ザ・ティアーズ、黄金コンビ復活のライヴレポート
元スウェードのブレット・アンダーソンとバーナード・バトラーが結成したニュー・バンド、ザ・ティアーズが5月23日、ロンドンのシェパーズ・ブッシュ・エンパイアでショウを行なった。この夜は、間もなく発売されるデビュー・アルバム『Here Comes The Tears』をプロモーションし行なわれたUKツアーの最終日。黄金コンビの復活はUKのミュージック・シーンで暖かく迎えられている。先にリリースされた1stシングル「Refugees」はトップ10に入り、ニュー・アルバムも批評家の間で高い評価を得ている。この夜会場に集まったのは、彼らを新しく知った人たちとスウェード時代からのファンが入り混じった感じだが、古いファンのほうが多いようだ。年齢層はやや高め。ルックスの面で騒がれることも多かったスウェードだが、女性ファンより男性同士で来ている人たちのほうが多かった。
青いライトに照らし出されたステージに登場したメンバーは、ニュー・シングルとなる「Lovers」でショウをスタート。長い間、犬猿の仲といわれていた2人だが、視線を交わしたり向かい合ってパフォーマンスする姿を見ると、過去のわだかまりはなくなったようだ。スウェードの後期では「自分が何かに挑戦させられているとは思えなかった」と話していたアンダーソン。新たな創作意欲をかき立てるために必要だったのが、決して“イエス・マン”にはならないバーナードの存在だったのだろう。ステージもアンダーソンだけが中心となるわけではなく、バーナードの存在感が大きい。以前、アンダーソンがインタヴューで話していたように、いい意味で対抗意識をもてる組み合わせなのだろう。もしかして彼が1番意識しているのは、観客ではなくバーナードの反応なのかもしれない。
バーナードのトレードマークともいえる、ひねりのきいたギター・リフを聴くことができるが、サウンドはスウェード時代よりもストレート。年齢を重ね、いらない装飾品を捨て去ったという感じがする。しかし、アンダーソンのナルシストが入ったパフォーマンスは健在だ。両手を広げたり、床にひざまずいて熱唱。バトラーもそれに応えひざまずきながらギターを弾く場面もあった。
最後にはスウェード時代からのお決まり、赤いバラの花がステージに投げ込まれた。しかし、ザ・ティアーズには、この先、スウェードとは別のファンがついていくことだろう。2人のコンビ再結成は、スウェードへの懐古趣味ではなく、あくまでもニュー・バンドの始まりなのだ。
ザ・ティアーズは7/20にデビュー・アルバムの日本盤を発売。そして8/13・14にはSUMMER SONIC 05に出演する。
Ako Suzuki, London
青いライトに照らし出されたステージに登場したメンバーは、ニュー・シングルとなる「Lovers」でショウをスタート。長い間、犬猿の仲といわれていた2人だが、視線を交わしたり向かい合ってパフォーマンスする姿を見ると、過去のわだかまりはなくなったようだ。スウェードの後期では「自分が何かに挑戦させられているとは思えなかった」と話していたアンダーソン。新たな創作意欲をかき立てるために必要だったのが、決して“イエス・マン”にはならないバーナードの存在だったのだろう。ステージもアンダーソンだけが中心となるわけではなく、バーナードの存在感が大きい。以前、アンダーソンがインタヴューで話していたように、いい意味で対抗意識をもてる組み合わせなのだろう。もしかして彼が1番意識しているのは、観客ではなくバーナードの反応なのかもしれない。
バーナードのトレードマークともいえる、ひねりのきいたギター・リフを聴くことができるが、サウンドはスウェード時代よりもストレート。年齢を重ね、いらない装飾品を捨て去ったという感じがする。しかし、アンダーソンのナルシストが入ったパフォーマンスは健在だ。両手を広げたり、床にひざまずいて熱唱。バトラーもそれに応えひざまずきながらギターを弾く場面もあった。
最後にはスウェード時代からのお決まり、赤いバラの花がステージに投げ込まれた。しかし、ザ・ティアーズには、この先、スウェードとは別のファンがついていくことだろう。2人のコンビ再結成は、スウェードへの懐古趣味ではなく、あくまでもニュー・バンドの始まりなのだ。
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