【速レポ】<京都大作戦2025>dustbox、「何年バンドしてても今が最高」

お昼現在、気温は34度。体にまとわりつくような暑さにグラウンドのあちらこちらでは放水が行なわれ、心地よい水しぶきに観客の歓声が上がっている源氏ノ舞台。Age Factoryに続いて登場するのは、<京都大作戦>皆勤賞のdustboxだ。
昨年10月の結成25周年の集大成イベント<KOSHIROCK GALAXY 2024>をもってドラマーのYU-KIが脱退し、SUGA(Vo, G)とJOJI(B, Vo)、サポートドラマーを交えた体制となって、初の<京都大作戦>でもある。今年もこのステージに帰ってきてくれたふたりに、観客はサウンドチェック時から元気いっぱいで、SUGAに「まだ休んでおいてね」と声をかけられるほどだったが、お馴染みのSEが流れると待ってましたとばかりにコブシやタオルが掲げられ、この源氏ノ舞台のボルテージがぐんと駆け上がっていった。


「京都!」とSUGAが声を張り上げ、「Hurdle Race」のギターリフを響かせる。「今まででいちばんハンパねえ京都大作戦見せてくれよ。やっちまえ!」(SUGA)と高速のリフをかき鳴らし、これぞ dustboxというブライトなメロディを夏空に響かせる。JOJIの気持ちのいいベースラインやドラムのビートに、あちらこちらでできたサークルがスピードを上げる。続く「Emotions」の強力なビートで加速する熱いアンサンブルに、観客のシンガロングもクレッシェンドする。
暑さを忘れたように声を上げ、もみくちゃになっていく観客の姿を嬉しそうに指差しながらSUGAは、「いいね、京都。やっぱ大作戦の景色最高っすね。楽しみにしてきたんだね」と、その気持ちをもっと聞かせてくれと冒頭のセリフの掛け合いから一体感バッチリの「Still Believing」へと突入。キレのいいバンドアンサンブルに乗る甘みを帯びたグッドメロディが、会場にエモーショナルな風を起こしていく感覚だ。

「また帰ってこれました。1年でいちばん緊張するイベント、それが京都大作戦。わたくし今、声が裏返りまくりです。それくらい気持ち込めてますから」とJOJI。SUGAは舞台袖にいる10-FEETに向けて「感謝してます、10-FEET」と笑顔を見せた。

中盤では、ダイナミックなビートがスピードを上げるエネルギッシュな「Riot」から、必殺とも言える泣きのメロディに会場が歓喜に包まれる「Bitter Sweet」へとなだれ込む。歌い、踊り、手拍子をしたり、楽しそうに跳ね回ったりと、観客は思い思いに興奮を形にしている。会場のムードは抜群にいい。そしてここからは<京都大作戦>だからこそのステージだ。


SUGAのギターのストロークに、会場の歓声が高まる。JOJIは「1年に1回しかやらない曲。このおかげで1年、緊張してた」と語り、10-FEET「ヒトリセカイ」のカバーを披露する。舞台袖からは、ヘルメット姿の10-FEETの3人、TAKUMA、NAOKI、KOUICHIが登場してステージを縦横無尽に駆けまわり、あるいは dustboxのメンバーよりもカメラを独占して熱唱するなど、暴れ回る。

そんな盟友たちの姿に笑顔になりながら、しゃかりきになって馬力を上げていく dustboxは、ここでないとなかなか見られない。「NAOKIがベースを持ったってことは、どういうことかわかってるだろうな」と威勢よく切り出したKOUICHIに、「言うたれ、KOUICHI」とけしかけるTAKUMA。「お前らほんま……なめんなょ」といつものごとく尻すぼみなグズグズ具合で会場に笑いを起こしつつ、いつの間にか dustboxもヘルメット姿でスタートしたのは「Neo Chavez 400」。NAOKIにベースを託したJOJIは渾身のシャウトをかまし、TAKUMAも加わったツインギターでアグレッシヴなリフを観客に見舞う。全員がヘルメット姿で暴れ回る、なんともパンクなステージだ。

しっちゃかめっちゃかな残り香が漂うステージで、「まだ時間ある? あと7分。2曲いけるな」と言ってSUGAは、「京都、また来るわ。明日なんかこなければいいのにっていう曲」と「Tomorrow」をプレイ。観客もまた同じ思いにちがいない。会場のシンガロングはいちだんと、エモーショナルに、そして大きく響きわたっていく。未だヘルメット姿のSUGAとJOJIはかなり暑そうだが、汗だくで、顔をくしゃくしゃにしながら歌い、プレイする姿に拍手や歓声が起きた。

「何年バンドしてても今が最高。京都大作戦も今が最高。ずっとやろうぜ!」とSUGAは「Jupiter」の伸びやかなボーカルを轟かせる。活動開始から四半世紀を経たdustbox。そんなキャリア十分のバンドが、なりふり構わず無邪気に笑い、音を合わせる楽しさを存分に見せてくれる。それがこの<京都大作戦>のステージなんだろう。
「また、ライブハウスで会いましょう」とステージを後にしたdustboxは、舞台袖の10-FEETに特大なハグで迎えられた。
文◎吉羽さおり
写真◎HayachiN
セットリスト
1. Hurdle Race
2. Emotions
3. Still Believing
4. Riot
5. Bitter Sweet
6. ヒトリセカイ
7. Neo Chavez 400
8. Tomorrow
9. Jupiter
<京都⼤作戦2025 〜暑さも⾬もお茶のこ祭祭〜>
<MISSION IMPOSSIBLE-KYOTO 2025 〜No big deal in the heat or rain〜>
7⽉5⽇(⼟) 京都府⽴⼭城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
7⽉6⽇(⽇) 京都府⽴⼭城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
open9:30 / start11:00
※⾬天決⾏ / 荒天中⽌
〒611-0031 京都府宇治市広野町⼋軒屋⾕1
▼出演者 ※50⾳順
【7⽉5⽇ 源⽒ノ舞台】Age Factory / Ken Yokoyama / 四星球 / SUPER BEAVER / dustbox / 10-FEET / MAN WITH A MISSION / ROTTENGRAFFTY
【7⽉5⽇ ⽜若ノ舞台】INKYMAP / おとぼけビ〜バ〜 / カライドスコープ / KUZIRA / the 奥⻭’s / SPARK!!SOUND!!SHOW!! / RAINCOVER
【7⽉6⽇ 源⽒ノ舞台】ELLEGARDEN / SiM / SHANK / 10-FEET / Dragon Ash / バックドロップシンデレラ / BRAHMAN / WANIMA
【7⽉6⽇ ⽜若ノ舞台】KOTORI / THE BAWDIES / SHADOWS / SKA FREAKS / STOMPIN’ BIRD / NUBO / Brown Basket
【鞍⾺ノ間】『京都⼤作戦杯2025』EGOLA / ⼤阪籠球会 / SOMECITY OSAKA / TEAM ISHIKAWA / TEAM-S / TEAM TOHOKU / TEAM NICK / TEAM FUKUOKA
『エキシビションマッチ』7/5(⼟) 東⼭⾼校・7/6(⽇) 京都ハンナリーズ
※10-FEETは2⽇間とも出演
※アーティストは都合により変更になる場合がございます。その際チケット代⾦の払戻しは⾏いませんので、予めご了承下さい。







