くなればなるほど、自分に何が出来るのか、と自分の存在について考えるようになっています。アルバム・タイトルのアイディアを下さったのはゴンザレスさんですが、私の今の思いを表現するのにまさにピッタリのものだと思うのと同時に、言葉の重みも感じています」
取材・文●服部のり子
◆amin オフィシャルサイト
◆ビクターエンタテインメント・aminページ
◆iTunes Store amin(※iTunesが開きます)
そのaminが、3年ぶりの新作『My Life,My Songs』をリリースする。かつて松任谷正隆がaminの淡い響きの声について、“まるでレモンシャーベットのようだ”と表現したことがある。その愛らしいヴォーカルで、日本語と中国語を使い分けながら歌い、ときには語りが入り、演奏は生楽器を中心にしたフォーキーなサウンドだが、曲によってはブラジリアン風だったりする。初めてアルバムを聴いた時、その無国籍風が心地好く、かつての上海バンドへ誘われるような気がした。
この作品からaminは、レコード会社とマネージメントを移籍し、プロデューサーにゴンザレス鈴木を迎えるなど、新たな環境のなかでのレコーディングとなった。それが前2作とは異なるサウンドとなってアルバムに反映されている。
「ゴンザレスさんが手懸けてきた作品の、歌をとても大切にしつつ、同時に楽器の生演奏が生かされている音楽の放つ空気感がとても好きで、一緒にやりたいなぁと思っていたんです。ゴンザレスさんとは共通の知り合いがいたことで、2008年初頭に会い、それから話し合いを重ねてきました。これまでの私は、サントリーウーロン茶のCMソングの爽やかなイメージが強く、私自身も自然体で歌ってきました。ゴンザレスさんからの提案は、私の歌をメインに、サウンドはシンプルなのがいいだろうというものでした」
レコーディングは、ほとんどがライヴ方式で行なわれた。パーカッション以外は全て同じ部屋に入り、アイコンタクトをとりながら演奏を始め、お互いの鼓動を感じながらのレコーディングになった。それはaminにとって初めての経験だった。
「まず楽器の生演奏中心で打ち込みは極力避けたいと聞いた時に、経験がなかったので、どうなるんだろうと不安になりました。でも、実際にスタジオで一緒にやってみると、お互いの呼吸が感じられるんですよね。そこに感動しました。ひとりでヴォーカル・レコーディングをやると、正確に、という思いが先に立ってしまうのですが、みんなと一緒だと、お互いに刺激しあうなかで生まれる音楽の“流れ”がいかに大切なのかを肌で感じられるんです。頭で考えるのではなく、音楽を感じながら歌うことがなんて気持ちいいものかと心から感じました。具体的にスタジオではゴンザレスさんからその曲が持つイメージが説明されて、それをひとりひとりが膨らませて、同じ着地点を目指すという方法で行なったのですが、毎回今度はどんなイメージを言ってくれるのかと、それが楽しみになりました(笑)」
Aminの気持ちよさは、当然歌に表われており、それが聴き手の心をふわりと和ませる。そして、ナチュラルな響きのヴォーカルと演奏が優しく全身を包み込んでくれる。それがとても心地好く、ずっとこの音のミストを浴びていたいと思わせてくれる。
アルバムは、オリジナル曲に加えて、日本と台湾の歌のカヴァーによって構成されている。それらを中国語か、日本語で歌っているのだが、曲によっては1曲のなかで中国語と日本語を切り替えて歌っているものがある。語感の異なる言葉が切り替わる時に、ドキッとする不思議なときめきがあり、松任谷由実の「春よ、来い」などオリジナルをよく知っている曲であっても、なぜか何度聴いても新鮮さが失われない。
◆aminからのメッセージ映像
「中国語と日本語を切り替えながら歌うスタイルは、前作に収録されている「Across-楼蘭-」で試みたのが最初でした。この歌をライヴで歌うと、そのたびに感動してもらえるんですよね。最初は中国語で歌い、サビの部分で日本語に切り替えると、そこでさらに感情移入することが出来る、という感想をいただきました。それもあって今回は、その手法の曲を増やしたんです」
それは音楽面の効果ばかりではなく、aminは2つの言語で歌うことで、「中国と日本の橋渡しのようなことが出来ればいい」と、自分の使命としても考えているようだ。
アルバム全編でaminのピュア・ヴォイスが生かされており、『My Life,My Songs』は、これまでにない素顔のaminの魅力が引き出された作品になっている。だから、アルバム・タイトルもこれ以上ピッタリのものはないと思うが、一見シンプルなLifeとSongsにこめられた深き意味を感じずにはいられない。
「アルバム制作にあたり、私が実行した大切なことのひとつは、これまで歩んできた道を見つめ直すことでした。次の段階に進むためにはやらなくてはいけないことだと思ったからです。そして、日本にいる時間が長くなればなるほど、自分に何が出来るのか、と自分の存在について考えるようになっています。アルバム・タイトルのアイディアを下さったのはゴンザレスさんですが、私の今の思いを表現するのにまさにピッタリのものだと思うのと同時に、言葉の重みも感じています」
取材・文●服部のり子
◆amin オフィシャルサイト
◆ビクターエンタテインメント・aminページ
◆iTunes Store amin(※iTunesが開きます)
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