初のバラード曲「君の事が」を歌う、清春の壮大な愛に迫る ~INTERVIEW~

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清春 ロングインタヴュー

――「君の事が」にしてもそうだけど、最近の清春さんの詞には、なかなか面と向かって言えないことが書かれてたりするし。 清春:そうですね。聞いてくれる人と話してるような感覚かな。なかなか、ふだんファンの子と1対1で話すことってできないし、何年音楽やってても、それはちょっと悔しいですね。1対1は無理だから、ライヴっていうのがあって……それでも、もし俺がファンだったら音楽だけじゃ理解できないと思うんですよ。だからホントは1時間でも2時間でも疑問に思ってることに全部答えてあげられたら、もっと純粋に音楽を楽しむことができると思うんだけど、それは難しいからせめて歌詞で、みたいなね。だから、歌で誰に話しかけているかっていうと、ほとんどファンだよね。 ――おネエさんが好きって言ってた清春くんがいつのまにか包容力のある人間になって、音楽で照らしてあげたいと思ったり? 清春:や、ただ俺のファンは決して俺がいないとダメになるってわけじゃないと思うんですよ。 ――でも、人生の中に入りこんでる。 清春:うん。入っちゃってるから、大事なのは俺というパーツが、ある日なくなったときにどう生きていくのか? そのためにも残ってる俺のアーティストとしての時間でいいアルバム作って、いいライヴをしてたいの。 ――穴があかないように。 清春:うん。全然楽しく生きていけるようにさ。そうなれた理由のひとつが僕の音楽だったとしたらステキだなって思うから。 ――うん、うん。 清春:だからこそ僕がいなくなったあともファンの子が僕にずっと依存しちゃうような活動はしたくないのよ。アーティストが突然死したりすると、聴いていたコたちはずっと悔やむわけですよね。僕は爽やかに「じゃあね、バイバイ」って言いたいと思ってて、やめるんであれば、今までにない形でやめたいんだよね。「スゴイね、清春って。終わり方も今までになかったよ」って。どういうふうにしたら、そうなれるかはまだわからないけど。だから、こういう不吉なこともちゃんと言っておきたいの。 ――それはなぜ? 清春:不安にさせるつもりは全くないんだけど、いつかそういうときが必ず来るから、やれてるうちにライヴにも来てほしいし、アルバムも永遠に出るうちの1枚として毎回聴いてほしくない。おそらくですけど、性格上、引退ライヴのようなものもしないと思うし、事実上僕の中で最後っていうのはあるかもしれないですけど、フッとやめちゃうと思うんですよね。で、何年かたって街で逢ったときに「元気?」って言えるような関係がいちばんいいよ。何なら偶然逢ったときに、一緒にメシでも食いに行きたいぐらいの。で、今はそういうことがステージでできたらいいなって思ってるんですよね。 ――それが1対1の関係。 清春:それをできる男っていうのはすごく魅力的だと思うんですよ。モテたいっていうところでもね(笑)。

『Neo genesis Vol.5』巻頭インタヴューより抜粋

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