――新作が2枚組になったのには、何かきっかけがあったのでしょうか?
デイヴ:前作のツアーの後、スタジオを作るために倉庫を探すことになったんだけど、オレはその間に、家で録ってあったアコースティック素材をもとに映画のスコアでも作ろうと思って、またアコースティックの曲を書き始めたんだ。でも同時に、ロックの曲もいくつか作ってた。で、そんなことをやってるうちに、いい物件が見つかってさ。そしたら急に次の作品に対するエネルギーが湧いてきたんだよ。ダブル・アルバムにしようっていうアイディアと一緒にね。それからリハーサルをやったりして、長い時間がかかったな。
――その2枚は、ロック・アルバムとアコースティック・アルバムという対照的なスタイルなわけですが、それぞれにテーマのようなものはあったのですか?
デイヴ:特にはなかったね。
クリス:でも、サウンドは全然別物でも、まるで背中合わせみたいな感じがするな。
デイヴ:演奏の仕方やソングライティングの仕方、つまりサウンドに対するアプローチには、それぞれ自分のやり方があって、楽曲に自分の痕跡が残るんだよね。たとえばギターだったら、アコースティック・ギターでもロック・ギターでも、同じ人がプレイすれば、そこにその人独特の跡が残る。要するに、テイラーのドラムとクリスのギターとネイトのベース、そしてオレの声が全部一緒になると、ほかに何が入っていようとなかろうと、それはフー・ファイターズのサウンドなんだよ。
――今作は、10年を経たフー・ファイターズのネクスト・ステージと捉えてもいいのではないでしょうか?
テイラー:それはポジティヴな考え方だね。
デイヴ:今回は、そう言われることが多いんだよな。バンドの新章の始まりとか、未来を拓くとかさ。オレはいつだって未来を切り開くことを考えてるけど、同時に過去の作品も全部愛してる。でも、今度の新作には一番意味があるんだ。例えば20年後とかに、フー・ファイターズのCDをどれかひとつ買うなら『イン・ユア・オナー』だって言われたい。そう思うんだよ。そんな気持ちになったのは初めてなんだ」
――<FUJI ROCK FESTIVAL>はヘッドライナーですね。楽しみにしている日本のファンへ、メッセージをお願いします。
デイヴ:オレたちもすごく楽しみなんだ。デカいロック・ショーになるよ!
取材・文●鈴木宏和
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『イン・ユア・オナー』 BMGファンハウス BVCP-28050/1 \2,940(tax in) ●DISC 1 1. イン・ユア・オナー 2. ノー・ウェイ・バック 3. ベスト・オブ・ユー 4. DOA 5. ヘル 6. ザ・ラスト・ソング 7. フリー・ミー 8. リゾルヴ 9. ザ・ディーペスト・ブルーズ・アー・ブラック 10. エンド・オーヴァー・エンド 11. ザ・サイン
●DISC2 1. スティル 2. ワット・イフ・アイ・ドゥ 3. ミラクル 4. アナザー・ラウンド 5. フレンド・オブ・ア・フレンド 6. オーヴァー・アンド・アウト 7. オン・ザ・メンド 8. ヴァージニア・ムーン 9. コールド・デイ・イン・ザ・サン 10. レイザー
●オリジナルTシャツ(応募締め切り:2005年6月30日)
●フー・ファイターズ オフィシャル・サイト(BMGファンハウス) |