OCEANLANE、『Fan Fiction』インタヴュー&新曲PV

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2007年秋のフル・アルバム『Castle in the Air』、そして2008年春のシングル「Twisted Colors」に続き、この夏、早くも新作のミニ・アルバム『Fan Fiction』を発表したOCEANLANE。ビートルズからオジー・オズボーンまでという、意外なようで納得できる、往年の名曲達のカヴァー集である本作。大胆なアレンジとギター・バンドならではの音で原曲に新たな息吹を与えており、カヴァーといえども本気度はメチャメチャ高い。本作は、今後の彼らにとっても重要な作品となりそうだ。直江慶(Vo&G)、武居創(Vo&G)に話を訊いた。

■OCEANLANEスムース・オペレーター(シャーデー)フルPV

――まずカヴァーって、オリジナル曲ではやれないような遊び心を前面に出すやり方もあるじゃないですか。でも、この作品はそうじゃなく、オリジナル曲に匹敵する本気度を感じたんですよ。バラエティに富んでいるけど不思議と統一感があるし。

慶:うん。そうだと思う。でも、最初は軽いノリで始めたんですよ。候補曲もガーッていっぱい挙げて。

創:それがどんどん本気になって。曲も選び抜きました。結果、メチャクチャがんばった作品。メンバー4人、みんなでいいものにしようって気概がすごく出てきて。

――そもそも、なぜカヴァーの作品を出そうと?

慶:以前からアレンジ面においてもっと勉強したいって話はしていて。だったら一番いいのは名曲のカヴァーをやることじゃないかと。名曲のいいところを吸収して、その上でどう消化できるかがテーマだったんですよ。

――じゃあ、選曲は“名曲”ということが大前提ですね。

慶:そう、あとは思い入れがある曲ということも。

――各曲、時代は違いますけど、どれも結構昔の曲ですよね?

創:カヴァーをやる意味の一つは、多くの人に知ってもらいたいってことです。僕らの曲を聴いてくれている若い人達に昔の曲のよさを知ってほしいのと、原曲を知っている年上の人達に、僕らの存在を知ってほしいっていうのもありました。

慶:今回の曲、今でもずっと聴き継がれてる曲ばかりですよね。時代を経て残っている曲達。それって、パワーのある曲なんです。そのパワーを、自分達で演奏して追体験したかった。それで、曲のパワーと僕らのパワーが合体できたら理想じゃないですか。

創:昔の曲だからこそ、それ以降の、90年代から2000年代を通ってきた僕らの音が混ざっていけば面白いと思ったし、それを出せなきゃ意味ないしね。

――うんうん。じゃあ、各曲について説明してもらえますか。

慶:ビートルズの「Norwegian Wood」は子どもの頃から不思議なメロディだなって思ってた曲。コレ、歌詞も面白いんですよ。いろんな解釈があるらしくて。実際には“ノルウェイの森”じゃなく“ノルウェイ製の家具”らしくて。70年代の労働者階級の人達は安いノルウェイ製の家具を使ってみたいなんで。そういうのも踏まえて、今回、訳詩も自分達でやったんです。アニマルズの「朝日のあたる家」は売春宿の歌だし。アニマルズも子どもの頃に聴いて鮮烈でしたね。土臭くて男っぽい曲じゃないですか。今後、OCEANLANEもこういうタフな感じを持てればいいなって。

――うん。アレンジやテンポ感は変わってるけど、男臭い原曲の雰囲気は残ってますよね。それはシャーデーの「スムース・オペレーター」にも言える。コレは原曲の女性ヴォーカルの雰囲気が残っていて、創さんの声の包容力に驚きました。

創:女性ヴォーカルの曲はやりたいと思っていました。これは初めて聴いた時から、ずっとメロディが耳に残ってる曲で、選曲の時にパッと浮かびました。改めて聴き込んだから、歌い方とかちょっと原曲を意識しちゃいましたね。

――スティーヴィー・ワンダーの「イズント・シー・ラヴリー」はストレートなロック・チューンになってますよね。

慶:原曲はポップですよね。多分、僕らにとっての“ポップ”が、ストレートなロック・チューンだったんだと思う。あと、どの曲にも言えるんだけど、ギター・バンドがやってるってことは出したかった。

――そうそう。今作、弾き語りや打ち込みはなくて、全部バンド・サウンド。それもよかったです。

創:ホントに4人でガッツリ作りましたからね。

慶:曲に負けないように全員で臨んだから。音楽って勝ち負けじゃないけど、原曲に勝ちたかった。“コレ聴いたら原曲は聴けないよ”ってぐらいに(笑)。

――オジー・オズボーンの「クレイジー・トレイン」は原曲に勝ってるかも(笑)。ハードロックがすごく美しい曲に生まれ変わっていて。

創:四拍子を三拍子に変えて。そしたら自ずと変化していったんです。

――今作、原曲のメロディを活かしながら大胆なアレンジでしたね。でも奇をてらってるんじゃなくて、“いい曲を、もっといい曲にしたい”という曲への向き合い方がすごくいいですよ。今作の経験は今後のOCEANLANEの音に反映されそうですね。

創:うん。アレンジだけじゃなく、作曲にもすごくヒントを得たと思います。自分で作曲してると、無意識のうちにも“クセ”みたいなところで作ってしまって。でも、カヴァーをやったことによって、いろんな作曲方法があるんだって気づきました。あと、どの曲もシンプルだと思うんですよ。いろんなアレンジが浮かんだとしても、シンプルってことは忘れちゃいけないって。そこは意識してやっていきたいですね。

慶:きっと、そういう意識がバンドの骨格を作っていくんだなって思えましたね。

文●Taeko Endo

『Fan Fiction』
2008年8月6日発売
XQCX-1007 ¥1,500(税抜)
01. ノルウェイの森(ビートルズ)
02. イズント・シー・ラヴリー(スティーヴィー・ワンダー)
03. スムース・オペレーター(シャーデー)
04. 朝日のあたる家(アニマルズ)
05. クレイジー・トレイン(オジー・オズボーン)

<OCEANLANE Presents “Sunshine Eyes Vol.1”>
2008年10月11日(土) OPEN 17:00 / START 18:00
@渋谷 CLUB QUATTRO
出演:OCEANLANE、BUDDHISTSON、BIGMAMA、LOCAL SOUND STYLE
チケット:前売3000円(ドリンク別)
チケット一般発売:2008年8月16日
[問]CREATIVEMAN:03-3462-6969

■OCEANLANEメッセージ映像
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