モトリー・クルー、さいたまスーパーアリーナ公演詳細レポ
「俺たちはお互いを愛してるんだ」。昨年12月6日にオリジナルメンバーで再結成し、CNNのラリー・キングが楽屋インタヴューした際に、ヴィンス・ニールが放った言葉だ。解散、ソロ活動、メンバー交替、数多くの個人的な騒動を続けてきた彼らにとって、なによりも欲しい言葉だったかもしれない。トミー・リーにいたっては、野暮な質問はよせ、と言ってのけた。酒、ギャンブル、女、隠遁、入院、訴訟、刑罰、賠償、暴力、乱闘、錯乱。音楽どころか、生きることさえままならなかった奴らが、ここに完全結束し、再び世界を駆け巡る日がやってきた。邪推は止めよう。経緯はどうであれ、最高にワルな4人が帰ってきたのだ。今年2月に世界ツアーを開始、当初から秋には東アジア地域で公演すると話していた彼らだが、フロリダを皮切りに、北米、欧州を廻り、再結成の発表から約1年を経て、ようやく日本の地にたどり着いた。
来日公演2日目となる11月20日(日)、会場となったさいたまスーパーアリーナには、’80年代のヘヴィメタル/ハードロック全盛時代からタイムスリップしてきたような、ロングヘアにレザーパンツの兄ちゃんたち、20年前にはヘッドバンギングしていたであろう休日の企業戦士、また、ツアー記念Tシャツを手に、懐かしさとうれしさの表情を浮かべる米国人、経歴が長いバンドのライヴでよくみられる親子連れ(早い時期にモトリーのようなバンドのステージを実体験できるのはうらやましくもあるが、後に18歳未満にとってはあまりにも過激なステージに少々後悔するかもしれない)、そして、ロサンゼルスで4人が出会った頃には、未だ細胞分裂もしてなかったであろう若年層といった、手厚いファンが、あらゆる悪事をやりつくした連中の、新時代の“罪の祭典”を享受しに集まった。シンプル・プランから曲提供を受け、夏にはサム41と共にツアーを敢行、こうした活動も21世紀のファンベースの形成を助けたに違いない。
まだ太陽が出ている時刻の会場だったが、週末とあって、前座のバックチェリーが出演する頃には、アリーナの空席が目立つことはなかった。バンドはヘッドライナーのセットを後部に控え、幕をバックドロップにした形でステージ前方のスリップ状の場所で演奏しなければなず、砂漠と太陽の街から来た彼らにとっては、かなり窮屈だったかもしれない。しかし、ニッキー・シックスが彼らの起用を後押しただけあって、ストレートなアメリカン・ロックがステージと客席をウォーム・アップし、オープニングアクトとしは十分過ぎる演奏を届けてくれた。バックチェリーの演奏は40分ほどで終了したが、5時の時報とほぼ同時に開演したこともあって、ロックの時間と呼ぶにはまだ早すぎる。(この間、20分あまりの休憩時間があるのだが、会場のトイレ設備にちょっとした不都合が。おそらく、各種のイベント開催において、女子トイレが混むであろうという想定のもと、女性用を増やしたのだろうが、皮肉にも、数の少ない男子トイレに行列ができてしまっていた)
客電が落ちると、観客が総立ちに。サイドスクリーンにバンドをフィーチャーしたアニメが映し出される。映像にはお決まりの、パイオツが肉体の9割を占めるベティちゃんが。そして、ステージにはカナダ生まれの小柄なMC、マイティ・マイクが登場、短いスキットのあとにスモークが立ちこめ、会場からはどよめきと歓声が上がる。トミー・リーの重厚なドラムが響く。“Shout!、Shout!……”。待望の再結成ライヴがついにスタートした。悪魔のサウンドにふさわしく、火柱が舞い上がり、導火線がメラメラとステージを走る。同時に、ヴィンスのハイトーンがこだまする。トラックの荷台にジャクージを乗せ、トップレス美女と入浴してサンセット通りを突っ走っていたあの頃の面影は薄いが、目を閉じれば、’84年の自由でドライ、どこまでも快活で、華麗、官能な時代が蘇ってくる。言い換えれば、彼らのステージは、単純、ド派手、エロ、底抜けにおバカなお祭りなのだ。
「昔へ戻ろう!」。ヴィンスが叫ぶと、ボンデージのセクシー美女が登場し、ステージは巨大なストリップバーと化した。「ずっとずっと昔へ戻ってみないか!!」。ヴィンスが再びオーディエンスに呼びかけた。その言葉通り、'81年のインディペンデントLP『Too Fast For Love』からタイトルトラックの「Too Fast For Love」、そして「On With The Show」といった、懐かしのナンバーを披露。その後の「Looks That Kill」では誰もが拳を振り上げる。メンバーも前日に行われた日本ツアー初日の反応に満足し、リラックスした様子。ニッキー・シックスの斬新なメイクも栄え、手術から回復したミック・マーズのスカルハットからは妖気が漂う。しかし、何よりも目立ったのは、いちばん奥に構えているドラマーのトミーだ。テレビ出演やソロ作で大成功を収めた彼は、バッドボーイの中でも頂点を極めた。タトゥしか見えない上半身にスティックをガンガン振り回し、ツインバスを響かせる姿は、どこまでもパワフルで、サーカスの要となるアトラクションだ。ミックのギターからディストーションが轟くと「Live Wire」がスタートした。ヴィンスが客席にマイクを向ける場面が増える。ステージはこれでもかと言わんばかりの、豊満な美女と、過激なパイロ。そろろそ目がチカチカしてきたところで、前半戦が終了。幕が降りた。公演は2部構成で、短い幕間が入る。後半は果たして人間でいることができるだろうか。
会場は客電が落ちたままだ。すると、袖から2人のTバック美女が登場。ひとりがフロアーに座り、股を大きく開くと、その上にもうひとりがのかった。合体のポーズ。言っておくが、ここはストリップ劇場でなく、ライヴ会場だ。暗闇の中で、バイクのエンジン音が鳴り出した。「Girls, Girls, Girls」の軽快なコーラスがエロスを倍増させる。官能の祭典はまだ続く。今度はオープニングに登場したマイティ・マイクに首輪をはめ、ムチを持った“女王様”が登場した。ストリップ、レズ、SM、行き着くところまで行ってしまえ。過激きわまりないが、それでもこれは単なる序章にすぎないことが後に判明する。曲はヴィンスがリズムギターを奏で「Don't Go Away Mad(Just Go Away)」に。マイナーな衣装チェンジを経て、ジャケットの背には“FUCK OFF”の文字。ミックのハットも新しいものになった。トミーは相変わらず、裸同然のままだ。
「Glitter~Without You」でエロから一転してバラードムードへ突入。そして、名曲「Home Sweet Home」ではヴィンスの“指揮”のもと、冒頭の“You Know I'm a dreamer...”からザビ前まで、会場が大合唱! 圧巻だ。なんと、ここで涙を流すメタルファンの姿も。
感動した後には再びエロと火柱の世界へ。Tバック・ボンデージ美女がポータブルパイロを手にセクシーダンスを披露。股から火、爆発、パイオツに炎、と至れり尽くせり。「Dr. Feelgood」ではナースのコスプレといった、一貫して単純、おバカ、エロの世界が繰り広げられた。
終盤にさしかかって、ワルの“サーカス”の見せ場がやってきた。トミーがドラムへの愛、そして人々への愛を語り、ゆっくりと大きなジェスチャーを混ぜて“アイ・ラヴ・ユー”と会場にメッセージを送る。すると、上空2箇所に吊されたキットへジャンプ。さながら、壮大なマジックショーだ。トミーはワイアを使用し、ステージ上空の両サイドにあるキットからキットへと空中ブランコの曲芸師のように飛び移る。最後にはパイロが炸裂し、地上に舞い戻ってきた。ドラムソロにしては時間が長かったと思われるが、まったく退屈することがなく、楽しみが尽きない。このワイア・アクションに観客は時間を忘れる。ニッキーはこれから「過去にどのバンドもやったことがないことをする」と前置きし、総立ちの観客を全員、座らせた。そして、1、2、3でジャンプし、自分たちの存在をアメリカへ向かってスクリームしろ、と煽る。観客が自分自身を解放し、ホットになってきたところで、彼らの本領が発揮された。コンサートを見に来た、特に男性陣にとっては、オイシい時間となった“エロタイム”に突入。トミーが最前列の女性たちに向かって、なんと「おっぱいをみせてくれ!」。「怖がらないで」。とはいうものの、日本の「恥」の文化と欧米の「罪」の文化が接点を持つのは、時代が変わろうとも、容易ではなかったようだ。さすがに、これには大半の女性が拒否。しかし、勇気(または露出癖?)のある数名の女性が自らまくり上げて美乳、巨乳、豊乳を披露、巨大スクリーンに映し出され、会場の男性陣からはどよめきが。毎度、断っておくが、ここはアダルトビデオの撮影現場ではない、コンサート会場だ。そして、よく考えてほしい、モトリー・クルーのコンサートだということを。トミーは執拗に、「おっぱいをみせろ」とせがむ。最後になんとか、満足するまでの数のパイオツを堪能したところで、乳見せタイムが終了した。もちろん、スクリーンを通して観客全員がみたことになる。ここで“乳出し”で盛り上がらせてくれた女性たちに感謝。
そして、ショーは「Same Ol’ Situation」の大合唱でクライマックスに。その後、腰を気遣ってか、過度な動きはなく半分腰掛けた状態でのプレイだったが、ミックのギターソロが会場を湧かせた。彼のアームワークがうなりをあげると、「Kickstart My Heart」に突入。オープニングナンバーでも栄える曲だが、今回はセットの最後に演奏された。最後にベースギターをフロアにガンガン叩きつけて破壊、観客は半狂乱だ。
全体としては大半が’80年代の楽曲だったが、新曲の「Sick Love Song」も披露された。欲を言えば、今回は演奏されなかったシングル「If I Die Tomorrow」も聴きたかったところ。アンコールが終わると、2時間半が経過していた。前半は'80年代の追憶、後半にサーカスを堪能し、隙間のないステージだった。彼らは先日、来年(’06年)も世界ツアーを続行することを発表。シンプル、エロ、パイロのサーカスは、今後も世界を席巻しそうだ。
T.Kimura
<Carnival Of Sins Tour>
11/20 さいたまスーパーアリーナ
Set List:
01. Shout At The Devil
02. Too Fast For Love
03. Ten Seconds To Love
04. Red Hot
05. On With The Show
06. Looks That Kill
07. Louder Than Hell
08. Live Wire
--- Intermission ---
09. Girls, Girls, Girls
10. Wild Side
11. Don't Go Away Mad (Just Go Away)
12. Primal Scream
13. Glitter ~ Without You
14. Home Sweet Home
15. Dr. Feelgood ~ Tommy Lee Drum Solo
16. Same Ol' Situation (S.O.S) ~ Mick Mars Solo
17. Sick Love Song
18. Kickstart My Heart
-Encore-
19. Anarchy In The U.K.
来日公演2日目となる11月20日(日)、会場となったさいたまスーパーアリーナには、’80年代のヘヴィメタル/ハードロック全盛時代からタイムスリップしてきたような、ロングヘアにレザーパンツの兄ちゃんたち、20年前にはヘッドバンギングしていたであろう休日の企業戦士、また、ツアー記念Tシャツを手に、懐かしさとうれしさの表情を浮かべる米国人、経歴が長いバンドのライヴでよくみられる親子連れ(早い時期にモトリーのようなバンドのステージを実体験できるのはうらやましくもあるが、後に18歳未満にとってはあまりにも過激なステージに少々後悔するかもしれない)、そして、ロサンゼルスで4人が出会った頃には、未だ細胞分裂もしてなかったであろう若年層といった、手厚いファンが、あらゆる悪事をやりつくした連中の、新時代の“罪の祭典”を享受しに集まった。シンプル・プランから曲提供を受け、夏にはサム41と共にツアーを敢行、こうした活動も21世紀のファンベースの形成を助けたに違いない。
まだ太陽が出ている時刻の会場だったが、週末とあって、前座のバックチェリーが出演する頃には、アリーナの空席が目立つことはなかった。バンドはヘッドライナーのセットを後部に控え、幕をバックドロップにした形でステージ前方のスリップ状の場所で演奏しなければなず、砂漠と太陽の街から来た彼らにとっては、かなり窮屈だったかもしれない。しかし、ニッキー・シックスが彼らの起用を後押しただけあって、ストレートなアメリカン・ロックがステージと客席をウォーム・アップし、オープニングアクトとしは十分過ぎる演奏を届けてくれた。バックチェリーの演奏は40分ほどで終了したが、5時の時報とほぼ同時に開演したこともあって、ロックの時間と呼ぶにはまだ早すぎる。(この間、20分あまりの休憩時間があるのだが、会場のトイレ設備にちょっとした不都合が。おそらく、各種のイベント開催において、女子トイレが混むであろうという想定のもと、女性用を増やしたのだろうが、皮肉にも、数の少ない男子トイレに行列ができてしまっていた)
客電が落ちると、観客が総立ちに。サイドスクリーンにバンドをフィーチャーしたアニメが映し出される。映像にはお決まりの、パイオツが肉体の9割を占めるベティちゃんが。そして、ステージにはカナダ生まれの小柄なMC、マイティ・マイクが登場、短いスキットのあとにスモークが立ちこめ、会場からはどよめきと歓声が上がる。トミー・リーの重厚なドラムが響く。“Shout!、Shout!……”。待望の再結成ライヴがついにスタートした。悪魔のサウンドにふさわしく、火柱が舞い上がり、導火線がメラメラとステージを走る。同時に、ヴィンスのハイトーンがこだまする。トラックの荷台にジャクージを乗せ、トップレス美女と入浴してサンセット通りを突っ走っていたあの頃の面影は薄いが、目を閉じれば、’84年の自由でドライ、どこまでも快活で、華麗、官能な時代が蘇ってくる。言い換えれば、彼らのステージは、単純、ド派手、エロ、底抜けにおバカなお祭りなのだ。
「昔へ戻ろう!」。ヴィンスが叫ぶと、ボンデージのセクシー美女が登場し、ステージは巨大なストリップバーと化した。「ずっとずっと昔へ戻ってみないか!!」。ヴィンスが再びオーディエンスに呼びかけた。その言葉通り、'81年のインディペンデントLP『Too Fast For Love』からタイトルトラックの「Too Fast For Love」、そして「On With The Show」といった、懐かしのナンバーを披露。その後の「Looks That Kill」では誰もが拳を振り上げる。メンバーも前日に行われた日本ツアー初日の反応に満足し、リラックスした様子。ニッキー・シックスの斬新なメイクも栄え、手術から回復したミック・マーズのスカルハットからは妖気が漂う。しかし、何よりも目立ったのは、いちばん奥に構えているドラマーのトミーだ。テレビ出演やソロ作で大成功を収めた彼は、バッドボーイの中でも頂点を極めた。タトゥしか見えない上半身にスティックをガンガン振り回し、ツインバスを響かせる姿は、どこまでもパワフルで、サーカスの要となるアトラクションだ。ミックのギターからディストーションが轟くと「Live Wire」がスタートした。ヴィンスが客席にマイクを向ける場面が増える。ステージはこれでもかと言わんばかりの、豊満な美女と、過激なパイロ。そろろそ目がチカチカしてきたところで、前半戦が終了。幕が降りた。公演は2部構成で、短い幕間が入る。後半は果たして人間でいることができるだろうか。
会場は客電が落ちたままだ。すると、袖から2人のTバック美女が登場。ひとりがフロアーに座り、股を大きく開くと、その上にもうひとりがのかった。合体のポーズ。言っておくが、ここはストリップ劇場でなく、ライヴ会場だ。暗闇の中で、バイクのエンジン音が鳴り出した。「Girls, Girls, Girls」の軽快なコーラスがエロスを倍増させる。官能の祭典はまだ続く。今度はオープニングに登場したマイティ・マイクに首輪をはめ、ムチを持った“女王様”が登場した。ストリップ、レズ、SM、行き着くところまで行ってしまえ。過激きわまりないが、それでもこれは単なる序章にすぎないことが後に判明する。曲はヴィンスがリズムギターを奏で「Don't Go Away Mad(Just Go Away)」に。マイナーな衣装チェンジを経て、ジャケットの背には“FUCK OFF”の文字。ミックのハットも新しいものになった。トミーは相変わらず、裸同然のままだ。
「Glitter~Without You」でエロから一転してバラードムードへ突入。そして、名曲「Home Sweet Home」ではヴィンスの“指揮”のもと、冒頭の“You Know I'm a dreamer...”からザビ前まで、会場が大合唱! 圧巻だ。なんと、ここで涙を流すメタルファンの姿も。
感動した後には再びエロと火柱の世界へ。Tバック・ボンデージ美女がポータブルパイロを手にセクシーダンスを披露。股から火、爆発、パイオツに炎、と至れり尽くせり。「Dr. Feelgood」ではナースのコスプレといった、一貫して単純、おバカ、エロの世界が繰り広げられた。
終盤にさしかかって、ワルの“サーカス”の見せ場がやってきた。トミーがドラムへの愛、そして人々への愛を語り、ゆっくりと大きなジェスチャーを混ぜて“アイ・ラヴ・ユー”と会場にメッセージを送る。すると、上空2箇所に吊されたキットへジャンプ。さながら、壮大なマジックショーだ。トミーはワイアを使用し、ステージ上空の両サイドにあるキットからキットへと空中ブランコの曲芸師のように飛び移る。最後にはパイロが炸裂し、地上に舞い戻ってきた。ドラムソロにしては時間が長かったと思われるが、まったく退屈することがなく、楽しみが尽きない。このワイア・アクションに観客は時間を忘れる。ニッキーはこれから「過去にどのバンドもやったことがないことをする」と前置きし、総立ちの観客を全員、座らせた。そして、1、2、3でジャンプし、自分たちの存在をアメリカへ向かってスクリームしろ、と煽る。観客が自分自身を解放し、ホットになってきたところで、彼らの本領が発揮された。コンサートを見に来た、特に男性陣にとっては、オイシい時間となった“エロタイム”に突入。トミーが最前列の女性たちに向かって、なんと「おっぱいをみせてくれ!」。「怖がらないで」。とはいうものの、日本の「恥」の文化と欧米の「罪」の文化が接点を持つのは、時代が変わろうとも、容易ではなかったようだ。さすがに、これには大半の女性が拒否。しかし、勇気(または露出癖?)のある数名の女性が自らまくり上げて美乳、巨乳、豊乳を披露、巨大スクリーンに映し出され、会場の男性陣からはどよめきが。毎度、断っておくが、ここはアダルトビデオの撮影現場ではない、コンサート会場だ。そして、よく考えてほしい、モトリー・クルーのコンサートだということを。トミーは執拗に、「おっぱいをみせろ」とせがむ。最後になんとか、満足するまでの数のパイオツを堪能したところで、乳見せタイムが終了した。もちろん、スクリーンを通して観客全員がみたことになる。ここで“乳出し”で盛り上がらせてくれた女性たちに感謝。
そして、ショーは「Same Ol’ Situation」の大合唱でクライマックスに。その後、腰を気遣ってか、過度な動きはなく半分腰掛けた状態でのプレイだったが、ミックのギターソロが会場を湧かせた。彼のアームワークがうなりをあげると、「Kickstart My Heart」に突入。オープニングナンバーでも栄える曲だが、今回はセットの最後に演奏された。最後にベースギターをフロアにガンガン叩きつけて破壊、観客は半狂乱だ。
全体としては大半が’80年代の楽曲だったが、新曲の「Sick Love Song」も披露された。欲を言えば、今回は演奏されなかったシングル「If I Die Tomorrow」も聴きたかったところ。アンコールが終わると、2時間半が経過していた。前半は'80年代の追憶、後半にサーカスを堪能し、隙間のないステージだった。彼らは先日、来年(’06年)も世界ツアーを続行することを発表。シンプル、エロ、パイロのサーカスは、今後も世界を席巻しそうだ。
T.Kimura
<Carnival Of Sins Tour>
11/20 さいたまスーパーアリーナ
Set List:
01. Shout At The Devil
02. Too Fast For Love
03. Ten Seconds To Love
04. Red Hot
05. On With The Show
06. Looks That Kill
07. Louder Than Hell
08. Live Wire
--- Intermission ---
09. Girls, Girls, Girls
10. Wild Side
11. Don't Go Away Mad (Just Go Away)
12. Primal Scream
13. Glitter ~ Without You
14. Home Sweet Home
15. Dr. Feelgood ~ Tommy Lee Drum Solo
16. Same Ol' Situation (S.O.S) ~ Mick Mars Solo
17. Sick Love Song
18. Kickstart My Heart
-Encore-
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