ゲイリー・カッツ
難解とも思える知的なアレンジと緻密なサウンド作りで知られるのがゲイリー・カッツ。スティーリー・ダンのほとんどのアルバムは、カッツのプロデュースによるもの。D・フェイゲンがいかに完璧主義者とはいえ、ゲイリー・カッツなくしてはあのサウンドは生まれなかっただろう。それ以外ではマーク・ジョーダンの『Mannequin』やダイアナ・ロスの『Ross』あたりが有名だが、いずれもカッツらしくきっちり作り込まれた安心感のある音に仕上がっている。また女性デュオEYE
to EYEの『EYE to EYE』はシニカルな雰囲気がよく出ていて、スティーリー・ダンファンにオススメ。
ソロのスティングは、ジャジーで落ち着いた味わいのAORを聴かせる。このソロ2作目では円熟味さえ漂っている。ポリスにいた尖ったロック小僧と同一人物とは思えないほど、ジャズやソウルへの造詣の深さが感じられる。「Fragile」や「Englishman
in New York」といった名曲のほか、CMで使われたキャッチーな曲やジミヘンのカヴァーもあり、全曲通して楽しめる。