<PUNKSPRING>東京公演ライヴレポート

ポスト
春の陽気が暖かな4月1日、桜が満開の中、幕張メッセでは春のパンクフェスティヴァル<PUNKSPRING>が開催された。<PUNKSPRING>とは、クリエイティブマンが主催する、パンクバンドによる、パンクファンのための、パンクライヴイベントで、今回が第1回目の開催となる。国内外から多くの人気あるパンクバンドが集まり、熱いライヴを見せてくれる、パンクファンにはたまらないフェスティヴァルだ。

11時半からの開演だが、会場は朝からグッズを買うために集まった多くの客で賑わっていた。ステージは「MOUNTAIN STAGE」と「OCEAN STAGE」の2ステージが隣同士に並んでおり、順番にライヴを展開していく形式。一方のステージのライヴが終了すると、10分後には次のバンドのライヴが始まるので、観たいバンドが多い人は大忙しだ。イベント前半は、GIRIL(exDADAS)やDJ TYÜNK BRAiN、THE LIVING END、POLYSICSなどが両ステージを盛り上げていた。

そして15時にMOUNTAIN STAGEに登場したのは、爽快なポップ・サウンドとスタイリッシュな出で立ちが印象的なシュガーカルト。この日も1曲目から飛ばしまくる。お馴染みのポップ・ナンバーから日本のTVCFに使用されて話題にもなったザ・ビートルズのカヴァー「ア・ハード・デイズ・ナイト」などを披露し、会場を沸かせていた。

ELLEGARDEN
▲ELLEGARDEN
続いてOCEAN STAGEに、紙のお面を被って登場したのはBEAT CRUSADERSだ。痛快でメロディアスなサウンドで会場を盛り上げる。ビークル名物のちょっぴりHなMCや面白トークも飛び出し会場は爆笑に包まれていた。その後もMXPX、THE ACADEMY IS...が登場し、会場はさらにヒートアップ! 気の抜けないライヴをぶっ通しで観ているオーディエンスたちは、わずかな時間で水分を補給し、エネルギーイン! 出演アーティストに負けないパワーを見せていた。そんな中、ゆるやかなレゲエ調のナンバーでスタートしたのは311。今までのパンキッシュな雰囲気から一転、会場は横ノリのグルーヴィーな空気となる。ロック、レゲエ、スカ、ファンクなど、様々な要素を取り入れた彼らの楽曲を、思い思いのノリで楽しむオーディエンスたち。ドラムソロでは、途中、ステージ中央に4台のバスドラとシンバルが用意され、メンバー全員でリズミカルなドラミングを披露するという一幕もあり、迫力満点の演出に会場からは歓声が沸きあがった。

すばらしいステージの余韻に浸りながら、OCEAN STAGEへ移動すると、後ろのほうまで人が詰め掛けている。歓声とともにELLEGARDENが登場。<PUNKSPRING>後に声帯の手術を受けるというヴォーカルの細美だが、オーディエンスの心配をよそに、伸びやかな歌声を披露してくれた。そんな細美に応えるかのように、会場はジャンプの嵐! その光景を見たメンバーの顔にも、満面の笑みが浮かんでいた。

ゼブラヘッド
▲ゼブラヘッド
そして遂に、この日一番注目されていたと思われるゼブラヘッドがMOUNTAIN STAGEに登場。新生ゼブラヘッドをひと目見ようと、会場は鮨詰め状態の超満員。早く出ろと言わんばかりに、オーディエンスたちは開演前からテンションを上げて待っていた。そんな中、キュイーンという頭を突き刺すようなノイズが響き、ステージにはグレッグ(G)の姿が現れる。続いて他のメンバーも登場し、大歓声が沸き起こる中、メロディックな爽快ナンバー「ブロードキャスト・トゥ・ザ・ワールド」に突入。会場では次から次へとダイヴやモッシュが起こり、しょっぱなから爆発寸前! 勢いは衰えることなく、新旧織り交ぜた盛り上がるナンバーで観客を煽っていた。そして「プレイメイト・オブ・ザ・イヤー」では、お決まりの「F○CK!」の掛け声をオーディエンスに言わせ、彼らも満足顔。ゼブラヘッドのステージ終了後、「楽しかった~!」、「やっぱゼブラはいいね~」という声を耳にして、新生ゼブラヘッドもしっかりファンたちに受け止められたと確信した。

バッド・レリジョン
▲バッド・レリジョン
OCEAN STAGEでPANIC! AT THE DISCOのステージが終了すると、いよいよ本日のトリ、大御所バッド・レリジョンが颯爽と登場。威風堂堂とした姿は、まさにアメリカ・パンクの王者といった感じだ。そんな彼らに圧倒されているうちに、「シニスター・ルージュ」へ突入。ヘヴィなパンク・サウンドが炸裂し、オーディエンスは腕を振り上げ、暴れまくる。怒濤のごとく押し寄せてくるパンク・ナンバーに、会場の盛り上がりも最高潮! そんな疲れ知らずのオーディエンスたちに応えるかのように、メンバーたちもさらに勢いを増し、演奏に力が入る。パンク・ロック界のドンとしての風格を、十分に感じるライヴをみせてくれた。

今回のイベントは<PUNKSPRING>と称するだけあって、出演アーティストからしてもパンクファンには十分満足できる内容だったように思う。また、フェスでのもうひとつの楽しみであるたくさんの飲食店のほかに、ステージの近くに広い観客用休憩スペースが設けられていて、自分のペースでライヴを見ることができるのもよかった。とても盛り上がったイベントだけに、第2回、3回と今後も続けていって欲しい。
この記事をポスト

この記事の関連情報