『ディア モデストマン』ビクターエンタテインメント VICL-61627 \3,045(tax in) 2005年4月21日発売 01. Dear modestman 02. a man song-或る男の唄- 03. sakura 04. Mumbai moon 05. sogni d'oro 06. my story 07. dreaming of you 08. 今朝ひらめいたコト… 09. La Mer 10. 誤差の囁き 11. TESTIMONE 12. 夢の果てに 13. wherever you are…i'm with you
|
▲BARKSユーザーに 特別メッセージ到着!
| <coba tour 2005 ~ディア モデストマン~>
2005年 07/08(金) 東京SHIBUYA-AX 07/10(日) 大阪なんばHatch 07/14(木) 名古屋Zepp Nagoya 08/27(土) 札幌STVスピカ 08/28(日) 室蘭市民会館 08/29(月) 滝川市文化センター 08/30(火) 釧路市民文化会館 11/04(金) 仙台電力ホール 11/30(水) 広島アステールプラザ 12/02(金) 愛媛県県民文化会館 12/05(月) 岡山市民文化ホール 12/06(火) 津リージョンプラザ 12/12(月) 金沢市文化ホール 12/14(水) 新潟りゅーとぴあ・劇場 12/16(金)長野県県民文化会館・中ホ-ル
※詳細は、 オフィシャル・サイトにて |
| ──今日もボーダー柄のシャツですね。今度のアルバムジャケットもボーダーを着た人がたくさん写っています。これはcobaさんのテーマなんですか?
coba:10年位前にcobaのユニフォームを作りたいと思って。それと、僕の楽曲に「Varca I Confini」(Confiniは“国境”、Varcaは“越える”で“国境を越えろ”の意)というのがあるんですが、ボーダーはなくてはならないもの、でも同時に越えなくてはならないもの。こういうことは生きる姿勢として大変重要なことだと思います。どんな意味にせよボーダーのないところには文化は育たない。それを敢えて身に纏いながらも同時にそれを乗り越えるために努力するという、ある意味表裏一体の反目性みたいなところを楽しんでいる感じがあります。
──アルバムジャケットにもそういうメッセージが含まれていますね。
coba:別れと出会いの場、そして出発と到着の場所である空港は、象徴的ですよね。今回はある出会いを通じてインドのボンベイ・ストリングスと競演することができて。そんなことも含めてこういうジャケットにしました。
──ボンベイ・ストリングスと共演しているのがこのアルバムの大きなポイントですが、彼らと共演しようと思っていたのはいつごろからですか。
coba:95~97年にかけてビョークとのワールドツアーのためロンドンに住んでいました。その時たまたまTVで観かけたBBCの番組が、インド映画のメイキングのドキュメンタリーで、その音楽のレコーディング風景で登場したのが彼らでした。その音は、僕の中のヴァイオリンのイメージを根本的に覆す程強烈でした。“こんなにすごいストリングスチームが世の中にあったのか”とブッ飛び、そしていつの日にか絶対に競演してみたいと。それが95年で、今年でちょうど10年越しの夢を叶えることができました。
──彼らのどこに最も魅力を感じたんでしょうか。
coba:彼らのストリングスを聴いて、西洋楽器のバイオリンという概念をブチ壊されました。“これはインド楽器だ”と。そのサウンドは、今までの固定的な考え方の枠に入らない。彼らは自分たちの魂をそのままバイオリンで奏でているだけ。バイオリンという楽器をそれらしく弾こうとしているわけじゃないんですね。インドには全ての時間にそれぞれの時間に特有な旋律(ラーガ)があるそうです。音楽と人間の生活、生き方が完全に一体化しているわけです。そういうところで育った人たちだからこそ、バイオリンをバイオリン的にではなく、内からの溢れるような歌声として奏でることができるのだと思いました。ただ内なるものをそのまま表現しているだけ。でもそれが素晴らしいんです。
──文化の違いが音に如実に出ているということでしょうか。
coba:文化は、距離を稼げば稼ぐほど成熟していくというのが僕の考えです。例えば、カレーはインドからヨーロッパを経由して、日本に来たんです。その途中で屈折を繰り返して、インドのものとは全く違う今の日本のカレーライスになったわけです。そうやって、物事は屈折すればするほど面白みを増すんですね。楽器も同じで、混血すればするほど面白いことになっていくんです。それもハイセンスな目線によって、必然性をもって屈折したものほど凄みがあるんですね。
──「dreaming of you」での新良幸人さん(パーシャ・クラブ)とも運命的な出会いだったんでしょうか?
coba:そうですね。何よりも彼の人柄に魅力を感じました。ロマンチストで素敵な人です。最初はちょっと三線を入れてもらうだけのつもりでしたが、レコーディングが近づくにつれて“それでいいのか?”って自問自答するようになっちゃって、“やっぱり曲を書こう”ということになって一生懸命作ったのがこのメロディなんです。彼への僕の愛の証かな(笑)。
──アルバムタイトル曲「Dear modestman」は調律師の故渡邊節男さんに捧げた曲ですね。
coba:神田の駿河台下にお店を構えておられて、イタリア留学から帰国後、ずっとお世話になっていました。僕の楽器の音色を決めてくれた人です。アコーディオンはピアノなどと違って調律のセオリーが自由で、わざと数セント(=音の単位)ずらしてビブラートをつけたりするのが醍醐味。音色そのものに影響を及ぼします。音が硬くなったり柔らかくなったり。調律師の感性と腕一つで変わっていきます。
──思い描くような音を作ってくれる人だったんですね。
coba:僕には子供の頃に聴いた理想の音というのがあって、それを渡邊さんと一緒に目指したんです。何年もかかって二人で作り上げたのが、いまアルバムなどで使っている音色です。彼の手にかかると、楽器そのものが変わりました。決して大げさではなく、持っただけで迫力が違う。昨年末に急逝された彼の作品を僕のメロディで永遠に残したい。最初から彼に捧げるつもりでこのアルバムを作りました。
──アルバムはいろいろな音楽の要素が混在しています。cobaさんが目指す音楽の形態を一つだけ言うことってできるんでしょうか。
coba:難しいですね。言うならばcobaミュージックかな。自分が子供の頃に人生をも左右するほど影響を受けたポップミュージックがあったわけですよね。それに匹敵するようなものを作りたいというか。僕の音楽を聴いてくれる人に感動してほしい。アイテム化された音楽ではなくて、本当に心を動かす音楽を作りたいということでしょうか。嗜好品は生活の外にあるべきものではなく、生活と共になくてはならないものなのだと思います。
|
|