BONNIE PINK、自身の新たな側面を表現したNEWアルバム『Golden Tears』を語る-Interview

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BONNIE PINK INTERVIEW

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──歌詞を読んでいると、ボニーさんはいま充実した状態にあるのかなって気がしました。

ボニー:あはは(笑)。でも、作曲を始めた去年の11~12月頃は、すごく不安定だったんですよ。なんかこう"どうしよう、この先"みたいな。すごく煮詰まっちゃってて。周りの人に意見を聞いても、みんな言ってることのベクトルがいろんな方向に向いてて。それをひとつに絞るのは難しいし、かと言って無視することもできないし。なんか、素直にいろんな意見を聞き入れすぎちゃって、疲れてしまって。それで"もうヤダ! あたしはあたしで良いんだ!!"って、吹っ切れちゃったんですよ(笑)。それをわりと波がない感じで、歌詞に出せたらいいなって思って書いたんです。"自分を信じていけば良いんだ"というか、自分を許して肯定してあげるというか。だから、吹っ切れたあとに書いた曲は、そういう感じが多いですね。

──確かに今回の歌詞からはあまり "否定"の要素が感じられませんね。

ボニー:この歌詞は誰かにむけているようで、すべて自分にむいてるものが多いんです。わたし、実は、すっごい打たれ弱くて、ちょっと言われると、すごく気にしちゃって、"もうダメかも……"ぐらいに思うこともあるんですよ。でも、それは全部真っ向から受け止めてしまう自分のせいでもあると思ってて。そんなんだったら、いっそ聞かないとか、ちょっとぐらい無視するぐらいの心のゆとりというか、たくましさというか、したたかさというか、そういうものをもうちょっと養わないとなぁって。挫けてばかりいられないじゃないですか。だから、自分で自分を励ますような曲をいっぱい書いたんですよ。わたし、褒められたほうが伸びるんです(笑)。それに、今回の曲を聴いて、強い気持ちになってもらえれば嬉しいし。

──では、今作のテーマは?

ボニー:強いて言えば、"自分を信じるって、大事だな" とか、そういうところにあるのかな。相手に求めすぎても、それが返ってこなかった時に落ち込むのは自分じゃないですか。自分のことを言わないでも理解してほしいとか、そういう相手に言ってるようなことも、自分の中で折り合いをつけて、ここまでは聞き入れて、ここからは自分で決断すればいいやって思うようになったんです。ラストの「Believe」は、まさにそんなテーマの曲で、"信じないと前に進めない"っていうメッセージを込めました。

──10月22日からはこのアルバムを引っ下げて、全国ツアーも始まります。

ボニー:今回のアルバムは打ち込みの要素が強いので、そこをどうやってやろうか、思案中です。ある程度プログラミングしたものと演奏を同気させるとか、そういうのを生でやるっていうのもおもしろいし。ライヴでどこまでアルバムの世界観を具現化できるか、みたいな。

──今後、ボニーさんはどのような方向性に向かっていくと思いますか?

ボニー:う~ん、まだわからないですね、アルバムを作り終えたばかりだし。今回のアルバムでは、やりたいことが色々と消化できたので満足度も高いから。ただ、その満足度が100%になることはなくて、やり残したものは次でやるって言うスタンスで前進してきたので、 "これでもう終わりです"というのはないんです。なんか、またすごく地味なものを作るかもしれないし。でも、激しい音楽も好きだから、そういう音楽の要素を排除することも難しいし。う~ん、その時が来たら考えます(笑)。

取材/文●宮崎敬太

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