THE HIGHERオフィシャル・インタヴュー<中編>
⇒THE HIGHERオフィシャル・インタヴュー<前編>からの続き
https://www.barks.jp/news/?id=1000032728
――■7.サウンドに関してだけど、ロック、エモからポップ、ファンク、R&B、ヒップホップまでいろんなテイストがいっぱいで、5人がいろんな音楽に影響されているのがわかります。それぞれどんな音楽、アーティストに影響受けているの?
パット(dr):僕はマーズ・ヴォルタとか、独特のスタイルがあって、聴けばすぐそのバンドとわかる人たちを音楽的にリスペクトしてる。自分では、僕たちも聴けば独自のスタイルがあるとわかってもらえると思ってるんだけど…。だから皆からも、そういうタイプのものと僕たちを比較するんじゃないかな。
レジー(g):僕はたぶん父親だな。子供の頃、ビートルズとかザ・フーとか、クールなバンドを父親がよく聴いてたから、僕もクラシック・ロックをたっぷり聴いて育ったんだ。彼が僕の基礎を作ってくれたんだと思うよ。
トム(g):「僕はブリンク182。ライヴを初めて観て、その存在感に惚れ込んだ。音楽は勿論だけど見せ方がすごいなって。あと、ソングライターとしてもそう。今では他にも色んなものに影響されているけど、バンドに入りたいと思ったきっかけは彼らだった。あんな風にクレイジーになってみたいって…行く先々で(笑)。
フェイス(b):僕はエリック・クラプトンが少し、あとボーイズIIメンがちょっと…いろいろ混ざってるよ。音楽的にアコースィック・ギターとハーモニーに僕は夢中になったんだ。ああいうのをやりたいって。最近だとマルーン5かな。彼らが影響されたものも僕と同じで、昔のモータウン…スティーヴィー・ワンダー、スモーキー・ロビンソン、アル・グリーン、マーヴィン・ゲイ…そういうスムース系なんだよね。ああいうのが僕の好みなんだ。
セス(vo):僕も同じで、ありとあらゆるものに影響されてるよ。いろんなスタイルの音楽を聴いて、すべてにインスパイアされてきた。音楽全般にインスピレーションを得て、バンドをやりたい、音楽を創り続けていきたいと思ったんだ。それが僕の生き甲斐…僕たち全員の生き甲斐で、ずっとやっていくつもりだよ。
――■8. それら多彩な音楽タイプを、どのようにブレンドしようと心がけて、音作りをしているの?音作りのプロセスはどんな感じ?
トム(g):僕たちの中の多様性が、そのままケミストリーとして働いているんじゃないかな。特定のサウンドを意識的に狙っているバンドも多いけど、僕たちの間では誰ひとりとして好みが同じ人がいないから、その奇妙なブレンドがきちんと機能することでザ・ハイアーの音楽が最高の音になってるんだと思う。いいサウンドを目指して考えをまとめていくのは難しいけど…」
レジー(g):でも、僕たちみんな、ポップ感覚には優れてると思うよ。だから曲作りがうまくいくんじゃない? 」
セス(vo):いい曲の書き方を心得てるんだ。そういうこと
――方程式がある、ということ?
セス(vo):僕らなりの方程式があって、5人全員が揃うとマジックが起きる。魔法の音楽がね(笑)。
フェイス(b):曲を書く時は…曲を書くだけだもんな。
セス(vo):(笑)。曲を書く時は、自分たちにできる最高の曲を書くことしか考えてないよ。こういうのを音楽に入れよう、みたいなことは考えてなくて、自分にあるものを出すことで、その曲を僕らなりに最高のものに仕上げる…っていう考え方だね。
フェイス(b):前は、部分的に書いてブレンドするっていうやり方をしてたんだけど、全体の構成とか方向性が見えていた方が、みんなで仕上げた時によりいいものになることがわかったんだ。僕らはドラムからメロディから構成まで、すべてをひとりで完璧にこなせる人ばかりじゃないから、核になるものが出来たら他の人に聴かせて、手直ししてもらって、また他の人に聴かせて…ってやって、最後にまとめるとカンペキになるんだ。
――■9. また、メロディはとっても耳に残るものだよね。ポップ性にあふれたメロディを作るバンドは多数いるけど、それらとは違うポップ性、言うなれば甘酸っぱさを感じたんだけど。メロディに対するこだわりは?
セス(vo):うん、今、ポップをやってるバンドは多いと思うけど、自分たちはちょっと違うポップ・バンドだと感じてる。つまり…まぁ、僕たちと比較できるポップ・バンドもいるだろうけど、音はそっくりじゃないんだよね。自分たちは自分たちだけの独自のメロディや個性を生かして『僕たちはTHE HIGHERだ、他とは違うんだ、これが僕たちの作る音楽だ』って主張してるんだ。
フェイス(b):たまにボーイ・バンドと比べられることもあって、それには違和感があるよ。僕らはボーイ・バンドを目指してるわけじゃなくて、ロック・バンドを目指してるからね(笑)。でも、たまにそっちのジャンルに入れられちゃうんだ。『ファイヴやインシンク、バックストリート・ボーイズみたいだ』なんて言われると、『マジ? 』って思っちゃう。
トム(g):でもインシンクは日本でもビッグなんだろうね。
パット(dr):彼らはどこでも超ビッグだって。
全員:そうだね。
フェイス(b):でも、僕たちは楽器をちゃんと弾いてるし…。
レジー(g):そう、僕たちはライヴで楽器をちゃんと自分たちで弾いてるし、曲だって書いてるし…。
フェイス(b):そういうこと、とんでもない比較だよ。
――■10. リリックに関してのこだわりは?日常生活からインスパイアされて作るの?どんなメッセージを込めているの?
トム(g):特定のものはないと思うけど、人生のすべてが曲作りのインスピレーションになってるんじゃないかな。女のコのことを書いたり、動物のことだったり、生活の中の出来事を書いたり…、どんな人でも自分の人生や状況に照らし合わせられる歌詞だと思う。それくらいだよ、伝えたいメッセージは。僕たちの書いてる内容に、誰かに共感してもらいたい。
フェイス(b):女のコを対象にした歌詞が多いって誤解してる人が多いみたいだけど、殆どは実はそうじゃなくて、お互いに向けていたり、自分たちの悪い癖のことだったりするんだ。実はそれがセラピーになってる。数年も他の4人の男たちと結婚していような状態で、一人一人を相手にして、だから僕たちも自分たちの音楽に共感を覚える。恋愛も難しいよ。だから、聴いてそのまんまの、甘い失恋ソングとも取れるだろうけど、そんな単純なものじゃないんだ。
――■11. リードトラックである『インシュアランス?』について教えて。この曲はどういうきっかけで、どういうこだわりを持って作り、またどんなメッセージをこめたものなの?
フェイス(b):ハハハ、あれはラスベガスのことで、インスピレーションになったのは、昔の話だけど、こっちにいる僕たちの友達の習性で、たまに遊びに出たくなって…。
セス(vo):ギャンブル三昧。
パット(dr):ギャンブルやって、カクテル飲んで…
レジー(g):遊びまくる。
セス(vo):言ってしまえば、あの曲はベガスでのパーティとギャンブル。21歳以上だから何でも好きなことをやれるっていう…。
フェイス(b):そう、いいことも悪いこともね。ちょっと曖昧になってるけど、歌詞を聴けばストーリーはわかるはずだ。何が起こっているのか、ね。
セス(vo):トムだけまだ21歳の赤ん坊なんだ
――■12. 1stビデオ『インシュアランス?』は、パニック!アット・ザ・ディスコのビデオでVMA「Best video Of the year」を受賞したシェイン・ドレイクだけど、彼との仕事はどうだった? 何かエピソードがあったら教えて。
レジー(g):彼はまたちょっと違うタイプの人で…。
セス(vo):すごく仕事のできるディレクターだよ。それぞれの場面に求めるものをちゃんと把握しているし、僕たちにも色々と面白いことを試させてくれて、パーティーしたり、僕たちの友達を参加させてくれたりと、本当に楽しかった。
フェイス(b):うん。
セス(vo):週末ずっと一緒に過ごしたんだけど、とにかくプロフェッショナルで、きちんとしていて、彼のスタッフも準備万端で、いい人たちだった。また一緒にやりたいよ。
レジー(g):コーチみたいな感じだったね。
フェイス(b): うん。
レジー(g):最初のパフォーマンスの前に僕たちを集めて、『いいかい、ここは集中して、実感を持ってやってくれ』って…言い方がおかしいんだ、ある意味クレイジーだよ。
フェイス(b):ヴィジョンがしっかりしてるんだ。彼自身、大学の卒業をフロンティアで祝ったんだって言ってた。だから、あそこで一通り撮影したかったんだって。彼のヴィジョンを僕たちのとブレンドさせて、昔っぽい感じと、ベガスの大通りの今の新しい感じとを、彼なりの解釈で僕たちをそこに溶け込ませたんだ。すごいよ。
トム(g):スタイルが最高だよな。
フェイス(b):うん。
パット(dr):すごく勉強になった。
――■13. 「On Fire」アルバム中、個人的に好きな曲と理由を教えて。
パット(dr):僕は『デア』が好きだな。というのも、この曲には僕はそんなに関っていないんだ。この前聴いたら、自分のバンドなんだけど僕はそこにいないっていう…、でも僕が例えいなくてもこのバンドはこんなにもクリエイティヴなんだってことが改めてわかって嬉しかった。自分が関っていないのに友達が好きなことをやれているというのは嬉しいものだよ。
レジー(g):僕が一番好きなのはシークレット・ソングの『クレイグ・レーガン』。あの曲が好きなんだよね。
セス (vo):(笑)、いい曲だよね。
フェイス(b):あれはいい。風刺に満ちている。
レジー(g):うん。
トム(g):僕が一番好きな曲は『アワ・ムービー・ルールズ』。僕が書いた曲なんだ。音楽のキャリアと恋愛関係をなんとか両立させたいと願う内容で、あれを書いた時の僕にはそれが一番の関心事だったんだろうね。だから、この曲が僕のフェイヴァリット。あと、オーケストラもすごく好き。曲を書いた2年後にオーケストラが僕たち(曲)を救いに来てくれたんだから尚更だよ(笑)。
レジー(g):(笑) 『さぁ、交響楽団だよ』 みたいにね(笑)。
セス(vo):僕のフェイヴァリットは、やっぱりシングルの『インシュアランス?』だな。とにかくのれるからね。この曲がひとたびかかると身体を動かして踊らずにいられなくなるんだ。まぁ、それは僕たちの殆どの曲にいえることだろうけど、この曲はカンペキだと思うよ。
セス(b):僕のフェイヴァリットは『ムーヴメント』かな。僕たち全員がそれぞれにフレーズや歌詞を提供した曲で、ラヴとか、このバンドのことや、お互いがケンカしてる時のことや、ここまでやれた嬉しさとか、そういういろんな瞬間が隅々にまで表れている。正にムーヴメント…進展だよね、世界の。最高だと思うよ。
――■14. 今回アルバムを制作してみて、発見したことは? 次につながるアイデアは見つかった?
セス(vo):僕たちが気づいたのは、アイデアを出し合ってチームとして作業すればするほどいい結果が出せるし、いい曲が書ける、ってことだね。例えばメンバー何人かだけでの作業や外部の人と書く方が難しくて、逆にメンバー全員が集まると本当に凄いものが出来上がるんだ。だからこのアルバムで、僕たちは今まで以上に全員での作業というものがうまくやれるようになったんじゃないかな。
フェイス(b):うん、自分のエゴは横においといて、たとえ誰が曲を持ってきたとしても、まずはその人の意見を聞いて、自分なりに解釈して、そこに自分なりのスタイルやフレイヴァーを足していく。言い争ったり、角を突き合わせたりしたって何も生まれないから、みんなで溶け合うようにする。1つの曲に5年がかりで、パートを分解してみたってしょうがないからね。そんな曲は、たとえ世に送り出されることになったとしても、せいぜいb-sideが関の山だよ。
トム(g):あと、誰となら相部屋でもOKかがわかった。
全員:(笑)
トム(g):誰となら寝室が一緒でも大丈夫かってこと。
フェイス(b):僕は独り部屋だったけどね。
セス(vo):フェイスは隔離したんだ(笑)
フェイス(b):壁が鏡張りじゃなくちゃいけないからね(笑)
レジー(g):貨物列車並みのイビキもかくし。
セス(vo):ハハハ、それいいね!貨物列車並みのイビキ(笑)
フェイス(b):面白い(笑)
THE HIGHERオフィシャル・インタヴュー<後編>へ続く⇒
https://www.barks.jp/news/?id=1000032731
https://www.barks.jp/news/?id=1000032728
――■7.サウンドに関してだけど、ロック、エモからポップ、ファンク、R&B、ヒップホップまでいろんなテイストがいっぱいで、5人がいろんな音楽に影響されているのがわかります。それぞれどんな音楽、アーティストに影響受けているの?
パット(dr):僕はマーズ・ヴォルタとか、独特のスタイルがあって、聴けばすぐそのバンドとわかる人たちを音楽的にリスペクトしてる。自分では、僕たちも聴けば独自のスタイルがあるとわかってもらえると思ってるんだけど…。だから皆からも、そういうタイプのものと僕たちを比較するんじゃないかな。
レジー(g):僕はたぶん父親だな。子供の頃、ビートルズとかザ・フーとか、クールなバンドを父親がよく聴いてたから、僕もクラシック・ロックをたっぷり聴いて育ったんだ。彼が僕の基礎を作ってくれたんだと思うよ。
トム(g):「僕はブリンク182。ライヴを初めて観て、その存在感に惚れ込んだ。音楽は勿論だけど見せ方がすごいなって。あと、ソングライターとしてもそう。今では他にも色んなものに影響されているけど、バンドに入りたいと思ったきっかけは彼らだった。あんな風にクレイジーになってみたいって…行く先々で(笑)。
フェイス(b):僕はエリック・クラプトンが少し、あとボーイズIIメンがちょっと…いろいろ混ざってるよ。音楽的にアコースィック・ギターとハーモニーに僕は夢中になったんだ。ああいうのをやりたいって。最近だとマルーン5かな。彼らが影響されたものも僕と同じで、昔のモータウン…スティーヴィー・ワンダー、スモーキー・ロビンソン、アル・グリーン、マーヴィン・ゲイ…そういうスムース系なんだよね。ああいうのが僕の好みなんだ。
セス(vo):僕も同じで、ありとあらゆるものに影響されてるよ。いろんなスタイルの音楽を聴いて、すべてにインスパイアされてきた。音楽全般にインスピレーションを得て、バンドをやりたい、音楽を創り続けていきたいと思ったんだ。それが僕の生き甲斐…僕たち全員の生き甲斐で、ずっとやっていくつもりだよ。
――■8. それら多彩な音楽タイプを、どのようにブレンドしようと心がけて、音作りをしているの?音作りのプロセスはどんな感じ?
トム(g):僕たちの中の多様性が、そのままケミストリーとして働いているんじゃないかな。特定のサウンドを意識的に狙っているバンドも多いけど、僕たちの間では誰ひとりとして好みが同じ人がいないから、その奇妙なブレンドがきちんと機能することでザ・ハイアーの音楽が最高の音になってるんだと思う。いいサウンドを目指して考えをまとめていくのは難しいけど…」
レジー(g):でも、僕たちみんな、ポップ感覚には優れてると思うよ。だから曲作りがうまくいくんじゃない? 」
セス(vo):いい曲の書き方を心得てるんだ。そういうこと
――方程式がある、ということ?
セス(vo):僕らなりの方程式があって、5人全員が揃うとマジックが起きる。魔法の音楽がね(笑)。
フェイス(b):曲を書く時は…曲を書くだけだもんな。
セス(vo):(笑)。曲を書く時は、自分たちにできる最高の曲を書くことしか考えてないよ。こういうのを音楽に入れよう、みたいなことは考えてなくて、自分にあるものを出すことで、その曲を僕らなりに最高のものに仕上げる…っていう考え方だね。
フェイス(b):前は、部分的に書いてブレンドするっていうやり方をしてたんだけど、全体の構成とか方向性が見えていた方が、みんなで仕上げた時によりいいものになることがわかったんだ。僕らはドラムからメロディから構成まで、すべてをひとりで完璧にこなせる人ばかりじゃないから、核になるものが出来たら他の人に聴かせて、手直ししてもらって、また他の人に聴かせて…ってやって、最後にまとめるとカンペキになるんだ。
――■9. また、メロディはとっても耳に残るものだよね。ポップ性にあふれたメロディを作るバンドは多数いるけど、それらとは違うポップ性、言うなれば甘酸っぱさを感じたんだけど。メロディに対するこだわりは?
セス(vo):うん、今、ポップをやってるバンドは多いと思うけど、自分たちはちょっと違うポップ・バンドだと感じてる。つまり…まぁ、僕たちと比較できるポップ・バンドもいるだろうけど、音はそっくりじゃないんだよね。自分たちは自分たちだけの独自のメロディや個性を生かして『僕たちはTHE HIGHERだ、他とは違うんだ、これが僕たちの作る音楽だ』って主張してるんだ。
フェイス(b):たまにボーイ・バンドと比べられることもあって、それには違和感があるよ。僕らはボーイ・バンドを目指してるわけじゃなくて、ロック・バンドを目指してるからね(笑)。でも、たまにそっちのジャンルに入れられちゃうんだ。『ファイヴやインシンク、バックストリート・ボーイズみたいだ』なんて言われると、『マジ? 』って思っちゃう。
トム(g):でもインシンクは日本でもビッグなんだろうね。
パット(dr):彼らはどこでも超ビッグだって。
全員:そうだね。
フェイス(b):でも、僕たちは楽器をちゃんと弾いてるし…。
レジー(g):そう、僕たちはライヴで楽器をちゃんと自分たちで弾いてるし、曲だって書いてるし…。
フェイス(b):そういうこと、とんでもない比較だよ。
――■10. リリックに関してのこだわりは?日常生活からインスパイアされて作るの?どんなメッセージを込めているの?
トム(g):特定のものはないと思うけど、人生のすべてが曲作りのインスピレーションになってるんじゃないかな。女のコのことを書いたり、動物のことだったり、生活の中の出来事を書いたり…、どんな人でも自分の人生や状況に照らし合わせられる歌詞だと思う。それくらいだよ、伝えたいメッセージは。僕たちの書いてる内容に、誰かに共感してもらいたい。
フェイス(b):女のコを対象にした歌詞が多いって誤解してる人が多いみたいだけど、殆どは実はそうじゃなくて、お互いに向けていたり、自分たちの悪い癖のことだったりするんだ。実はそれがセラピーになってる。数年も他の4人の男たちと結婚していような状態で、一人一人を相手にして、だから僕たちも自分たちの音楽に共感を覚える。恋愛も難しいよ。だから、聴いてそのまんまの、甘い失恋ソングとも取れるだろうけど、そんな単純なものじゃないんだ。
――■11. リードトラックである『インシュアランス?』について教えて。この曲はどういうきっかけで、どういうこだわりを持って作り、またどんなメッセージをこめたものなの?
フェイス(b):ハハハ、あれはラスベガスのことで、インスピレーションになったのは、昔の話だけど、こっちにいる僕たちの友達の習性で、たまに遊びに出たくなって…。
セス(vo):ギャンブル三昧。
パット(dr):ギャンブルやって、カクテル飲んで…
レジー(g):遊びまくる。
セス(vo):言ってしまえば、あの曲はベガスでのパーティとギャンブル。21歳以上だから何でも好きなことをやれるっていう…。
フェイス(b):そう、いいことも悪いこともね。ちょっと曖昧になってるけど、歌詞を聴けばストーリーはわかるはずだ。何が起こっているのか、ね。
セス(vo):トムだけまだ21歳の赤ん坊なんだ
――■12. 1stビデオ『インシュアランス?』は、パニック!アット・ザ・ディスコのビデオでVMA「Best video Of the year」を受賞したシェイン・ドレイクだけど、彼との仕事はどうだった? 何かエピソードがあったら教えて。
レジー(g):彼はまたちょっと違うタイプの人で…。
セス(vo):すごく仕事のできるディレクターだよ。それぞれの場面に求めるものをちゃんと把握しているし、僕たちにも色々と面白いことを試させてくれて、パーティーしたり、僕たちの友達を参加させてくれたりと、本当に楽しかった。
フェイス(b):うん。
セス(vo):週末ずっと一緒に過ごしたんだけど、とにかくプロフェッショナルで、きちんとしていて、彼のスタッフも準備万端で、いい人たちだった。また一緒にやりたいよ。
レジー(g):コーチみたいな感じだったね。
フェイス(b): うん。
レジー(g):最初のパフォーマンスの前に僕たちを集めて、『いいかい、ここは集中して、実感を持ってやってくれ』って…言い方がおかしいんだ、ある意味クレイジーだよ。
フェイス(b):ヴィジョンがしっかりしてるんだ。彼自身、大学の卒業をフロンティアで祝ったんだって言ってた。だから、あそこで一通り撮影したかったんだって。彼のヴィジョンを僕たちのとブレンドさせて、昔っぽい感じと、ベガスの大通りの今の新しい感じとを、彼なりの解釈で僕たちをそこに溶け込ませたんだ。すごいよ。
トム(g):スタイルが最高だよな。
フェイス(b):うん。
パット(dr):すごく勉強になった。
――■13. 「On Fire」アルバム中、個人的に好きな曲と理由を教えて。
パット(dr):僕は『デア』が好きだな。というのも、この曲には僕はそんなに関っていないんだ。この前聴いたら、自分のバンドなんだけど僕はそこにいないっていう…、でも僕が例えいなくてもこのバンドはこんなにもクリエイティヴなんだってことが改めてわかって嬉しかった。自分が関っていないのに友達が好きなことをやれているというのは嬉しいものだよ。
レジー(g):僕が一番好きなのはシークレット・ソングの『クレイグ・レーガン』。あの曲が好きなんだよね。
セス (vo):(笑)、いい曲だよね。
フェイス(b):あれはいい。風刺に満ちている。
レジー(g):うん。
トム(g):僕が一番好きな曲は『アワ・ムービー・ルールズ』。僕が書いた曲なんだ。音楽のキャリアと恋愛関係をなんとか両立させたいと願う内容で、あれを書いた時の僕にはそれが一番の関心事だったんだろうね。だから、この曲が僕のフェイヴァリット。あと、オーケストラもすごく好き。曲を書いた2年後にオーケストラが僕たち(曲)を救いに来てくれたんだから尚更だよ(笑)。
レジー(g):(笑) 『さぁ、交響楽団だよ』 みたいにね(笑)。
セス(vo):僕のフェイヴァリットは、やっぱりシングルの『インシュアランス?』だな。とにかくのれるからね。この曲がひとたびかかると身体を動かして踊らずにいられなくなるんだ。まぁ、それは僕たちの殆どの曲にいえることだろうけど、この曲はカンペキだと思うよ。
セス(b):僕のフェイヴァリットは『ムーヴメント』かな。僕たち全員がそれぞれにフレーズや歌詞を提供した曲で、ラヴとか、このバンドのことや、お互いがケンカしてる時のことや、ここまでやれた嬉しさとか、そういういろんな瞬間が隅々にまで表れている。正にムーヴメント…進展だよね、世界の。最高だと思うよ。
――■14. 今回アルバムを制作してみて、発見したことは? 次につながるアイデアは見つかった?
セス(vo):僕たちが気づいたのは、アイデアを出し合ってチームとして作業すればするほどいい結果が出せるし、いい曲が書ける、ってことだね。例えばメンバー何人かだけでの作業や外部の人と書く方が難しくて、逆にメンバー全員が集まると本当に凄いものが出来上がるんだ。だからこのアルバムで、僕たちは今まで以上に全員での作業というものがうまくやれるようになったんじゃないかな。
フェイス(b):うん、自分のエゴは横においといて、たとえ誰が曲を持ってきたとしても、まずはその人の意見を聞いて、自分なりに解釈して、そこに自分なりのスタイルやフレイヴァーを足していく。言い争ったり、角を突き合わせたりしたって何も生まれないから、みんなで溶け合うようにする。1つの曲に5年がかりで、パートを分解してみたってしょうがないからね。そんな曲は、たとえ世に送り出されることになったとしても、せいぜいb-sideが関の山だよ。
トム(g):あと、誰となら相部屋でもOKかがわかった。
全員:(笑)
トム(g):誰となら寝室が一緒でも大丈夫かってこと。
フェイス(b):僕は独り部屋だったけどね。
セス(vo):フェイスは隔離したんだ(笑)
フェイス(b):壁が鏡張りじゃなくちゃいけないからね(笑)
レジー(g):貨物列車並みのイビキもかくし。
セス(vo):ハハハ、それいいね!貨物列車並みのイビキ(笑)
フェイス(b):面白い(笑)
THE HIGHERオフィシャル・インタヴュー<後編>へ続く⇒
https://www.barks.jp/news/?id=1000032731