坂本龍一総合監修による新しい「音楽全集」

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坂本龍一が総合監修を務める、新しい“音楽全集”が誕生する。それが『スコラ(音楽の学校)』シリーズだ。

『commmons: schola』は、世界中の音楽を次世代へ継承していくことをコンセプトに、CDと豪華執筆陣による本を組み合わせたアーカイブ。独自のコンセプトにもとづき、ユニークな選者とともにクラシック+非クラシック、全30巻で構成される。

そして、記念すべき第1巻としてリリースされたのが「J.S.バッハ(選者:坂本龍一)」だ。このCDには、カンタータ 第140番「目覚めよ、とわれらに声が呼びかける」や、「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番~シャコンヌ」といった、大バッハの代表的な作品が収録され、さらにブックレットには坂本龍一自ら執筆した解説が収められている。以下、ブックレットの巻頭言より抜粋。

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【スコラのために(巻頭言)】坂本龍一+浅田彰
スコラ(schola)とはラテン語で「学校」という意味です。よく「スコラ的(scholastic)」という言葉を耳にしますが、これは「煩瑣で、堅苦しい」という、どちらかというと悪い意味で使われます。しかし、私たちがこのCDシリーズをscholaと名付けたからといって、決してスコラ的な「音楽学」や、堅苦しい「音楽鑑賞」を強要しようというわけではありません。むしろそういうものから自由になることを目指しているのです。といって、自分だけの好みの世界に閉じこもるのでもなく、みんながゆるやかに共有できるスタンダード(標準)を作り直すことにより、音楽の歓びを、より広く、より深く共有することができたら素晴らしい。scholaは、学ぶことが楽しみであるような、しかし厳然たる基準をもった、みんなの学校でありたいと思います。(「スコラのために」より抜粋)

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なお、第2巻「JAZZ」(選者:山下洋輔)は2009年1月に発売を予定。その後、年3巻が随時発売となる予定だ。

■ 今後のシリーズ発売予定
02:JAZZ (2009年1月発売)
03:ドビュッシー (2009年5月発売)
04:ラヴェル (2009年9月発売)
05:ドラムとベース (2010年1月発売)
06:古典派 (2010年5月発売)
07:ベートーヴェン (2010年9月発売)
08:ロックへの道 (2011年1月発売)
09:サティからケージへ (2011年5月発売)
10:アフリカの伝統音楽 (2011年9月発売)
11:中世の音楽 (2012年1月発売)
12:ルネッサンスの音楽 (2012年5月発売)
13:アメリカの伝統音楽 (2012年9月発売)
14:バロック (2013年1月発売)
15:ヨーロッパの伝統音楽 (2013年5月発売)

◆『commmons: schola vol. 1 Ryuichi Sakamoto Selections: J.S. Bach』のCD情報
◆Commmonsオフィシャルサイト
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