クイーンズライク、スコット・ロッケンフィールド単独インタビュー

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──クリスが脱退したがっているとわかったのはどのタイミングだったの? スコット:『ヒア・イン・ザ・ナウ・フロンティア』のツアーが終わって、ようやく僕らは落ち着いて何かまともなことをする準備が整いつつあった。でもクリスが用意したのはギターじゃなくて、すべてを持ち去るための旅行かばんとトラックだったんだ。“音楽においてできることはすべてやった。どこかよそへ行きたい”っていう感じに見えたよ。そして、彼はパイロットになった。もう長いこと話してないけど、今は飛行機を操縦してると信じてる。実際彼はそう生まれついてるんだ。おじいさんもパイロットだったし、いつもそのことを話してたからね。 ──さしあたりのツアープランはどんな感じ? スコット:アメリカ国内の予定はたぶん夏の終わりくらいかな。今はヨーロッパのツアー予定やなんかを話し合っているところ。アルバムのリリースが4月だから、それが過ぎるまでは身動きが取れないから、実際問題として一年がかりのプランになりそうだ。国内のツアーに取り掛かるまでにはまだ半年くらいかかりそうだよ。もうすぐ契約はするんだけど、8月になるんじゃないかと思う。本決まりになればその方向で進むはずさ。それからはもう疲れきって口もきけなくなるまでツアーが続くだろうね。とりあえず他のことができるチャンスは今だ、融通のきく時間は今しかないって感じだね。 ──ステージセットはどんな感じかな。第一弾の『オペレーション:マインドクライム』を再現した時のセットと似たものになるのかな? スコット:そうだと思うよ。ステージの上には役者がいてアルバムに出てくる一つ一つのキャラクターを演じるんだ。シスター・マリーのパートはすべてパメラ・ムーアが歌う。マルチスクリーンには新しい場面が映し出され、新しいものと古いもの、つまり僕らがしてきたことが結びつく。今回のプランのコンセプトはそんな感じかな。今までの自分たちの経験を生かし、第二弾のアルバムのために趣向を凝らして壮大なショーを作り上げるんだ。 ──それはすごい! でもそんな大掛かりなセットのツアーをするなんて安くはすみませんね。 スコット:うまく予算をやりくりできる人もいるのさ。まあ、大丈夫だよ。僕らはもう何年もこういうことをやってるんだから。一つのバンドとして、僕らはすべての実権を握ってるんだ。あらゆる予算について僕らの承認が必要だから、僕らがOKと言わない限り誰もお金を使うことはできない。それに僕らは技術的なことも得意だしね。バックのサウンドエフェクトは全部自分でやってる。僕のすぐ後ろに置いてあるコンピュータでね。ショーの演奏はもちろん、フィルムのキュー出しに至るまで全部僕がやってるんだぜ。ほんとにすべてを支配してるって感じだろ? ──ライブのセットの中で、Dr.Xの姿はどんな風に扱うの? スコット:いい質問だ。それについてはまだ考えてなかった。Xというキャラクター、つまりロニーをフィルムに記録することは可能だよね。そしてそれを音と同時に映像に乗せればいい。すべてタイムコードがつけられるから、僕らのパフォーマンスに合わせた正確なタイミングでフィルムを流せるはずさ。ツアーには代役も一緒に来てくれるだろうし、ひょっとしたらいくつかの公演地ではロニー本人が実際に登場するっていうラッキーなことも起こるかもしれない。 ──オープニングにディオが出演する公演地もあるの? スコット:そうだね、もしロニーがそうしてくれるならよろこんで(笑)。僕らは大歓迎だよ。ただ、まだツアー全体の計画を立てているところなんだ。まずはアルバムを完璧にしないとね。この作品にはいろいろなセクションの人間がもう1年も関わっている。これまでに自分は何をしたっけって必死で思い出さないとわからなくなっちゃうくらいさ。どのアルバムの時だって僕らはいつもそうなるんだけど(笑)。 ──どんな場所を公演地に考えているの? 演出や装置が非常に凝っているために公演地が限られてしまうことはない? スコット:それはいろんな条件の重なり方次第だと思うよ。一年のどの時期にあたるかによっては、すごく小さな会場でやらなくちゃいけないかもしれない。こういうタイプのショーをやるにはシアターみたいなところが一番いい。去年僕らがやった会場で多かったのもシアターだった。そういうところに向いたショーだからね。舞台装置としてはほんとに完璧だった。今回はきっとアリーナも1~2ヶ所あるよ。すべてはチケットの売れ行き次第だけど。それに関しては、僕らがその地域でどれだけ人気があるかってことにかかってる。どんなバンドも同じことだよね。公演地によってはクラブを会場にするところもある。そこにセットを持ち込むんだ。信じられないだろ。どんな会場でもセットを組めるように、前もってすべてプランを練っておく。スクリーンを半分にカットしたり、セットの一部を取り外したりね。状況に応じて事前に考えるんだよ。 ──ライノ・レコードと契約した一番の理由は? スコット:サンクチャリーとはアルバム1枚分の契約しかしていなかったのさ。特に期限を決めないままにしていたんだ。それが僕らのやり方さ。今回のアルバムについて話すと彼らも興味を示したんだけど、僕らほどの気持ちは感じられなかったんだ。ライノは僕らが契約先を探していると聞いてやって来て、話し合いを始めるとこう言った。“素晴らしい! ぜひこの企画をやりたいんです。私たちにとっても非常に重要なプロジェクトになるはずです”。彼らのバックにはワーナー・ミュージックがあるけどそれも悪いことじゃない。今回のリリースはライノにとってたぶんビッグ・プロジェクトになるはずだけど、僕らは大きな池の中の小さな魚のように翻弄されるつもりはないんだ。この企画に心底打ち込んでくれる人たち、その魅力を最大限に伸ばすことを助けてくれる人たちがいるはずだからね。

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