三寒志恩ムック初春の宴(4)デトロイト編その四
▲ホンモノのコボ・アリーナを背景に、キッスの『地獄の狂獣』の裏ジャケを撮影。おっさん約1名、ちょっと邪魔。 |
▲SATOちとアトレイユのブランドン。腕相撲でも、フツーの相撲でも、ちょっとかなわないかも。 |
▲本日の進行表。何ひとつ遅れることなく、すべてがこのスケジュール通りに進んでいく。 |
▲楽屋は日本から参戦の3バンドで共有。もちろん、そこに閉じこもってたりするムックさんたちではありませんが。 |
そんな豆知識はともかく、開場する前に会場内で写真を撮っておくとしよう。実のところアリーナの床面積自体はそんなにも馬鹿でかいわけではないのだが、スタンドが高いこと高いこと! ためしにスタンドの上層部まで登ってみたら、ちょっとクラクラするほどだった。
アリーナ後方の壁際やロビーでは、協賛各社のブースやマーチャンダイズ販売の準備が急ピッチで進行中。そんな頃、SATOちはアトレイユのドラマー、ブランドンとちょっぴり歓談。「あなたのドラミングが好きで、いつも観てます」とSATOちが告げると、ブランドンはまんざらでもなさそうに笑顔を見せ、SATOちの手をギュッと握った。ちなみに彼はこのバンドのヴォーカリストでもあり、ドラミングのみならずその声も超パワフルだったりする。そして写真をご覧いただければおわかりの通り、デカい。そんな彼も、この会場がキッスのライヴ盤が録られた場所だと告げると、かなり感慨深そうな顔を見せていた。
その後、場内探検をしているうちに、いつのまにか開場。厳しいセキュリティ・チェック(参考までにデトロイトは治安の悪さでも有名)を通過したファンが、アリーナを徐々に埋めていく。そして午後4時45分、いきなり場内が暗転し、セカンド・ステージにINFINITIEIGHTという名前のローカル・バンドが登場。どこかで観た顔だと思ったら、ついさきほどまでアリーナの隅っこでTシャツ販売の準備をしていた若者たちがそのバンドなのだった(言うまでもなく彼らは、演奏と機材の片付けが終わると、ふたたびTシャツ販売に励んでいた)。正直なところ演奏は粗いし、楽曲は類型的。しかし、広い場内で彼らのステージを注視しているのが数百人しかいないことが明らかでも、彼らはまるで10万人を相手にしているかのような気迫と振る舞いを見せていた。最前列のファンの顔ではなく、アリーナ後方に視線を投げ掛けていた。これは多くの日本のバンドにとって学ぶべき点だと思う。
彼らのステージが20分ほどで終了すると、今度はメイン・ステージにD’espairsRayが登場。その場面転換のインターヴァルは、0分。セカンド・ステージの演奏終了から数秒後には、彼らのオープニングSEが流れ始めるという、スムーズどころではない手際の良さだった。それは、続けざまにセカンド・ステージにIDIOT PILOTが登場したときも同じこと。そして同バンドのステージが終わると、耳慣れたお馴染みのSEが聴こえてきた。午後6時ちょうど。いよいよムックのステージが、始まろうとしている。
増田勇一
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