デヴィッド・ジョーダン、とんでもない大物?

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シングル「Sun Goes Down」がトップ10入りし、昨年のMIKAやマーク・ロンソンに続くUKの大型男性ソロ・アーティストとして注目されるデヴィッド・ジョーダン。リアーナのサポートを務めたロンドン、O2アリーナでのパフォーマンスを見ることができた。

R&Bシンガーと表されることの多い彼だが、実際の姿はちょっと違う。ステージにはまずスラッシュの若者版のようなギタリストが登場。一瞬、ジョーダンとは別にもう1組サポートがいたのかとも思ったが、激しいギター・サウンドをバックに現れたのはそのジョーダン本人。想像していたR&B、ソウルとは異なる、ビッグなロック・トラック「Fight The World」でショウをスタートさせた。

彼はよく、マイケル・ジャクソンやプリンスと比較されているようだが、(本人がギターを弾くわけではないのだが)ヘヴィなギターをフィーチャーしたサウンドは、そこにレニー・クラヴィッツも加えたい。R&B、ファンクの要素もあるが、ロックの色がかなり濃い。

ヴォーカリストとなると小さな会場のほうが楽しめることが多いが、ジョーダンの場合、その歌唱力/サウンドだけでなく、態度もビッグで2万人を収容するO2アリーナでちょうどいいくらいだ。新人なのに、物怖じしない。どころか、リアーナ目当てのオーディエンスを前に「今夜は俺のために来てくれて、ありがとう!」的な態度。ややナルシスト気味なところはあるが、ルックスに抜群の歌唱力がともなっているだけに、周りはついつい引き込まれてしまう。

彼がステージに登場してから最後まで黄色い悲鳴が鳴り止まなかった。新人にして、これだけ多くの観客を前にこのパフォーマンス、このリアクション。「金持ちになりたければ、金持ちのフリをしろ」というが、「ビッグになりたければ、ビッグなフリをしろ」? 彼の場合、実力があるだけにフリだけで終わらない可能性大だ。

Ako Suzuki, London
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