<FRF04>を熱狂させた話題の!!!(chk chk chk)を直撃!
ダンスに対する何らかの“発火点”になればいい <FUJI ROCK FESTIVAL 04>で観客をダンスの渦へと巻き込み熱狂させた!!!。 “chk chk chk”という発音でお馴染みの彼らだが読み方は同音を3回繰り返すものならなんでもアリ! そんなイカしたバンド名と共に、その音楽性も実に衝撃的。 前N.Y.市長ジュリアーニの市政を批判したシングル曲 「ミー&ジュリアーニ・ダウン・バイ・ザ・スクール・ヤード」で一気に話題となったのだ。 ダンスミュージックよりも深いそこはかとないグルーヴとオリジナル・パンク精神に基づく 音楽に対するエネルギーは、アルバム『LOUDEN UP NOW』でも見事に昇華されている。 そんな彼らに!!!結成の経緯やあの話題曲の真相を訊いた。 |
タイラー・ポープ(G): お客さんが、スタートの時点からヤバかったね。エルギーが半端じゃなかった。僕らとしてもパワーをもらう部分が多くて、かなり楽しめたね。 ニック・オーファー(Vo): 日本に来られたことがまずは一番の喜びだったんだけど、昨日の出来事もエキサイティングだった.よ。 ジョン・ピュー(Dr): オーディエンスにはとにかくダンスをして欲しいし、僕ら自身もみんなを突き動かす演奏を心掛けている。昨日のショウは、そんなコンセプトが上手くいった証だね。 ――!!!結成の経緯とは? ジョン・ピュー: 今時のパンクっていうのはオリジナル・パンクと違って、マッチョで体育会系な雰囲気がある。ただ、僕らがサクラメント(カリフォルニア州都)のローカル・シーンでパンクを聴き始めた頃、そこまでシーンはステレオタイプじゃなかった。議論や対立があるにしろ、それは建設的だったし、温かさもあった。簡単に言ってしまうと、'90年代の半ば以降からはそういう魅力がなくなってしまったんだ。システムへの反抗~破壊っていうのが、パンクのテーゼとしてある部分機能していたんだけど、それすらも“パンクのシステム”に取り込まれていった。そういう状況に絶望したんだね、僕らは。 ニック・オーファー: そんなこんなで模索している時期に、俺らはDJハーヴィやエリック・ダンカンみたいなハウス・ミュージックのDJたちを発見したんだ。最初はそういう音楽に対して偏見があって、懐疑的な部分もあったよ。ただ、彼らがやっていたようなパーティは、俺らが思っていたような保守的で洗練されたものじゃなく、随分ルードな雰囲気を持っていた。それにソウルフルでもあったし。そういう部分で、俺らはシンパシーを持つことができたんだ。
ニック・オーファー: 反響は大きかったけど、法律を変えるまでには至らなかったね(笑)。政治的な歌詞で知られたクラッシュにしてもそうだけど、結局こういう歌詞は批判的ではあっても“説教”じゃないんだ。クラッシュはエリザベス女王に対して批判的なことを歌ったけど、それで何かが変わったわけじゃないし、彼らも変えられるなんて思っていなかっただろう。俺らも同じで、この曲でダンスに対する何らかの“発火点”になればいいと思っている。ただのアンセムとして受け取って欲しいね。 ――この曲は政治的オピニオンが強いのですが、意外にもバッシングとかはないんですね。 ジョン・ピュー: う~ん、ネガティヴなものがこの曲にあるとしたら、それは…「ここまで言わなくても良かったんじゃないか」って少々反省している点かな(笑)。 ――ただN.Y.は、これまでよりもますます保守化が強まっていますね。 ジョン・ピュー: 確かに。ただ、未だにこの街へ来る人たちは、自由でボヘミアン的な雰囲気に憧れている部分もある。そういう人たちは決まって傍観者で、クリエイティヴなことは何もしようとしない。それがこの街の保守化を進めていることの一つさ。あとはブルームバーグの市政だろうね。今、N.Y.では交通機関とか不動産の値段がすごく上がっているんだけど、それは彼の願っている状況でもある。つまり、金持ちだけが優遇される街作りっていうことだ。僕らの友達も、どんどんこの街を去っていっているよ。ミリオネアによるミリオネアのための遊び場で、庶民には生活費がかかり過ぎる。ただ、そういう状況への怒りっていうか反発っていうのは、僕らの音楽に対するエネルギーになり得るんだ。 インタビュー: 岡本俊浩 通訳: 吉田香織 ※!!!のライヴ・レポなど<FUJI ROCK FESTIVAL 04>特集へはこちらから |
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