──イギリスに先駆けて日本でデビューするというのはどんな心境ですか?
アレックス・スタンプ(Vo&Key、以下アレックス):すごくうれしいし、素晴らしいことだわ。日本のことはすごく魅力的な国だと思ってから。
──「LOOP & LOOP(UNDER THE THUNDER)」でデビューしたわけですが、原曲を最初に聴いたときの感想は?
ヘイリー・ボニック(G&Vo、以下ヘイリー):「ループ&ループ」を初めて聴いたときは、ギターのメロディ・ラインが際立ってて、すごくカッコイイと思ったわ。でも歌詞は少し自分たちのテイストとはちょっと違うと思ったから少し変えたりしてね。ほかの部分もちょっとずつ変えてインダストリアル・ソルトのテイストにしていったの。
──曲を聴いて日本とイギリスの違いみたいなものは感じましたか?
ヘイリー:正直、イギリスでは日本の音楽を耳にする機会はあんまりないの。今回この曲をカヴァーするために初めてアジカンを聴いたんだけど、すごく好きなメロディ・ラインがたくさんあったし、ホントにいい曲だと思ったわ。
──そもそも2人が音楽を始めたきっかけは?
アレックス:14歳のときクリスマス・プレゼントでピアノをもらったの。レッスンとかそういう堅いことは抜きにして、ラジオで流れてる曲を耳コピーしたり。それがだんだん面白くなってきて、いつの間にか自分で曲を書くようになってたの。それで、もうちょっと専門的に勉強をしたいと思うようになって音楽学校に入ったのよ。
ヘイリー:わたしは小さい頃からピンク・フロイドを聴いたりしてたの(笑)。それで、楽器を始めたきっかけは、アレックスと同じくクリスマス・プレゼント。2歳のときにミッキーマウスのギターをもらったのよ。7、8歳のときにはちゃんとしたギターを買ってもらってた。それで16歳のときに初めて作曲したわ。その曲を聴いたスティーブ(カジャグーグーのギタリスト、インダストリアル・ソルトのプロデューサーの一人)がニック(同ベース)を紹介してくれて、後にアレックスも参加してバンドが結成されたの。
──なるほど。ちなみに、あなたたちのプロデューサーでもあるカジャグーグーのスティーブと出会ったきっかけは?
ヘイリー:偶然わたしのギターの先生だったの。初めは、彼が出していた生徒募集のチラシを見て応募したのよ。
──ちなみにカジャグーグーは聴いたことありました?
ヘイリー:え、カ、ジャ、グー、誰?(フー?) 全然知らなかったわ。だって彼らが活躍していた頃、わたしはまだ生まれてなかったんだもん(笑)。でも、ママは知ってたみたい。
アレックス:うふふ(笑)。でも、スティーブとニックは偉大なミュージシャンだし、経験も豊富で、彼らのお陰でいいアルバムができたと思ってる。
──ヘイリーのフェイバリット・バンドには今も名前の出たピンク・フロイドとか、ほかにもレッド・ツェッペリンなどが入ってますよね。どちらかというと、ヘイリーのお父さんの世代ぐらいのバンドだと思うけど、そういう音楽との出会いは?
ヘイリー:もう赤ちゃんのときから洗脳されてたんだと思う(笑)。あなたの言うように父の影響が大きいわ。お父さんはブラック・サバスとかレッド・ツェッペリンとか、ハードなロックが大好きだから。でも、お母さんは全然趣味が違って、モータウンとかキャロル・キングとか、メロウなのが大好きなの。面白いでしょ? わたしはどちらの影響も受けてるんだと思う、幅広い音楽が好きよ。
──そういった音楽ってインダストリアル・ソルトの曲からはちょっと想像できないですね。どうやって今の音楽性にたどり着いたの?
ヘイリー:自分が好きなバンドの真似をするだけだったら、コピーになっちゃうと思うんだよね。新鮮な音楽を作ること、自分らしさを出すことが大事だと思うわ。
アレックス:うん、オリジナリティを出せなければアーティストとして存在する意義がないんじゃないかな。個性って、一番大事にしていることよ。
──イギリスの現在の音楽シーンは、若くて有望なバンドが多数出てきている一方、たとえばアメリカや日本と比べると、女性アーティストがあまり活躍していない印象があるんですけど、女の子の立場からはどう思います?
ヘイリー:そうね、今はホントにそうだと思う。誰かが変えなくちゃいけないわ!
アレックス:男の子のバンドってどれも似たり寄ったり。次から次へと似たようなバンドばっかり出てきて退屈よ。だから、今こそわたしたちが出て行くチャンスなの!
取材・文●末吉靖永
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