MELL、徹底的に音にこだわりぬいた躊躇なき1stソロアルバム『MELLSCOPE』特集

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MELL
ファン待望の1st『MELLSCOPE』ソロ・アルバムが遂に登場

徹底的に音にこだわりぬいた躊躇なきアルバム
いま日本でこの音を作れるものは他にいない!




私のことは、もっと多角的に捉えて、イメージの中で自由に遊んで欲しいんですよ。

――しかし音的にも突き抜けていますよね。中庸なものがひとつも無いのがすごくて。特に「Under Superstition」は歌詞、曲、すべてがぶっ飛んでいます。

MELL:このオケをはじめて聴いたとき、“これ、どうしろと……”って、本当に思ったもん。“今どきこの炸裂感・・・”って(笑)。でも、この突き抜けた感じにすぐに私が虜になって。“ここまで書いていいかな”ってギリギリのライン一歩超えたぐらいの歌詞じゃなきゃ駄目だと思ったんです。女の痛みにしちゃうと、もう情念たっぷりのいやらしさが出ちゃうから、そうならないための線引きがすごく難しかったですね。

――戦慄ですよね、この歌詞は。

MELL:カラオケで嫌な上司とかの前で歌って、憂さ晴らしもアリですよね(笑)。

――上司を目の前にして「断頭台」とか歌うわけですね(笑)。

MELL:そうそう(笑)。これくらいやる勇気を持つことも、1stに取り組む上で大切にしたかった部分です。無難にはやりたくなかったですね。でも、これも娯楽ですから。

――そうですよね。真正面に受け止めるのではなくて。

MELL:はい。私を多角的に捉えて、イメージの中で遊んで自由になって欲しいんですよね。基本は愛情ですから。そこに投げかけるちょっだけ真面目な娯楽ですね。

――「Permit」が入っているのはファンとしても嬉しい部分でしたが、やはり今回は「repeat」のDeepForestリミックスも目玉の一つかと思います。

MELL:私、DeepForestをずっと神様だと思っているくらいの大ファンなんですよ。自称、日本で一番のファンだと(笑)。だから今回のリミックスは本当に感激でしたね。で、この大きな勘違い女がですね、本当に勘違いしちゃって、フランスのエリック・ムーケさん宅に行っちゃったわけですよ。

――今回の特典DVDには、その時の対談が収録されていますね。

MELL:いや、対談になってない(笑)。私がガチガチになっちゃって。これねぇ、笑えるよー(笑)!本当に笑える。全然言葉になってないというか。私ボロボロ泣いちゃうし。ああもう! やり直したいー(笑)!

――(笑)。DVDといえば、「no vain」と「kicks!」の再編集PVが収録されているそうですね。

MELL:はい、これがもう全然違うんですよ。出てない表情がいっぱい出ていて。本来のPVには出ていないキャストさんも出ているし。特に「kicks!」には、ビックリする仕掛けがありますね。

――本当に最後の最後、隅々まで密度の濃い作品ですね。

MELL:関わった人全員が好きなことをやってくれたお陰で私も自由になれました。このアルバムが完成したあと、“これは私じゃないな”と血が通ってない違和感をひとつも感じなかったんです。今も毎日このアルバムを聴いていますが、一日に何回も何回も聴いているということは、よっぽど生まれてきた子供たちが可愛いということですね。「first finale in me」という歌でも歌っていますが、このアルバムが私の第1幕の終わりであり、第2幕の始まり。ここからまたファンのみなさんと一緒に、歩んでいきたいですね。

取材・文●冨田明宏

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